粃糠(ひこう)性脱毛症

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[最終更新日]2018/06/18
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粃糠(ひこう)性脱毛症とは

粃糠性脱毛症とは、ふけ症と脱毛症が同時に発症している状態のこと。詳しい発症原因は不明だが、脂漏性脱毛症との関連は指摘されている。よって脂漏性脱毛症と同じく、抗真菌薬や抗炎症薬などによって治療される。症状の悪化防止や再発予防の意味でも、治療中から食生活やシャンプーなど生活習慣の改善も望まれる。

粃糠性脱毛症は「ふけ症」と「脱毛症」の合併症状

岡田里佳医師(日本皮膚科学会専門医・日本内科学会認定医)が監修した記事では、粃糠性脱毛症について、簡潔に次のような定義をしている。

ひこう性脱毛症は「ふけ症」と「脱毛」が合併した脱毛症です。[注1]

ふけ症と脱毛は、それぞれ別々の原因を持つ別々の疾患だが、これらが合併した症状について岡田医師は粃糠性脱毛症と定義している。具体的には、頭髪内や肩周辺に細かいふけが多く見られ、かつ髪の毛が細くなって艶がなくなり脱毛する。

主に思春期以降の男性に多く見られる症状である。

粃糠性脱毛症の原因は不明

粃糠性脱毛症の原因に関する研究論文はほとんど存在しない。よって原因は不明である。

症状が脂漏性脱毛症と似ていることから、両症状には何らかの関連があるのではないかと推察される。

【脂漏性脱毛症とは真菌の異常繁殖を原因とした脱毛症】

脂漏性脱毛症とは、頭皮の炎症を原因とした脱毛症のこと。炎症が起こる原因は、頭皮に存在するマラセチアと呼ばれる真菌の異常繁殖である。

頭皮が乾燥したり、食生活が偏ったりすると、頭皮の皮脂が過剰に分泌される。この皮脂を餌にして、頭皮に存在するマラセチアが異常繁殖。炎症(脂漏性皮膚炎)へと至り、炎症が重症化すれば脱毛症状を起こす。

脂漏性脱毛症と同じ治療を行なう

粃糠性脱毛症の原因は不明であるものの、その症状は脂漏性脱毛症と酷似している。よって粃糠性脱毛症を治療する際には、脂漏性脱毛症と同じ方法が採用される。具体的には、以下の3種類の治療法が検討される。

【ステロイド外用薬】

頭皮の炎症を抑えるために、ステロイド外用薬が処方される。

【イミタゾール系抗真菌薬】

炎症の原因となっているマラセチアを除去するために、イミタゾール系の抗真菌薬が処方される。

【ビタミンB2・B6を配合した内服薬】

頭皮の皮脂の分泌抑制を目的に、症状によってはビタミンB2・B6を配合した内服薬が処方されることがある。

【抗ヒスタミン内服薬】

強い痒みを自覚している患者には、抗ヒスタミン内服薬が処方されることもある。

基本的には皮膚科で診療してもらう

粃糠性脱毛症を治療する場合は、基本的に皮膚科を受診する。

脱毛という症状だけに着目すれば、美容外科や美容皮膚科、または脱毛専門のクリニックでの治療も可能である。もちろん、これらクリニックでも粃糠性脱毛症の診療を行なってはいるが、中には、診療している脱毛症状をAGA(男性型脱毛症)に限定しているクリニックもあるので、事前に確認が必要である。

日常生活において注意すべきこと

粃糠性脱毛症の改善を目指すにあたっては、処方薬による治療と並行して、日常生活に留意する。主に留意すべき事項は、シャンプー、食事、睡眠である。

【シャンプー選び】

真菌の増殖を抑える働きのある「ミコナゾール硝酸塩」を含んだシャンプーを選ぶ。医薬品とは異なるため、通常のドラッグストアなどで入手が可能である。

なお、頭皮に刺激を与えないようにと、シャンプーを使用せずに温水のみで頭髪を洗い流している人も見受けられるが、温水のみでは皮脂を十分に洗い流すことはできない。少なくとも、粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症を発症している患者においては、シャンプーを使用して洗髪するよう心掛けたい。

【シャンプーの方法】

頭皮を強くこすったり、頭皮に爪を立てて洗ったりしないよう注意する。頭皮に強い刺激を与えると、炎症が発症したり、炎症が悪化したりする恐れがあるからである。耳の裏側は洗浄が不十分になりがちな部位なので、意識して洗うようにする。

【食事】

皮脂の分泌を促す食材(脂分の多い食材)の摂取量を減らし、逆にビタミンを多く含む食材(緑黄色野菜)の摂取量を増やす。

脂分の多い食材が皮脂の量を増加させることはイメージできるが、ビタミン不足もまた皮脂の量を増加させることはイメージしがたい。意識して緑黄色野菜を多めに摂取する。

【睡眠】

睡眠不足は皮脂の分泌量を増加させる一要因となる。また、たとえ十分な睡眠を確保していたとしても、生活リズムが不規則になると皮脂分泌量が増加する。

毎日、決まった時間に就寝し、十分な睡眠を取り、決まった時間に起床することが望まれる。

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