塩酸ジフェンヒドラミン

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[記事公開日]2018/03/14
[最終更新日]2018/06/12
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塩酸ジフェンヒドラミンとは

塩酸ジフェンヒドラミンとは、鼻炎薬や風邪薬、痒み止めなどに含まれている、いわゆる抗ヒスタミン剤のことである。炎症を抑える効果が非常に優れているとし、古くから利用されている薬効成分である。塩酸ジフェンヒドラミンが持つ抗炎症作用と血行促進作用が育毛に良いとする説もあり、一部の育毛剤の中には同成分を配合しているものもある。副作用の強い成分だが、育毛剤を頭皮に塗布することで副作用が生じるとは考えにくい。

アレルギー症状の改善作用を有する成分

塩酸ジフェンヒドラミンはいわゆる抗ヒスタミン剤のこと。抗ヒスタミン剤とは、痒み止めや鼻炎薬、総合感冒薬などに含まれていることのある成分である。

塩酸ジフェンヒドラミンの定義については、多くの薬剤の記事を監修している薬剤師・三星壮太郎氏の説明が分かりやすい。

体の中で起こっているアレルギー症状(蕁麻疹やかゆみ、鼻炎など)を改善する抗ヒスタミン作用を有する成分です。アレルギー症状を引き起こすといわれているヒスタミンの受容体(H1受容体)をブロックして、アレルギー反応が出ないようにします。[注1]

塩酸ジフェンヒドラミンとは、簡単に言えば、アレルギー症状を抑える成分の一つ、ということである。

昨今、この塩酸ジフェンヒドラミンに育毛効果があると話題である。

塩酸ジフェンヒドラミンの育毛効果の根拠とは

著名な育毛剤「チャップアップ」(ソーシャルテック)には、3番目に多い配合成分として、塩酸ジフェンヒドラミンと記載されている。これまで多くの薄毛の悩みを緩和してきた実績がある「チャップアップ」だけに、塩酸ジフェンヒドラミンに注目しない訳にはいかない。

塩酸ジフェンヒドラミンが育毛に働くという根拠は、次の2点とされている。

【頭皮の炎症を緩和させる】

塩酸ジフェンヒドラミンには、各種の炎症を抑える働きがある。頭皮に炎症が生じた際には、頭皮に成分を塗布することによって、その炎症を緩和させることができる。

頭皮の炎症は、抜け毛を招く大きな要因である。炎症が毛根組織まで至ることで、抜け毛が発症する。塩酸ジフェンヒドラミンによる炎症抑制作用によって、炎症を原因とする抜け毛が抑えられることは、十分に考えられる。

【頭皮の血行を促進する】

塩酸ジフェンヒドラミンには、血行を促進する作用がある。毛髪の健全な育成のためには、良好な血行が不可欠である。

毛髪を健康に育てるためには、毛母細胞等に十分な栄養素・酸素が運ばれてこなければならない。これら栄養素・酸素を運ぶのは、血液である。頭皮の血行状態を良くすることで、毛母細胞が活性化し毛髪は強くなる。

AGAを根本的に解決する訳ではない

塩酸ジフェンヒドラミンを配合する育毛剤を手に取る者の多くは、いわゆるAGA(男性型脱毛症)に悩む男性であろう。期待に水を差すようで申し訳ないが、塩酸ジフェンヒドラミンにはAGAを改善する働きはない。

【AGA発症のメカニズム】

AGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)という物質が原因となって発症する。DHTとは、男性ホルモンであるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結び付くことによって生まれる物質である。このDHTが毛穴の奥の男性ホルモン受容体と結びついた時、ヘアサイクルが乱れてAGAの発症に至る。

以上のプロセスにおいて、塩酸ジフェンヒドラミンが介入する余地はない。よって塩酸ジフェンヒドラミンによってAGAを根本解決することは、不可能である。

ただしAGAは、頭皮環境の悪化によって症状がさらに進行する。頭皮に炎症が生じている場合にはAGAが進行する可能性がある、ということである。

よって、塩酸ジフェンヒドラミンにより頭皮の炎症を抑えることで、AGAの進行が緩やかになる可能性はある。

塩酸ジフェンヒドラミンには副作用がある

塩酸ジフェンヒドラミンには、いくつかの副作用が確認されている。たとえば「鼻炎薬を飲んで眠くなった」という症状は、塩酸ジフェンヒドラミンによる副作用である。

先に紹介した三星薬剤師の解説を参考に、塩酸ジフェンヒドラミンの副作用についてまとめた。[注2]

【塩酸ジフェンヒドラミンの副作用の種類】

塩酸ジフェンヒドラミンが持つ主な副作用は、以下の通りである。

  • 発疹
  • 動悸
  • めまい
  • 倦怠感
  • 神経過敏
  • 頭痛
  • 眠気
  • 口渇
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢

これらの中でも特に注意すべき副作用は、やはり眠気である。強い眠気を催すことがあるため、塩酸ジフェンヒドラミンを含む医薬品を服用した際には、自動車の運転をしないことが大事である。危険を伴う機械の操作も避けられたい。

また、服用中にアルコールを摂取すると、塩酸ジフェンヒドラミンの作用・副作用が強く生じる恐れがあるので要注意である。

ところで、育毛剤に配合されている塩酸ジフェンヒドラミンについては、上記のような副作用が生じる恐れは極めて低いので、安心して良い。

たとえば「チャップアップ」は医薬部外品である。医薬部外品の使用によって副作用が生じるリスクは、非常に低い。

もとより「チャップアップ」を始めとした育毛剤の大半は、塗り薬である。経皮吸収はするものの、経口摂取に比べて副作用の発症リスクは極めて低い。

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