円形脱毛症

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[記事公開日]2018/03/07
[最終更新日]2018/04/25
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円形脱毛症とは

円形脱毛症とは、何の前触れもなくして突然、多量の頭髪が抜ける症状のこと。局所的な脱毛で留まることもあれば、すべての頭髪が脱毛することもある。さらに重症の場合は、体毛までもが脱毛する。かつてはストレスが原因で発症するとされた円形脱毛症だが、現在では自己免疫機能の異常が原因であるとの説が有力。自然治癒する場合もあれば、皮膚科での治療を要する場合もある。

円形脱毛症とは前触れなく多量の毛が抜け落ちる症状

円形脱毛症とは、前触れも心当たりもなく、突如として頭髪の多量の脱毛が生じる症状のこと。局所的な脱毛で終わることもあれば、症状が進行して全頭脱毛に至る人もいる。頭髪のみならず、眉毛、髭、わき毛、すね毛、陰毛など全身の毛が抜け落ちることもある。

罹患率は人口の0.1~0.2%で、男女に関わらず発症する。一般に子供に好発する症状と見られがちだが、実際には発症時期と年齢に何ら関わりはない。

東京医科大学医学部附属病院の脱毛症外来公式ホームページでは、円形脱毛症について次のように説明している。

毛包を標的とする自己免疫疾患です。精神的ストレスがきっかけとなることがあります。類円形の脱毛斑を生じますが、びまん性に脱毛して1ヶ月で全頭脱毛となることもあります。繰り返すことが多い。病歴が長いほど予後はよくない。[注1]

なお頭部の局所的な円形脱毛症について、その病巣の形状を根拠に古くは「10円ハゲ」と呼ぶ者もいた。患者に対する蔑視的な言葉であり、現代人はその使用を慎むべきである。

円形脱毛症の前兆・初期症状・主な症状

【発症前に見られる前兆】

すべての患者に該当する訳ではないものの、円形脱毛症を発症する患者の一定割合に見られる「発症の前兆」が2つある。

  • 爪に細かい凹凸がある
  • アトピー性疾患に罹患している

もちろん、これら要件を満たしていても、必ずしも円形脱毛症を発症する訳ではない。

【発症初期の症状】

円形脱毛症を発症した直後には、次のような症状が見られることがある。

  • 前触れなく、痛みもなく、突然多量の頭髪が抜ける
  • 頭部に局所的な地肌が見られる
  • 脱毛斑と頭髪との境目が明確

【主な症状】

先に紹介した東京医科大学医学部付属病院脱毛症外来では、円形脱毛症の症状について、以下の5種類に分類している。

  1. 単発型・少数多発型
  2. 単発大型・多発型 (脱毛斑が全頭の25%未満)
  3. 多発型(脱毛斑が全頭の25%以上)
  4. ophiasis(蛇行)型・全頭型・汎発型
  5. 急速進行型

これらのうち4は難治性で、5は予後良好である。

円形脱毛症の3つの原因

円形脱毛症の原因や遠因として、現在は以下の3点が指摘されている。

1.自己免疫疾患

自己免疫とは、体内に侵入した外敵を攻撃する機能のこと。この機能が、何らかの理由で外敵ではなく正常な細胞に攻撃を加えてくる状態のことを、自己免疫疾患という。

ところで、毛の成長を司る主要な細胞組織のことを「毛包」と言うが、自己免疫疾患によって「毛包」に攻撃が加えられたとき、円形脱毛症を発症することがある。

2.遺伝

円形脱毛症の発症原因として、遺伝的要因が指摘されている。親が円形脱毛症の場合の子供に遺伝する確率は、親が円形脱毛症ではない場合の子供のそれに比べて、約10倍とされている。

3.アトピー性皮膚炎

円形脱毛症に罹患している患者のうち、約40%がアトピー性皮膚炎にも罹患しているという報告がある。日本の全人口に対するアトピー性皮膚炎の罹患率が0.1%であることに鑑みて、円形脱毛症とアトピー性皮膚炎との関連は明らかである。

なお、かつては円形脱毛症の原因を精神的ストレスとする風潮が主流だったが、科学的根拠に乏しい説として、現在ではほぼ否定されている。円形脱毛症は、精神的ストレスとは無縁の乳児にも発症する。ただし、ストレスが引き金の一つとなり自己免疫疾患が発現する場合はある。

円形脱毛症への対処法

円形脱毛症に対して何らかの対処を試みる場合には、以下のうち、いずれかの方法を採る。

【病院で治療をする】

皮膚科などで専門的な治療を受ける。「円形脱毛症診療ガイドライン2010」(日本皮膚科学会)[注2]によると、円形脱毛症の治療には、①ステロイド局注療法、②局所免疫療法、が有効な治療法として指定されている。

【ウィッグ(かつら)を利用する】

ウィッグを利用して脱毛部分を隠す。ただし脱毛範囲が広い場合には、ウィッグを利用しても外見的に違和感が生じる場合がある。

【バンダナを巻く】

バンダナを巻いて脱毛部分を隠す。ただしウィッグと同様に、脱毛が広範囲にわたる場合には違和感が生じる可能性がある。

【ヘアスタイルを変える】

残っている髪を利用して、脱毛部分を隠す。局所的な脱毛など、症状が軽度の場合に有効。

【黒いスプレーやパウダーを利用する】

黒いスプレーやパウダーを利用し、脱毛部分を隠す。ただし脱毛範囲が広範囲の場合には、違和感が生じる。

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