加齢変化

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[記事公開日]2018/03/14
[最終更新日]2018/06/18
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加齢変化とは

加齢変化とは、加齢に伴って生じる様々な身体上の変化である。頭皮・頭髪も身体の一部である以上、加齢にともなって変化を生じる。東京医科歯科大学では、加齢性の薄毛の原因について、画期的な研究成果を上げた。ただし、男性に見られる薄毛の原因の多くは加齢ではなくAGA(男性型脱毛症)。女性のそれは、女性ホルモンの減少である。これら多くの薄毛原因に対して東京医科歯科大学の研究がどこまで関与できるか、現状、定かではない。

加齢によって毛髪の本数は減少する

人は、歳を取るにつれ、身体のあらゆる部分において加齢変化が生じる。筋肉、骨、関節、眼、耳、臓器、脳、生殖器など、身体の全ての部分において変化が進む。もちろん、頭髪も例外ではない。

頭髪の変化とは、具体的には薄毛である。加齢変化による薄毛の程度は、個人によって大きく差がある。ただし、大なり小なり、男女を問わず加齢によって毛髪の本数は減少する。

以下、加齢変化に伴う薄毛に関して説明する。

加齢に伴う薄毛のメカニズムが解明された

加齢変化に伴って毛髪が抜けたり、細くなったりするメカニズムについて、2016年、東京医科歯科大学の研究グループ(西村栄美教授ら)が、世界初の画期的な発見をした。新聞やテレビニュースなどでも大々的に報じられたため、薄毛に関心のある者の中には、当該報道を鮮烈に記憶している者も多いだろう。[注1]

【研究の概略】

加齢に伴い毛薄毛が見られる現象は、人間のみではなく、マウスにも見られる。そこで、マウスと人間における、加齢に伴う薄毛のメカニズムについて、毛包幹細胞に注目しつつ比較解析した。

毛髪は、成長期・退行期・休止期という3つの期間を1サイクルとし、1サイクルが巡るごとに、古い毛が抜けて新しい毛が生える。これを毛周期(ヘアサイクル)と言う。毛周期のサイクルが次のサイクルに入るとき、毛包幹細胞が分裂して自己複製し、新しい毛が生える。

この自己複製の際、DNAに損傷が生じると、通常はこれを修復するための反応が起こる。しかしながら、老化が進行すると、DNAの修復機能が劣化していく。その結果、新しい毛を生み出す毛包幹細胞が段階的に矮小化(ミニチュア化)。徐々に生えてくる毛は細くなり、やがて頭皮から抜け落ちる。

東京医科歯科大学の研究グループは、この毛包幹細胞の自己複製能力の劣化の原因が「XVII型コラーゲンの減少」であることを突き止めた。マウスの毛包幹細胞においても、人間の毛包幹細胞においても、同様のメカニズムであることを解明した。

この理論に基づき、老化によって薄毛を生じたマウスの毛包幹細胞に対して人工的にXVII型コラーゲンを供給したところ、毛周期の加齢変化を抑えることができた。

当研究成果は、加齢に伴う薄毛治療の可能性を広げたのみではない。毛髪以外のあらゆる部位における老化システムに、同じく幹細胞の変化を理由とする老化プログラムが働いているのではないか、との示唆を得られた。すなわち、XVII型コラーゲンの減少を抑制することで、様々な加齢変化を抑制できる可能性が浮上したのである。

加齢変化による薄毛とAGAによる薄毛の違い

東京医科歯科大学の研究成果は、薄毛に悩む多くの者にとって朗報である。ただし、本研究は加齢変化を原因とする薄毛であることを忘れてはならない。

多くの男性に発症する薄毛は、加齢ではなくAGAが原因である。具体的には、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンの一種が、薄毛の直接的な原因であることが判明している。

DHTとは、男性ホルモンのテストステロンが、酵素の5αリダクターゼの作用を受けて変質した物質。DHTが毛乳頭細胞のレセプター(男性ホルモン受容体)と結合することにより、ヘアサイクルが乱れて抜け毛・薄毛を発症する。これら一連のプロセスの多くは、遺伝を原因としている。

よってAGAは、加齢とは異なる原因で発症する症状。現に働き盛り、元気盛りな20代、30代の男性においてもAGAは多く発症する。

東京医科歯科大学における研究成果が、AGA発症のメカニズムに関与できるかどうかは、少なくとも現時点では定かではない。

女性の薄毛は主に女性ホルモンの減少が原因で発症する

男性のみならず、女性にも薄毛は発症する。その発症原因にはいくつかのものがあるが、代表的な原因の一つが、女性ホルモンの減少である。

女性は、加齢に伴って女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌量が減少していく。多くの場合、40代半ば~50代前半において急激に女性ホルモンが減少し、いわゆる更年期障害を起こす。

女性ホルモンには健全な毛髪を維持する働きがあるため、更年期に入ると、女性は頭髪全体のボリュームが減り、かつ、1本1本の毛髪が細くなっていく傾向がある。

加えて、女性ホルモンの減少に伴い、相対的に男性ホルモンの比率が上がる(女性の体内でも男性ホルモンは分泌されている)。これもまた、女性の薄毛の一因ではないかと囁かれている。

これら女性の薄毛に対し、先の東京医科歯科大学の研究成果が深く関与できるかどうかについて、現状では定かではない。

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