アンドロゲンレセプター遺伝子

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[最終更新日]2018/06/08
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アンドロゲンレセプター遺伝子とは

アンドロゲンレセプター遺伝子とは、AGA(男性型脱毛症)発症の原因物質となるDHT(ジヒドロテストステロン)の働きを感受する組織である。同遺伝子の感受性が高い場合、AGAの発症可能性が高くなるとされる。医療機関において、同遺伝子の感受性の強弱を調べることが可能。感受性が高い者については、プロペシアなどの処方薬で対処する。

男性ホルモンの作用を受け取る機能組織

アンドロゲンレセプターは男性ホルモンの作用を受け取る機能組織を指す。俗に「男性ホルモン受容体」と言われる。この組織の機能の強弱は、遺伝によって受け継がれる。病院などでアンドロゲンレセプター遺伝子検査を受けることにより、自分のアンドロゲンレセプターの強弱の程度を知ることができる。

アンドロゲンレセプター遺伝子の機能が強い者はAGAを発症しやすく、逆に機能が弱い者はAGAを発症しにくいとされる。

なお、アンドロゲンレセプター遺伝子検査は、薄毛治療を行なっている医療機関で行なっている。あるいは、検査キットを入手すれば自宅で手軽に行なうこともできる。

【アンドロゲンレセプター遺伝子検査の検査内容】

AGAの素質を持つかどうかを確認する場合、DNAを構成する塩基のうちの3種類(シトシン、アデニン、グアニン)のリピート数(遺伝子配列の反復回数)を確認し、標準的なリピート数と比較する。リピート数が標準より多ければ、アンドロゲンレセプターの機能が強い、すなわち、AGAの発症可能性が標準より高いと判断される。

AGA発症プロセスにおけるアンドロゲンレセプターの役割

AGA発症とアンドロゲンレセプターとの関係を理解するうえで、前提としてAGA発症のメカニズムを理解しておかなければならない。

【AGA発症のメカニズム】

AGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質が直接的な原因となって発症する。

DHTとは、男性ホルモンのテストステロンが変質した物質。テストステロンに5αリダクターゼという酵素が結合することで、DHTが生成される。DHTが毛乳頭細胞のアンドロゲンレセプターに働きかけると、AGAが発症する。

以上がAGA発症の簡単なメカニズムであるが、この説明によると、AGAの発症原因はすべてDHTにあるという解釈になる。しかし実際には、DHTの生成量が多い持つ者でもAGAを発症しないことがある。逆に、DHTの生成量が少ない者でもAGAを発症することがある。この違いの鍵を握るのが、アンドロゲンレセプターである。

【アンドロゲンレセプターの機能の強弱がAGA発症に関わっている】

アンドロゲンレセプターの機能(感受性)が遺伝により引き継がれることは、すでに説明した。この機能が強い場合、DHTの働きかけをより多く感受することになる。逆にこの機能が弱い場合、DHTの影響を受けにくくなる。

よって、たとえDHTの量が少なくても、アンドロゲンレセプターの機能が強ければDHTの働きかけを多く感受してしまうため、AGAが発症しやすい。逆もしかりである。

治療薬によってAGAを予防・改善することができる

アンドロゲンレセプターの機能が強い者については、医療機関において処方される薬によってAGAを予防・改善することが可能である。

【DHTの生成量を減らす薬】

DHTの生成量が多く、かつアンドロゲンレセプターの機能が強い者については、高い確率でAGAを発症する。しかしながら、アンドロゲンレセプターの機能は遺伝で決まるため、これを薬で左右することはできない。よって薬による治療は、DHTの生成量を減らすことを目指す。

DHTの生成量を減らすことを目的とし、医療機関ではフィナステリドを有効成分とした内服薬(プロペシアなど)、およびデュタステリドを有効成分とした内服薬(ザガーロなど)を処方している。いずれの薬にも、DHTの生成に関与する5αリダクターゼの働きを阻害する作用がある。

なお、5αリダクターゼには1型と2型が存在するが、AGA発症の原因の大半は2型である。フィナステリドは2型の働きを阻害する成分。デュタステリドは1型・2型、双方の働きを阻害する成分である。

アンドロゲンレセプターの機能が強くてもAGAを発症しない場合がある

AGAは、アンドロゲンレセプターの機能の遺伝により「発症しやすい人」と「発症しにくい人」に分かれることは確かである。ただし、AGAの発症原因は、DHTの量やアンドロゲンレセプターの感受性だけにあるものではない。

この点について、薄毛治療の第一線で活躍するAGAヘアクリニックの水島郷太院長は次のように語る。

アンドロゲンレセプターの感受性が高いと、薄毛を引き起こしやすいと言われています。しかし、これはあくまでも“遺伝的に薄毛になる可能性がある”ということを意味するのであって、必ずしも薄毛になるわけではありません。また薄毛になるリスクは遺伝以外にも生活習慣や環境、ストレスなど様々です。[注3]

アンドロゲンレセプターの感受性が高い者は、生活習慣や環境、ストレスなどの影響によってAGAの進行スピードを加速させる。逆に言えば、たとえアンドロゲンレセプターの感受性が高い者であっても、健全な生活習慣等を維持することによりAGAの発症を予防したり、進行を遅らせたりすることが可能である。

遺伝的な要素を持つ恐れがある者については、たとえAGAを発症していなくとも、早急に病院でアンドロゲンレセプター遺伝子検査を受けられたい。その結果、以後いかに対処すべきか、専門の医師から適切なアドバイスがなされるであろう。

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