電気穿孔法

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[最終更新日]2018/06/08
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電気穿孔法とは

電気穿孔法(エレクトロポレーション)とは、細胞膜にすき間を開けて薬剤を効率的に浸透させる医療技術である。癌治療や美容医療、麻酔科などの現場で広く活用されている。薄毛治療の現場では、育毛メソセラピーHARG療法と呼ばれる施術において用いられることがある。いずれも、高い発毛・育毛効果をもたらすことで知られる。なお、家庭用エレクトロポレーション機器も市販されているが、効果のほどは不明瞭である。

様々な医療現場で活用されている技術

電気穿孔法では細胞膜に電気で小さな穴を開け、有効成分を細胞の奥まで届ける。エレクトロポレーションとも言う。

外用薬を皮膚に塗布すると、薬効成分は、いわゆる経皮吸収していく。経皮吸収とは、成分が徐々に肌に浸透していく現象である。

しかしながら人間の皮膚の内部には、角質層というレンガ積みされたようなバリア機能が存在するため、経皮吸収だけに頼っては成分の効率的な浸透が難しい。そこで、電気穿孔法によって人工的に細胞間へすき間を作り、そのすき間をぬって薬剤を効率的に浸透させる。

電気穿孔法は、様々な医療現場で活用されている。癌治療においては、抗がん剤を患部に効率的に浸透させる目的で電気穿孔法が用いられることがある。美容医療の現場においては、美肌効果や発毛効果を狙って電気穿孔法が広く活用されている。麻酔科では、表面麻酔の技術として用いられている。

なお、同様に薬効成分を細胞に浸透させる医療技術として、イオン導入がある。発想は電気穿孔法と同じであるものの、電気穿孔法に比べ、イオン導入における成分の浸透率は1/18と言われている。

育毛メソセラピーやHARG療法で活用されている

電気穿孔法は、薄毛治療の現場において、育毛メソセラピーやHARG療法で活用されている。以下、銀座総合美容クリニック、およびHARG治療センターの公式サイト等を参照してまとめた。[注1][注2]

【育毛メソセラピーとは】

育毛メソセラピーとは、発毛・育毛に有効な薬剤を頭皮に直接注入する薄毛治療法のこと。薬剤の成分はクリニックによって異なるものの、ベースとなる成分はミノキシジルフィナステリドである点で共通している。

育毛メソセラピーの実績で知られる銀座総合美容クリニックでは、ミノキシジル、フィナステリドの他に、成長因子複合体(細胞に働きかける発毛促進成分)、コエンザイムQ10、ヒアルロン酸、銅ペプチドを混合した薬剤を使用している。

なお、薬剤の注入方法については、注射器で直接頭皮へ注入するクリニックもあれば、電気穿孔法を利用するクリニックもある。上記、銀座総合美容クリニックでは、電気穿孔法を用いた「ノンニードル育毛メソセラピー」を提供している。

【HARG療法とは】

HARG療法とは、HARG治療センター総院長の福岡大太朗医師(医学博士・日本美容外科学会専門医)が開発した薄毛治療法のこと。育毛メソセラピーと同様に、発毛・育毛に有効な薬剤を頭皮に浸透させることにより、薄毛改善効果を狙う。

HARG療法で使用される薬剤には、発毛・育毛に有効なビタミン、ミネラル、アミノ酸などの他に、幹細胞から抽出した「AAPE」と呼ばれる成分を配合。幹細胞(細胞の自己増殖を促す細胞)を利用するという点において、HARG療法は、いわゆる再生医療の一種に分類される。

HARG治療センターにおいても、薬剤の注入には主に電気穿孔法を採用している。

【電気穿孔法も採用しているクリニックを選ぶ】

育毛メソセラピーでもHARG療法でも、注射器を用いて薬剤を注入する方法もあれば、電気穿孔法を用いて薬剤を浸透させる方法もある。どちらが適しているかについては、患者の症状に応じて医師が判断する。

ただし、薬剤の浸透率、一度の施術における薬剤の浸透範囲、施術の痛みなどを考慮すると、注射器に比べ、電気穿孔法のほうが優位性は高い。育毛メソセラピーやHARG療法を検討するにあたっては、電気穿孔法「も」導入しているクリニックを選ぶようにされたい。

「家庭用エレクトロポレーション機器」の効果

電気穿孔法と同じ原理で作られていることを謳う「家庭用エレクトロポレーション機器」が流通している。いわゆる美顔器として、また育毛剤の浸透力を高めるための機器として販売されているようである。

これら「家庭用エレクトロポレーション機器」は、当然ながら、医療現場で使用されているエレクトロポレーション機器とは、質がまったく異なる。発想や方向性は同じであるものの、片や本格的な医療機器であり、片や通販でも入手可能な市販グッズである。もちろん効果も全く違うため、使用するにあたっては過大な期待を抱かないほうが良い。[注3]

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