湿性ふけ

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[最終更新日]2018/06/13
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湿性ふけとは

湿性ふけとは、湿り気を帯びたふけのことである。湿りの原因は、皮脂である。皮脂が過剰に分泌され、かつ頭皮の洗浄が不十分である場合、湿性ふけを生じることがある。湿性ふけを放置すると、やがて頭皮にマラセチア真菌が繁殖して脂漏性皮膚炎、さらには脂漏性脱毛症粃糠性脱毛症などに発展する恐れがある。抜け毛や薄毛に悩む者は、日頃から湿性ふけを予防・改善する生活習慣を実践されたい。

湿り気を帯びたふけのこと

湿性ふけは簡単に言えば、湿り気のあるふけのことである。脂性ふけ、とも言う。

頭皮や毛髪に詳しい銀座総合クリニックの公式サイトによると、湿性ふけについて次のように説明している。

湿性ふけは、頭皮に過剰分泌された皮脂を原因とする、脂分を多く含んだふけです。粃糠型脂漏の状態に見られ、頭皮をひっかくと爪の先にたまるふけです。[注1]

一般にイメージするふけは、乾いた状態のパラパラとしたもの。これを乾性ふけと言うが、それに対して、湿った状態のねっとりとしたふけを、湿性ふけと言う。

湿性ふけを生じていること自体が、AGA(男性型脱毛症)を悪化させることはない。なぜならAGAの原因は、ふけではなくDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンだからである。

ただし、湿性ふけを生じている状態の頭皮では、各種の皮膚炎を併発する恐れがある。頭皮の皮膚炎は、AGAとは別の意味において、抜け毛を誘発する一因となる。すなわち、AGAを生じている者が湿性ふけも併発した場合、DHTと炎症とのダブルの原因によって抜け毛が加速する、ということである。

湿性ふけと乾性ふけの違い

生じているふけが、湿性であろうが乾性であろうが、ふけ症の者は頭皮に何らかの問題を抱えているということである。ただし、湿性ふけへの対処法と乾性ふけへの対処法とは、全く異なる。よって、仮にご自身がふけ症である場合には、その症状が湿性なのか乾性なのかを見分ける必要がある。

【湿性ふけと乾性ふけの見分け方】

湿性ふけ

  • 大きさ…1mm以上
  • 質感…ベタベタしている
  • 形状…かさぶた状
  • 色…黄色味がかった白色
  • 発症時期…1年中
  • 肌質…脂性肌

乾性ふけ

  • 大きさ…1mm以下
  • 質感…サラサラしている
  • 形状…粉状
  • 色…白色
  • 発症時期…冬や春に多い
  • 肌質…乾燥肌

【湿性ふけと乾性ふけの原因の違い】

湿性ふけの原因は、皮脂の過剰分泌である。皮脂が過剰に分泌されている上に、頭皮の洗浄が不十分な時、湿性ふけが生じる。

なお、頭皮には、マラセチア真菌と呼ばれる常在菌が生息している。マラセチア真菌は、皮脂を餌として繁殖する。皮脂の過剰分泌、および頭皮の洗浄が不十分である場合、マラセチア真菌が異常繁殖し、結果、湿性ふけを悪化させる。

乾性ふけの原因は、頭皮の乾燥である。もともと乾燥肌の体質の者が洗浄力の強いシャンプー等を使用することにより、頭皮はさらに乾燥する。結果、乾いた頭皮が粉状となりパラパラと剥落する。

脂漏性脱毛症との関連

湿性ふけを生じている頭皮では、上記の通り、マラセチア真菌と呼ばれるカビの一種が異常繁殖することがある。

マラセチア真菌が餌となる皮脂を分解する時、遊離脂肪酸が生まれ、これが刺激となり頭皮に炎症を起こすことがある。また、マラセチア真菌自体が炎症の原因物質となることもある。

これらマラセチア真菌の影響によって生じた頭皮の炎症を、脂漏性皮膚炎と言う。脂漏性皮膚炎が悪化すると、抜け毛・脱毛が生じることがある。すでにAGAが気になっている者においては、脂漏性脱毛症を併発することにより、脱毛症状が余分に進行することがあるので注意が必要である。

なお、湿性ふけ症と脱毛を同時に生じている症状のことを、粃糠(ひこう)性脱毛症と称することもある。粃糠性脱毛症と脂漏性脱毛症との境界線は不明瞭で、かつ治療法は両者、概ね同じである。

シャンプーと食生活の見直しで湿性ふけを予防・改善する

湿性ふけを予防・改善するためには、シャンプーの方法と食生活を見直しが大切である。

以下、メブチメディカルクリニックの馬渕知子院長(皮膚科・内科)が監修した記事を参照してまとめた。[注2]

【湿性ふけを予防・改善するシャンプー】

湿性ふけを予防・改善する上で最も大切なことは、毎日シャンプーをすることである。湿性ふけを生じている者は、一般にシャンプーを怠りがちである。毎日、髪と頭皮を洗うこと。湿性ふけの予防・改善において、これが第一に大切である。そうとは言え、頭皮を過剰に洗い過ぎると乾性ふけを招く恐れがあるため、洗いすぎには要注意である。

また、頭皮におけるマラセチア真菌の繁殖を防ぐため、抗真菌作用のある薬用シャンプーを選ぶことも良い。

【湿性ふけを予防・改善する食生活】

湿性ふけを生じている者の多くは、基本的に脂性である。よって、脂の多い食品を摂ることにより、一層湿性ふけを悪化させてしまう。揚げ物やスナック菓子などは、なるべく控えるようにしたい。

また、ビタミンB2やビタミンB6には、皮脂の分泌をコントロールする作用がある。これらビタミンを多く含むレバー、カツオ、マグロ、バナナなどを積極的に摂取したい。

代謝を活性化させるために、アルコールを控えめにすることも有益である。

【脂漏性皮膚炎に発展した場合】

湿性ふけにとどまらず、脂漏性皮膚炎が疑われる症状を自覚したら、速やかに皮膚科を受診する。

脂漏性皮膚炎が自然治癒することはない。よって皮膚科を受診しない場合、症状が悪化して脂漏性脱毛症や粃糠性脱毛症へと発展する恐れがある。

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