繊維芽細胞増殖因子

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/04/25
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繊維芽細胞増殖因子とは

線維芽細胞増殖因子とは、各種の細胞の働きを活発化させる物質のこと。一般にFGFと呼ばれている。FGFには23種類存在するが、それらの中でも、特に医療現場で活用されているものが「FGF-1」「FGF-2」「FGF-7」。薄毛治療の分野においても、特に育毛メソセラピーの薬剤の主要な配合成分として、これら3種類の線維芽細胞が積極的に活用されている。

細胞の増殖をサポートする成分

繊維芽細胞増殖因子は簡単に言えば、細胞の増殖をサポートする成分である。一般にFGFと略称される。まだ医学的に解明されていない部分も多い成分であるが、アンチエイジングや毛髪再生などの分野を中心に、すでに医療界では広く線維芽細胞増殖因子が利用されている。

【繊維芽細胞の働きをイメージする】

たとえば、ケガをして皮膚を損傷したとする。すると、皮膚は時間をかけて徐々に修復されていく。修復の過程では、繊維芽細胞から、皮膚の修復に必要とされるコラーゲンやエラスチンなどが生成される。

この修復の過程において、線維芽細胞増殖因子を投与すると、コラーゲンやエラスチンなどの生成スピードが加速し、その生成量は増える。その分、皮膚の修復が早くなる。

このように、体内における本来の細胞の働きを、よりスピーディかつ強力に推し進める成分が繊維芽細胞増殖因子。そのようなイメージである。

線維芽細胞増殖因子には23種類ある

線維芽細胞増殖因子は、その働きの性質等の違いにより23種類に分けられる。それぞれ単純に「FGF-1、FGF-2、FGF-3…」と表記される。あるいは、その働きに準じた呼び名が別名として存在することもある。

以下、肌クリニック大宮・院長の相馬孝光医師(皮膚科専門医)が監修した記事を参照してまとめた。[注1]

【線維芽細胞受容体と結び付くことで能力を発揮する】

FGF-1からFGF-10までの10種類は、「線維芽細胞時増殖因子受容体」という組織と結び付く性質がある。双方が結びつくことにより、FGFは各種細胞の働きを活発化させる。逆に、FGF-11からFGF14までの4種類は、「線維芽細胞増殖因子受容体」と結び付かない。よってFGF-10以前とは、性質が根本的に異なる。また、FGF-15以降は発見されて間もないため、その性質は明らかではない。

以上から、現在の医療現場において利用できる線維芽細胞増殖因子は、FGF-1からFGF10までの10種類となる。

【身近に利用されている3種類のFGF】

23種類あるFGFのうち身近に利用されているFGFは、FGF-1、FGF-2、FGF-7の3種類である。

FGF-1

別名「aFGF」とも呼ばれる。コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸など、皮膚を形成する上で不可欠な線維芽細胞の増殖を活発化させる。血管の修復・新生作用があることでも知られる。

FGF-2

別名「bFGF」とも呼ばれる。働きはFGF-1と同様だが、FGF-1に比べると、その作用は強力である。FGF-1は酸性であることに対し、FGF-2は塩基性であるという違いがある。

FGF-7

毛髪の成長を司る毛母細胞の活動を活発化させる。毛母細胞の活発化により、毛髪の原料であるケラチンが増産され、毛髪の成長が促される。

薄毛治療における線維芽細胞増殖因子の活用

薄毛治療専門クリニック等では、主に育毛メソセラピーと総称される治療法において、線維芽細胞増殖因子が積極的に活用されている。

育毛メソセラピーとは、発毛・育毛に有効とされる薬剤を、頭皮に直接注入する治療法。薬剤の内容物についてはクリニックによって異なるが、多くの場合、線維芽細胞増殖因子が混合されている。

育毛メソセラピーで頻繁に活用されている線維芽細胞増殖因子は、上で紹介した「FGF-1」「FGF-2」「FGF-7」。またFGFとは異なる細胞増殖因子として「IGF-1」と「PDGF」が活用されることもある。

【薄毛に対するそれぞれの増殖因子の働き】

FGF-1

頭皮内に血管を新生し、毛乳頭細胞に栄養素や酸素が運ばれやすい環境を作る。頭皮の血行が改善することで、発毛・育毛に良い頭皮環境となる。ただしFGF-1には、毛髪の成長を直接促進する働きはない。あくまでも発毛・育毛のサポート的な立ち位置である。

FGF-2

FGF-1と同様の働きをする。FGF-1よりも働きが強いため、薄毛治療の現場においては、FGF-1よりもFGF-2のほうが好んで活用されている。

FGF-7

毛母細胞の分裂・増殖を促し、効率的に毛髪を成長させる。

IGF-1

「インスリン様成長因子-1」とも呼ばれる。様々な細胞の増殖を促す物質である。

PDGF

「血小板由来増殖因子」とも呼ばれる。毛乳頭の中で受容体と結び付くことにより、休止期にある毛髪を成長期へと導く働きがある。

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