薄毛の様々な原因

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[記事公開日]2018/05/10
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薄毛の様々な原因

薄毛

あなたの薄毛、本当にAGAですか?なるほど、確かに薄毛の原因の大半は、AGAです。家系的に心当たりのある方は、何の疑いもなくご自身の薄毛をAGAと決めつけてしまうかも知れません。しかしながら薄毛には様々なタイプがあります。あなたの薄毛は、かならずしもAGAとは言い切れません。ここでは、AGAを含めて様々なタイプの薄毛をご紹介。それぞれの薄毛の特徴や原因、対策を解説します。

自身の薄毛の原因を確認しよう

一般に、薄毛と言えばAGA(男性型脱毛症)を指すイメージがありますが、薄毛の種類はAGAだけではありません。AGA以外の薄毛としては円形脱毛症がよく知られていますが、他にもFAGA(女性が発症するAGA)、分娩後脱毛症、脂漏性脱毛症、ひこう性脱毛症、牽引性脱毛症、病気による脱毛症など、薄毛には様々なタイプがあります。

たとえ遺伝的にAGAの可能性が高いとは言え、医療機関で適切な診断を受けてみると、意外にも別の原因による薄毛である、という可能性もあります。薄毛を改善させるには、まず自分の薄毛の原因を明確にすることが大事。特に、病気による薄毛の場合は美容上の問題よりも深刻な事態なので、注意が必要です。

AGA(男性型脱毛症)が原因の薄毛

AGA(男性型脱毛症)とは、前頭部や頭頂部にかけて見られる男性特有の薄毛症状。言わば薄毛の象徴的な症状でもあり、日本人に限らず、世界中の男性に多く見られます。

【特徴】

生え際がM字型やU字型に、または頭頂部がO字型に薄毛が進行。やがて薄毛の範囲が拡大し、最終的には側頭部と後頭部に毛を残した状態に至り、抜け毛が鎮静化します。

進行性を特徴とする症状のため、放置していても薄毛が改善することはありません。また、症状が進行すればするほど難治化していくため、改善を図りたい人は一刻も早い対策が必要となります。

【原因】

直接的な原因は、男性ホルモンの一種であるDHT。DHTが毛根内部で毛の成長サイクルを乱し、抜け毛のペースを早めてAGAとなります。

DHTとは、もともと「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモン。この「テストステロン」が5αリダクターゼという酵素と結びつくことにより、DHTへと変化します。

【対策】

医療機関で治療を受ける以外に、根本的な改善を図ることはできません。現在、厚生労働省では「フィナステリド」という成分を配合した内服薬、およおび「ミノキシジル」という成分を配合した外用薬について、一部商品に販売認可を出しています。

また、AGAの治療を専門的に行なっている医療機関においては、機関独自の治療法などを提供するなどしてAGAの改善治療をおこなっています。

FAGA(女性男性型脱毛症)が原因の薄毛

FAGA(女性男性型脱毛症)とは、男性のAGAと同じ原因で発症する女性特有の薄毛症状。DHTの働きに加え、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が薄毛の原因に絡んでいます。

【特徴】

AGA(男性型脱毛症)に見られるM字やU字、O字などといった局所的な脱毛症状を見せず、頭髪全体が均等に減少する点がFAGAの特徴。早ければ35歳前後から発症し、閉経前後になると、大なり小なりほとんどの女性にFAGAが見られるようになります。

【原因】

FAGAの原因は2つ。1つめが、男性と同じDHTの働きです。DHTは男性ホルモン「テストステロン」が変質した物質ですが、女性の体内でも微量ながら「テストステロン」は分泌されています。よってFAGAには、男性のAGAと同じメカニズムが働きます。

2つめが、女性ホルモンであるエストロゲンの減少。エストロゲンには、女性の毛髪を健全かつ美しく成長させる働きがありますが、その分泌量は30歳前後をピークに減少。減少に伴い毛髪も徐々に減り、やがてFAGAへと至ります。

なおFAGAの主要な原因は、これらのうち後者の「エストロゲンの減少」とされています。

【対策】

エストロゲンの減少を助長するとされる要素を、日常から排除します。具体的には、睡眠不足、過度なダイエット、ストレス等を排除することにより、毛髪再生のための素地を作ります。エストロゲンに似た作用を持つ大豆イソフラボンの摂取も、FAGA改善には有効です。

医療機関においては、内服薬「パントガール」や外用薬「リアップ」などを処方。医療機関独自の治療法(オリジナル処方薬、育毛メソセラピー、HARG療法など)も行なっています。

分娩後脱毛症(産後の薄毛)が原因の薄毛

出産後、急激に抜け毛が増える症状のことを、分娩後脱毛症と言います。人によっては異常とも言える量の抜け毛が見られますが、基本体には放置していれば完治する症状なので安心してください。

【特徴】

出産直後から、著しい脱毛(人により程度は異なる)が見られます。洗髪後の排水口や、起床後の枕に多くの毛が残っていることで、脱毛を自覚します。ブラッシング後のブラシ内にも大量の毛が見られることがあることから、中には円形脱毛症を疑う人もいるようです。

【原因】

分娩後脱毛症の原因は、分娩後における女性ホルモンの急激な変化。出産前、母体は胎児を健康に育てるために女性ホルモンのエストロゲンを大量に分泌していますが、出産後、エストロゲンの分泌量は、急激に妊娠前と同じ程度に戻ります。

エストロゲンは、毛髪の成長に大きく関与しているホルモン。出産後の急激なエストロゲンの減少が、一時的に抜け毛を招くため分娩後脱毛症が発症します。

なお、出産後の子育てのストレスが分娩後脱毛症を悪化させることもある、と言われています。

【対策】

放置していれば、6ヶ月~1年程度で自然に治ります。その間、抜け毛による地肌の露出が気になる場合には、ウィッグなどで一時的に対処しましょう。

なお、1年を過ぎても症状が改善しない場合には、何らかの別の原因による脱毛症が考えられます。早急に医療機関を受診してください。

脂漏性脱毛症が原因の薄毛

脂漏性脱毛症とは、脂漏性皮膚炎が原因となって発症する脱毛症。毛髪がベタベタと脂っぽい人に見られることがあります。男性・女性のどちらにも見られる症状ですが、男性の発症率は女性に比べると2倍と言われています。

【特徴】

AGAが前頭部や頭頂部などの決まった部位に発症する脱毛症であることに対し、脂漏性脱毛症は脂漏性皮膚炎が生じた部位に生じる脱毛症。よって、発症部位に規則性はありません。皮膚炎特有の強い痒みを伴いますが、これを掻いてしまうことで炎症も脱毛症も悪化していきます。

【原因】

直接的な原因は、頭皮に常在しているマラセチア真菌の異常繁殖とされています。マラセチア真菌は頭皮の皮脂をエサにして繁殖するため、傾向としては、皮脂の分泌量が多い体質の人、または洗髪が不十分な人に多く発症します。脂漏性皮膚炎が軽症の段階で治療を済ませた場合、脱毛症まで至ることはほとんどありません。

【対策】

脂漏性皮膚炎の悪化による脱毛症なので、脂漏性皮膚炎の治療がそのまま対策となります。具体的には、ステロイド外用薬や抗真菌薬等の処方です。痒みが著しい場合には、抗ヒスタミン剤が処方される場合もあります。

並行して、正しい方法でのシャンプー、バランスの取れた食事、ストレス解消、十分な睡眠などの生活指導も行われます。

ひこう性脱毛症が原因の薄毛

ひこう性脱毛症とは、いわゆるフケ症と脱毛症とが合併した症状のこと。多くの場合、髪の毛の中や肩などに、大きめのフケが見られます。思春期を過ぎた男子に多く見られる症状として知られています。

【特徴】

大粒のフケ、著しい痒み、頭皮の赤み(炎症)、脱毛症の4つの症状を併発することが多いとされています。痒みを我慢できずに掻いてしまうと、症状が一層悪化します。髪の毛は、細くツヤがない状態に。

【原因】

ひこう性脱毛症の原因は、医学的には解明されていません。ただし、症状が脂漏性脱毛症に似ていることから、脂漏性脱毛類似した原因(真菌など)があるのではないか、と推測されています。ただし現時点において、ひこう性脱毛症と脂漏性脱毛症とを関連付ける報告はほとんどありません。

【対策】

脂漏性脱毛症と同じ治療を受けることで、症状は改善します。具体的には、ステロイド外用薬や抗真菌薬、抗ヒスタミン剤などの処方です。皮脂の分泌量を抑えるため、ビタミンB2・B6が処方されることもあります。

脂漏性脱毛症と同様、医師から生活指導を受けることもあります。

牽引性脱毛症が原因の薄毛

ポニーテール、お団子ヘア、いつも同じ分け目のヘアスタイルなどの人に見られる脱毛症が、牽引性脱毛症。性別・年齢を問わず誰にでも発症しうる症状ですが、実際には女性、特に若い女性に多く発症する傾向があります。

【特徴】

ポニーテールやお団子ヘアの場合は前髪の生え際、いつも同じ分け目のヘアスタイルの場合は分け目のところから、徐々に髪の毛が薄くなっていくのが特徴。アイロンをし過ぎる人や、ブラッシングが乱暴な人などにも、その物理的な力が加わる部分で、牽引性脱毛症による抜け毛が増えることがあります。

【原因】

牽引性脱毛症は、複合的な要因で発症します。主な要因の一つは、牽引、つまり「引っ張る」ことによる物理的な力。一時的に引っ張るだけならば髪の毛は抜けませんが、ある程度の力で長期的に引っ張られると、髪の毛と皮膚との固着が弱くなり、毛が抜け始めます。また、引っ張ることによって周辺組織が血行不良となり、髪の成長に必要な栄養素が十分に届けられなくなることから抜け毛が生じる、とも言われています。

【対策】

引っ張る髪型をやめることが、牽引性脱毛症を改善させる最良の対策。また、引っ張る髪型が好きな人は、物理的に力が加わる部分を、時々変えるようにしてみてください。いつも分け目が同じ人は、分ける位置を変えることで症状が改善していきます。

円形脱毛症が原因の薄毛

かつて「10円はげ」と言われた症状が、円形脱毛症。10円玉大の突然の落毛を生じ、その後、患者によっては全頭脱毛へと至る場合もあります。多くの場合は治療によって改善しますが、中には難治性に至る患者も見られます。

【特徴】

何の前触れもなく、突然、小さな円形の脱毛が見られます。毛がある部分とない部分の境界線が明確で、急速なスピードで脱毛範囲が拡大することもあります。重症化すると、全頭脱毛から眉毛、まつ毛などの脱毛へと進行。やがては体毛すべてがなくなってしまうこともあります。なお、毛が抜ける時に痛みは感じません。

【原因】

円形脱毛症の明確な原因は、まだ特定されていません。かつては強いストレスが原因と考えられていましたが、現在では科学的根拠が乏しいとして、ストレス説は否定されています。概ね学会の同意が得られている原因が、自己免疫疾患。何らかの原因によって自己免疫機能が毛髪組織を攻撃し、抜け毛を進行させる、といった説です。

【対策】

睡眠を十分に取り、かつ栄養バランスの良い食習慣を送ることが土台となります。その上で、専門の診療科にて主にステロイド局注療法、局所免疫療法などによって治療を進めます。他にも、抗ヒスタミン薬や液体窒素を使った治療法も試みられています。

隠れた病気が原因の薄毛

何らかの病気が原因で発症する脱毛症があります。脱毛症を発症した人は、抜け毛という症状だけに目が行きがちになりますが、実際には何らかの隠れた病気を抱えている可能性もあります。違和感のある脱毛を自覚したら、速やかに医療機関を受診することが大切です。

【特徴】

原因によって、脱毛の特徴は様々です。円形脱毛症のように、局所的に著しい脱毛が見られる場合もあれば、頭髪全体から均等に抜け毛が見られる場合もあります。

【原因】

甲状腺機能低下、橋本病、糖尿病、膠原病、慢性胃腸疾患、脂質異常症、頭部白癬、金属アレルギー、梅毒、鉄欠乏性貧血、亜鉛欠乏症、パントテン酸欠乏症、ビオチン欠乏症、ビタミンB12欠乏症などが原因となって脱毛症が起こることがあります。また病気とは異なりますが、抗がん剤を始めとした薬剤の使用によって脱毛が生じることもあります。

【対策】

脱毛の原因は病気なので、病気を治すことが、すなわち脱毛症の治療となります。

薄毛を自覚したらまず病院へ

薄毛には、AGA以外にも様々なタイプがあることを理解できたと思います。

これら様々なタイプの薄毛の中でも特に気を付けたいのが、隠れた病気が原因の薄毛。糖尿病や梅毒のように、放置すると命に関わる病気が隠れているかも知れません。

薄毛は単に美容上の問題にとどまらない可能性もあるため、違和感のある脱毛を自覚した時には、早急に医療機関を受診してください。結果として単なるAGAであったならば、ひとまず安心。AGAを治療するかどうかは、ご自身で判断すれば良いでしょう。

まとめ

AGAの家系である場合、AGAが遺伝する可能性があります。ただし、その確率は25%程度とも言われているので、かならずしもAGAは遺伝するとは限りません。

「父親や祖父がAGAだから自分もハゲてきた」として諦めている中、病院で受診してみたら簡単に治る脂漏性脱毛症だった、ということもありうるでしょう。あるいは、上記に挙げた深刻な病気の可能性もあるでしょう。

薄毛を自覚したら、まずは医療機関を受診することが大事。すぐに治る薄毛なのかどうか、長期戦を要するAGAなのか、または、病気と関連ある薄毛なのかどうか、を確認してください。そのうえで、次の行動を考えるという順番が良いでしょう。

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