セファランチン

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/06/12
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セファランチンとは

セファランチンとは、タマサキツヅラフジという植物を原料とした薬剤。造血機能の回復効果、血流促進作用、抗アレルギー作用、免疫機能増強作用などがあるとされ、これら作用を根拠に、円形脱毛症や白血球減少症などの治療に用いられている。ことに円形脱毛症においてはメジャーな薬であるが、日本皮膚科学会では、セファランチンの効果に対し否定的な立場を取る。なお、セファランチンでAGA(男性型脱毛症)を改善することはできない。

円形脱毛症の治療に用いられる成分

セファランチンには血行促進作用、免疫機能増強作用、造血機能の改善効果があるとされ、長く円形脱毛症や白血球減少症の治療薬として使用されてきた。かつては、結核やハンセン病の治療にも用いられていた。

円形脱毛症の主な原因とされているのは、免疫機能疾患。よって白血球減少症の治療薬として使用されてきたという経緯と、辻褄は合う。しかしながら最近では、その効能を疑問視する声も見られる。後述するが、少なくとも日本皮膚科学会においては、円形脱毛症の改善効果に対し否定的である。[注1]

セファランチンが持つとされる4つの効果

セファランチンが持つとされている効果には、主に4種類がある。

造血機能の回復効果

血液を生み出す機能、つまり造血機能が改善するとされている。血液量の多少は、育毛に不可欠な頭皮への栄養素の運搬効率にも関わってくるため、造血機能が改善すれば育毛効果も期待できる。

血流促進作用

造血機能の改善に加え血流が促進することで、頭皮への栄養素の運搬は、より一層効率的なものとなる。

抗アレルギー作用

アレルギー反応による頭皮の炎症は、抜け毛の要因ともなる。炎症の発生を予防することにより、抜け毛の量の減少が期待できる。

免疫機能増強作用

円形脱毛症の主な原因は、免疫機能異常とされている。免疫機能を増強することで、円形脱毛症の改善が期待できる。

なお、「セファランチン末1%」「セファランチン錠1mg」(いずれも化研製薬)の添付文書には、次のような効果・効能があると記載されている。[注2]

[効果・効能]

放射線による白血球減少症

円形脱毛症・粃糠性脱毛症

【AGAの改善効果は期待できない】

セファランチンには、円形脱毛症を改善させる効果は期待できるが、AGAを改善させる効果は期待できない。

AGAが発症する原因は、毛乳頭細胞の中で生成されたDHT(ジヒドロテストステロン)という物質である。DHTが毛乳頭細胞の中のアンドロゲンレセプターと呼ばれる組織と結合した時、AGAが発症する。よって、AGAの改善を図るには、DHTの生成量を下げることが第一選択となる。

それに対し、セファランチンの作用の中には、少なくとも現時点においてDHTの生成量を下げる働きはないとされている。よって、セファランチンの服用によるAGAの改善効果は期待できない。

日本皮膚科学会では効果に否定的な見解

先に触れたが、日本皮膚科学会では、セファランチンの円形脱毛症への効果に対して、否定的な立場を採っている。

同学会が公表している「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」によると、セファランチンに対する評価は「推奨度C2」とされている。「推奨度C2」とは、Dの上、つまり下から2番目の評価。「有効なエビデンスがない。あるいは無効であるエビデンスがある。よって、使用しないほうが良い」という意味である。

なお、同ガイドラインにおいて、円形脱毛症に対する対処法として29種類の薬剤や治療法が列挙されているが、これらの中に最下位の「推奨度D」は存在しない。よって、実質的にセファランチンの「推奨度C2」は最低評価となる。

他に「推奨度C2」の項目としては、「催眠療法」「アロマテラピー」などが挙げられている。なお、「治療しないで経過観察のみ」が、セファランチンの1ランク上の「C1」である。[注3]

もちろん、セファランチンによって円形脱毛症が改善したという例もあり、かつセファランチンは代表的な円形脱毛症の薬としても知られているため、一概にその効果を否定することはできない。個別の状況に応じ、医師の判断で積極的に使用されることもあるだろう。

セファランチンの副作用

セファランチンには、以下の副作用のリスクがある。「セファランチン末1%」「セファランチン錠1mg」の添付文書をもとにまとめた。[注4]

【重大な副作用】

ショック、アナフィラキシーを起こすことがある。発症頻度は不明である。

【その他の副作用】

発疹、浮腫、食欲不振、胃部不快感、嘔吐、下痢、GOT値・GPT値の上昇、月経異常、頭痛、めまい、他。発症頻度は不明である。

また、高齢者、妊婦、産婦、授乳婦、小児に対して投与する場合には、慎重を期する。

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