ジヒドロテストステロン

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/04/24
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ジヒドロテストステロンとは

ジヒドロテストステロンとは、男子絵ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結びつくことで生まれる物質。毛乳頭細胞の中のアンドロゲンレセプターとジヒドロテストステロンが結合することにより、ヘアサイクルが乱れてAGAに発展する。5αリダクターゼは、主に前頭部や頭頂部に多く存在するため、必然的にジヒドロテストステロンも前頭部や頭頂部に多く生成される。AGAがM字やU字、O字などの形状で進行するのは、そのためである。

AGAの直接的な原因物

ジヒドロテストステロンは男性ホルモンのテストステロンが、より強力な作用を伴う形に変質した物質。いわゆるAGA(男性型脱毛症)の直接的な原因物質として知られている。テストステロンが5αリダクターゼという酵素と結びつくことにより、ジヒドロテストステロンに変質する。

ジヒドロテストステロンの原型となるテストステロンは、主に男性の睾丸と副腎から分泌されているホルモン。分泌後されたテストステロンは体内を巡り、各所において男性らしい骨格や筋肉の形成に関与する。

テストステロンは、体内を巡る過程において、毛髪の根元に存在する毛乳頭細胞と出会う。毛乳頭細胞の中には、5αリダクターゼという酵素が存在し、この酵素とテストステロンが反応することによりジヒドロテストステロンが生まれる。

同じく毛乳頭細胞の中には、アンドロゲンレセプターと呼ばれる組織がある。このアンドロゲンレセプターとジヒドロテストステロンが結びつくことで、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が発症する。

ジヒドロテストステロンの全身における働き

ジヒドロテストステロンがAGAの原因物質であることは、すでに有名である。その一方で、ジヒドロテストステロンに育毛効果があることは、あまり知られていない。

以下、伊藤恭太郎医師(救急専門医)が監修した記事に基づいて、ジヒドロテストステロンと毛の成長との関係についてまとめた。[注1]

【ジヒドロテストステロンがヘアサイクルに指令を出す】

ジヒドロテストステロンは、5αリダクターゼという酵素と結び付くことで生成される。しかしながら、5αリダクターゼは全身にくまなく均等に存在している酵素ではない。5αリダクターゼが多く分布している部位は、主に前頭部、頭頂部、前立腺である。よって、これら3部位において、ジヒドロテストステロンが多く生産される。

生産されたジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞の中にあるアンドロゲンレセプターと結合し、毛髪の成長プロセスに対して指令を出す。前頭部、頭頂部におけるジヒドロテストステロンは、ヘアサイクルにおける成長期の期間を短くする旨の指令を出す。成長期が短くなれば、相対的に退行期・休止期の毛が多くなる。結果、抜け毛・薄毛が進行する。

一方、頭部よりも微量ではあるが、髭や胸毛などの毛乳頭細胞にもジヒドロテストステロンは生まれる。これらの部位におけるジヒドロテストステロンは、頭部のそれとは逆に、ヘアサイクルにおける成長期の期間を長くする旨の指令を出す。

時に、薄毛の男性において、髭や体毛が濃い例が見られる。この例こそ、ジヒドロテストステロンの全身における作用の結果である。

ジヒドロテストステロンの生産を抑制すればAGAが改善する可能性が高い

上記の流れから、ジヒドロテストステロンの生産を抑えることでAGAの進行が止まることを、容易に想像できるであろう。

ジヒドロテストステロンは、5αリダクターゼの働きによって生まれる。よって5αリダクターゼの働きを抑制すれば、ジヒドロテストステロンの生産量は減少する。

この発想に基づいて作られた成分が、フィナステリドとデュタステリドの2つである。

【フィナステリド】

5αリダクターゼには、Ⅰ型とⅡ型の2種類がある。このうちAGAに深く関与しているおは、Ⅱ型である。Ⅱ型5αリダクターゼの働きを抑制する成分が、フィナステリドである。

フィナステリドを主成分として配合した薬として、有名な「プロペシア」がある。

【デュタステリド】

「プロペシア」のAGA改善効果は非常に高いものの、一部には、「プロペシア」の効果を全く得られない患者もいる。そのような患者に対して、デュタステリドを主成分とした薬を投与すると、AGAが改善することがある。

デュタステリドとは、Ⅰ型・Ⅱ型、両方の5αリダクターゼの働きを抑制する成分である。

デュタステリドを主要成分として配合した薬として、「ザガーロ」がある。

ジヒドロテストステロンを抑制してもAGAが改善されない場合がある

薬によってジヒドロテストステロンの量を減らしたとしても、中にはAGAが改善しない者もいる。

AGAの主要な発症原因はジヒドロテストステロンの存在であるが、実際には他にもいくつかの原因がある。他の代表的な原因の一つが、アンドロゲンレセプターの感度である。

ジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞の中にあるアンドロゲンレセプターを経由して薄毛の指令を出す。しかしながら、アンドロゲンレセプターの感度には個人差がある。ジヒドロテストステロンを感受しにくいレセプターを持つ者もいれば、その逆の者もいる。

よって、たとえ薬でジヒドロテストステロンの量を減らしたとしても、レセプターの感度が強い者の場合、AGAの進行を止められないことがある。

逆に、たとえジヒドロテストステロンの量が多いとしても、レセプターの感度が弱い者の場合、AGAを発症しないことがある。

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