塩化カルプロニウム

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[最終更新日]2018/06/18
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塩化カルプロニウムとは

塩化カルプロニウムとは、育毛剤に含まれている薬効成分の一つ。古くから育毛に有効な成分として知られ、これまで多くの薄毛改善実績を積み上げている。「リアップ」に含まれる育毛成分・ミノキシジルが登場する以前においては、育毛成分と言えば塩化カルプロニウムが主役であった。塩化カルプロニウムの薄毛改善効果の根拠は、その血行促進作用にあるとされる。なお塩化カルプロニウム5%を含む育毛剤は、保険適用である。

胃腸薬や育毛剤に含まれている薬効成分

塩化カルプロニウムは胃腸薬や育毛剤に含まれている薬効成分の一つである。特に育毛剤の主要成分の一つとして知られ、ミノキシジルに並んで著名な有効成分である。

塩化カルプロニウムは薄毛改善に働くメカニズムについて確認する。

【塩化カルプロニウムには頭皮の血行を促進する作用がある】

塩化カルプロニウムは、古くからある薄毛治療成分である。薄毛治療薬としての薬効が期待された背景には、塩化カルプロニウムが持つ血行促進作用がある。

薄毛、中でもAGA(男性型脱毛症)の直接的な原因は、男性ホルモンの一種・DHTと呼ばれる物質である。DHTの生成を阻害すればAGAは改善への向かう訳だが、より効率良くAGAを改善するためには、DHTの生成阻害とあわせて、健全な頭皮環境の維持が必要となる。

健全な頭皮環境を維持するための方法の一つが、頭皮の血行を促進すること。力強い毛髪の育成を促すためには、血行を促進して、頭皮の毛母細胞に十分な栄養素・酸素を届けなければならないからである。

塩化カルプロニウムには、血管拡張作用がある。この血管拡張作用によって頭皮の血行が促進される。結果、育毛をサポートする理想的な頭皮環境が得られるのでは、と期待されて育毛剤に応用された。

【塩化カルプロニウムの効果が期待される症状】

塩化カルプロニウムを主要成分とする育毛剤「カロヤン プログレ EX」(第一三共)の添付文書によると、同育毛剤は以下のような効果を持つとの説明がある。[注1]

  • 壮年性脱毛症
  • 円形脱毛症
  • びまん性脱毛症
  • 粃糠性脱毛症
  • 発毛促進
  • 育毛
  • 脱毛(抜毛)の予防
  • 薄毛
  • ふけ
  • かゆみ
  • 病後・産後の脱毛

なお、「壮年性脱毛症」とはAGAのことである。

塩化カルプロニウムとミノキシジルの比較

塩化カルプロニウムと同様の効果が期待されている成分の一つに、ミノキシジルがある。ミノキシジルは、かの有名な「リアップ」(大正製薬)の主成分でもある。

ミノキシジルは、次のような作用によって薄毛改善にアプローチするとされる。

1.育毛を促進する増殖因子の生産量を増やす

ミノキシジルには、毛乳頭細胞を活性化させるIGF-1・VEGFなど増殖因子を増やす働きがあるとされる。

2.毛母細胞のアポトーシスを抑制する

細胞にはアポトーシスという現象がある。細胞自身の自殺である。ミノキシジルには、毛母細胞のアポトーシスを抑制する働きがあるとされる。

3.頭皮の血行を促進する

ミノキシジルには、塩化カルプロニウムと同じく血管拡張作用がある。ひいては血行促進作用にもつながることから、頭皮環境が改善していく。

以上が、ミノキシジルが薄毛改善に効果をもたらすと言われる理由である。

これらのうち、頭皮の血行促進作用は塩化カルプロニウムにも同様に認められるが、他の2つの作用については、塩化カルプロニウムには確認されていない。

この点に絡め、薄毛治療で豊富な実績を持つ水島豪太医師(AGAヘアクリニック院長)は、次のように語る。

どちらも育毛・発毛に効果が期待できる成分ですが、現段階ではミノキシジルの方が有効であるといえそうです。[注2]

塩化カルプロニウムの副作用

塩化カルプロニウムを頭皮に塗布することで、以下のような副作用を生じる恐れがある。

  • 皮膚のかぶれ
  • 発汗
  • 熱感

塩化カルプロニウムの使用後、上記のような症状を自覚した場合には、薬剤を水で洗い流し、速やかに医療機関を受診する。

なお、内服薬としての塩化カルプロニウムには、腹痛、吐き気、下痢、胸焼けなどの副作用があるとされている。

保険適用で薄毛を改善したい人にお勧め

塩化カルプロニウム5%を配合した薄毛治療薬として医療機関で処方されるのが「フロジン液」。また、「フロジン液」のジェネリックである「アロビックス」という薄毛治療薬もある。現在、これらは保険適用である。

厚生労働省では、薄毛を病気とは考えていない。よってAGAを始めとした薄毛治療は、基本的に自由診療(保険が効かない診療)である。薄毛が改善するか否かという以前に、治療費を捻出できるか否かという問題に、多くの人が直面する。

その点、塩化カルプロニウム5%を配合した薄毛治療薬は保険が適用となるため[注3]、他の薄毛治療法に比べて、格段に安い費用で薄毛治療を進めていくことができる。

治療効果はミノキシジルに劣るものの、少しでもリーズナブルに治療を進めたいという方には、塩化カルプロニウムでの治療もお勧めである。

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