粃糠性脱毛症

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粃糠性脱毛症とは

粃糠性脱毛症における「粃糠」とは、簡単に言えばフケのことである。多量のフケを伴った脱毛症のことを、一般に粃糠性脱毛症と言う。

粃糠性脱毛症は、主に思春期以上の男子に発症しやすい。この時期は、皮脂の分泌量が増え、フケ症に至りやすい時期でもある。よって粃糠性脱毛症は、外観としてはフケ症が原因の脱毛症にも見えるが、背景には皮脂の存在も大きく絡んでいることになる。

粃糠性脱毛症の症状と原因

粃糠性脱毛症の症状、および原因について、TMクリニックの岡田里佳医師(日本皮膚科学会専門医・日本内科学会専門医)の監修記事を参照して解説する。[注1]

粃糠性脱毛症の症状

粃糠性脱毛症は、上述の通り「多量のフケを伴った脱毛症」のことである。

一般的なAGAの場合、必ずしもフケ症が併発している訳ではない。FAGA(女性のAGA)や円形脱毛症、脂漏性脱毛症などもしかりである。その点において、他の脱毛症の症状とは区別される。

また、粃糠性脱毛症が発症すると、頭皮に著しい痒みを伴うこともある。痒みを解消するために頭皮を掻いてしまい、さらにフケ症が悪化して脱毛が進行することもある。

粃糠性脱毛症の原因

粃糠性脱毛症の原因は、現在のところ明瞭ではない。

ただし、フケ症であるかどうかという違いを除けば、粃糠性脱毛症の症状は脂漏性脱毛症と症状が類似していることから、治療にあたっては脂漏性脱毛症と同じ処置がとられる。

脂漏性脱毛症とは、過剰に分泌される頭皮の皮脂を餌に、頭皮の常在菌であるマラセチア真菌が異常繁殖して発症する脱毛症のこと。粃糠性脱毛症を発症する年齢層もまた、頭皮の皮脂が多く分泌される時期と重なる点、および脂漏性脱毛症と同じ治療法で粃糠性脱毛症も改善する点に鑑みるに、両者の原因は近いものと推察される。

粃糠性脱毛症の治療法

上記の通り、粃糠性脱毛症の治療法は、脂漏性脱毛症と同じ方法がとられる。具体的には、症状に応じて以下のような方法が試される。

頭皮を清潔に保つ

脂漏性脱毛症、ひいては粃糠性脱毛症の主たる原因は、常在菌であるマラセチア真菌の異常繁殖である。マラセチア真菌は皮脂を餌にして繁殖することから、頭皮における皮脂の残留量を減らすことが、まずは治療の基本となる。

具体的には、毎日の怠りない洗髪である。洗髪を通じて頭皮の皮脂量を適切にコントロールするだけで、初期の粃糠性脱毛症は改善することがある。

外用薬を塗布する

頭皮の炎症が著しい場合には、炎症を抑えるためにステロイド外用薬が使用される。同時に、頭皮に異常繁殖したマラセチア真菌を適正量に抑えるため、イミダゾール系抗真菌薬も用いられる。

内服薬を服用する

皮脂の分泌量に大きく関与しているとされるビタミンB2、およびB6の内服を並行することがある。また、頭皮の痒みが著しい場合には、痒み止めとして抗ヒスタミン剤を内服する場合もある。

粃糠性脱毛症を改善させるための生活習慣

他の脱毛症も同じだが、粃糠性脱毛症においても、その症状は生活習慣の影響を強く受ける。粃糠性脱毛症においては、特に「洗髪」「睡眠」「食事」の3点に注意する。

洗髪

粃糠性脱毛症を改善させるための最も大事な生活習慣は、洗髪である。頭皮に残留する皮脂はマラセチア真菌を増殖させるため、洗髪を通じ余分な皮脂はしっかりと洗い流すことが大切である。

洗髪をする際の注意点は、頭皮をやさしくマッサージするように洗うこと。強い力を入れたり爪を立てたりして洗うと、頭皮の炎症が悪化する恐れがあるからである。

また、シャンプーには真菌の増殖を抑える「ミコナゾール硝酸塩」を配合したものを選ぶことを推奨する。

なお、中にはシャンプーの成分の刺激が頭皮に良くないと考え、お湯のみで洗髪を行なう者もいる。しかし、お湯のみで余分な皮脂を落とすことは不可能である。洗髪をする

際には、かならずシャンプーを使用するようにする。

睡眠

粃糠性脱毛症の患者の頭皮は、炎症を起こしている。炎症は、睡眠中に多く分泌される成長ホルモンの働きによって改善へと向かう。

睡眠が少ない者、または生活リズムが乱れて就寝・起床時間が不安定な者においては、成長ホルモンの分泌が不十分になる可能性が高い。炎症を快方へと向けるため、十分かつ質の良い睡眠をとるべきである。

もとより、睡眠不足は皮脂の分泌量を増やす要因として知られている。

食事

揚げ物やスナック菓子、および糖分を多く含む食べ物は、頭皮の皮脂量を増加させる要因となる。粃糠性脱毛症の治療中は皮脂分泌を促す食べ物を控え、完治後も再発予防のため、これら食べ物をなるべく減らすよう心掛けたい。

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