男性ホルモンと薄毛の関係

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[最終更新日]2018/03/15
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男性ホルモンと薄毛ってどう関係しているの?

男性ホルモン

男性ホルモンは薄毛の原因と言われるることが多いようです。具体的に、どのような影響を与えると考えられているのでしょうか。薄毛と男性ホルモンの関係を詳しく解説いたします。男性ホルモンの分泌量が多いと感じている方、薄毛が心配な方などは参考にしてください。

男性ホルモンと薄毛の関係

あまり知られていませんが、薄毛は様々な原因で引き起こされます。男性に特に多いとされているのがAGA(男性型脱毛症)です。一説では、日本人男性の約3割、男性の薄毛の約9割がAGAと言われています[1][2]。AGAは、思春期以降に始まり徐々に進行する男性の脱毛症です。生え際が後退する、頭頂部が薄くなる、両方が同時に進行するなどの症状が現れます。AGAと密接な関わりにあると考えられているのが男性ホルモンです。具体的に、どのような関わりがあるのでしょうか。

男性ホルモンのAGAの関係

AGAで薄毛が進行する理由は、毛母細胞の自然死を促すシグナルによりヘアサイクルの成長期が短縮されるからです。通常、2~7年程度と言われるヘアサイクルの成長期が数カ月~1年程度に短縮されることで、髪の毛が太く長く育つ前に抜け落ちてしまいます。これにより、産毛のような髪の毛が増える、あるいは髪の毛が生えてこなくなることで薄毛が進行します。[3]

AGAの原因は、男性ホルモンのテストステロンが毛乳頭細胞内に取り込まれて5α還元酵素の働きで活性の高い男性ホルモン・ジヒドロテストステロンに変換されることです。ジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞内のアンドロゲンレセプターと結びつくと、毛母細胞の自然死を促す誤ったシグナルが発せられます。これによりAGAを発症します。

男性ホルモンが薄毛の原因?

以上の理由でAGAを発症するため、男性ホルモンは薄毛の原因と言われています。このように言われるので男性ホルモンは悪者と捉えがちですが、男性ホルモンはアンドロゲンに属するホルモンの総称です。アンドロゲンの中にはテストステロン、ジヒドロテストステロンのほかアンドロステロンなどがあります。すべての男性ホルモンが薄毛に関与しているわけではありません。

また、AGAの発症、進行には、男性ホルモン以外の要因も関わっていると考えられています。様々な要因がある中で、そのひとつとして確定しているのが男性ホルモン・ジヒドロテストステロンです。ジヒドロテストステロンが悪者であることは確かですが、ジヒドロテストステロンだけが関わっているわけではない点に注意が必要です。

テストステロンの分泌量はほぼ同じ

ここで気になるのが、ジヒドロテストステロンのもとになるテストステロンの分泌量です。一般的に言われるように、AGAを発症する方は男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が多いのでしょうか。少し意外ですが、薄毛の人も薄毛でない人も、テストステロンの分泌量に大きな差はないと考えられています。健康な男性であれば、ほぼ同じ量のテストステロンが分泌されていると考えられているのです。では、何がAGAの発症に影響を与えているのでしょうか。[4]

鍵を握る5α還元酵素とアンドロゲンレセプター

AGAの発症に大きな影響を与えていると考えられているのが、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素です。このテストステロンの分泌量に個人差はあまりないのに対し、5α還元酵素の分泌量には、実は大きな個人差があると考えられています。5α還元酵素の分泌量が多いと、ジヒドロテストステロンが沢山作られるためAGAを発症しやすくなります。

同じく、影響を与えていると考えられているのがアンドロゲンレセプターの感受性です。AGAは、5α還元酵素の働きで変換されたジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞内のアンドロゲンレセプターと結合することで起こります。アンドロゲンレセプターの感受性が高い方は、ジヒドロテストステロンに敏感に反応するためAGAを発症しやすいと考えられます。

これら2つの要素を兼ね備えている方は、薄毛になりやすい体質といえるでしょう。

薄毛になりやすい体質は遺伝する

薄毛になりやすい体質は遺伝すると考えられています。5α還元酵素の活性を決定づける遺伝子と、アンドロゲンレセプターの感受性を決定づける遺伝子が受け継がれるからです。

5α還元酵素の活性を決める遺伝子は、優性遺伝すると考えられています。両親のどちらかが5α還元酵素の活性が高い遺伝子をもっている場合、子供にも受け継がれます。

アンドロゲンレセプターの感受性が高い遺伝子は、特に母方から受け継がれると考えられています。母方が薄毛家系の方は、この遺伝子を受け継いでいるかもしれません。母親が薄毛になりにくいのは女性ホルモンの分泌量が多いからです。女性ホルモンには髪の毛を育てる働きがあるため、アンドロゲンレセプターの感受性が高い遺伝子を受け継いでいてもその影響は現われづらいとされています。[5]

薄毛になるかどうかは分からない

両親から薄毛になりやすい遺伝子を受け継いでいても、実際に薄毛になるかどうかはわかりません。仮に、5α還元酵素の活性が高い遺伝子を受け継いでいてもアンドロゲンレセプターの感受性が低ければ薄毛にならないことや5α還元酵素の活性が低い遺伝子を受け継いでいてもアンドロゲンレセプターの感受性が高い遺伝子を受け継いでいると薄毛になることなどが考えられるからです。また、遺伝以外にも生活習慣やストレス、年齢など様々な要因が影響します。これらの遺伝子を受け継いでいる方が薄毛になりやすいことは確かですが、将来的に薄毛になるかどうかはわかりません。

女性の薄毛にも影響を与える男性ホルモン

男性ホルモン・ジヒドロテストステロンは、女性の薄毛にも影響を与えます。あまり知られていませんが、実は女性の身体でも男性ホルモンはわずかに分泌されています。AGAと同じメカニズムで引き起こされる女性の薄毛はFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれています。

FAGAの原因は、何かしらの理由で女性ホルモンの分泌が減ってしまい、相対的に男性ホルモンの影響が強くなることです。これによりAGAと同じメカニズムの薄毛が引き起こされます。女性ホルモンの分泌を乱す原因として、加齢の影響や過度なダイエットの影響などを挙げられます。ホルモンバランスが乱れれば女性でも薄毛を引き起こすことから、男性ホルモンが薄毛に与える影響の大きさがわかります。

男性の薄毛治療は5α還元酵素を阻害する

男性に多いAGAは、男性ホルモン・ジヒドロテストステロンの影響で引き起こされます。男性ホルモンに影響を与えるのが5α還元酵素です。このことから、5α還元酵素の働きを阻害すればAGAを改善できると考えられます。

5α還元酵素を阻害する成分がフィナステリドやデュタステリドです。フィナステリドには、5α還元酵素Ⅱ型を阻害する働きが、デュタステリドには5α還元酵素Ⅰ型とⅡ型を阻害する働きがあります。フィナステリド・デュタステリドともAGA治療薬として使用されています。これらを配合した薬は、AGAクリニックで処方してもらえます。

AGA、あるいは薄毛にお悩みの方、男性ホルモンの影響が気になる方は、AGAクリニックでフィナステリド・デュタステリドを処方してもらうとよいでしょう。効果的に、お困りの症状を改善できるはずです。

[1]参考:『男性型脱毛症』日本医学育毛協会

[2]参考:『医療機関だからできる発毛・抜け毛治療』美容外科形成外科川崎中央クリニック

[3]参考:『薄毛の原因AGA』アイランドタワークリニック

[4]参考:『薄毛と男性ホルモンの関係』医療法人昴会野村医院

[5]参考:『薄毛遺伝子の解説』SBC湘南美容外科AGA薄毛治療情報サイト

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