FGF5

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FGF5とは

FGF5とは、繊維芽細胞増殖因子(FGF)のうち、序列5番目に位置する物質。繊維芽細胞増殖因子には23種類があり、それぞれ細胞分化作用や細胞の活動抑制作用などの複雑な作用を持つ。これら作用のうち、FGF5には脱毛を誘発する作用があることが、1994年の研究論文で明らかとなった。昨今、FGF5の活動を抑えることが脱毛を予防するとの観点から、様々な研究機関がその活動の抑制を目指した研究を行なっている。

成長期の期間を短くするFGF5

FGF5は、頭髪の脱毛に関わる重要な物質である。FGF5の働きを抑制することによりに抜け毛・薄毛の改善が期待されることから、近年、多くの研究者たちがFGF5抑制を目指した研究を行なっている。

FGF5は成長期から退行期へ移行させるスイッチ

かなり以前から存在は知られていたFGF5であるが、この物質が脱毛に冠よしていることが初めて発見されたのは、1994年のことである。当時発表されたある研究論文において、毛髪の毛周期における成長期から退行期へのスイッチとなる物質として、FGF5が紹介された。

毛乳頭に作用する物質

4年後の1998年の別の研究論文において、FGF5の作用が毛乳頭に働いていることが分かった。毛乳頭とは、毛髪の成長を促す際の司令塔の役割を果たす重要な組織である。この組織に対して何らかの作用を及ぼした場合、毛髪の成長に著しい変化が生じる。
そこで、毛髪に関わる研究者たちは、このFGF5の働きを抑制するための様々な研究に着手。2018年現在、いくつかの物質において、FGFG5の抑制作用を持つことが確認されている[注1]

FGF5の脱毛作用を証明する各種実験と観察

FGF5の作用が毛髪に与える影響について、マウスを中心としたいくつかの実験・観察が行われている。

マウスを使った実験

通常のFGF5遺伝子を持つマウスと、FGF5が働かないマウスとを比較し、その体毛の成長の違いについて観察した。結果、FGF5が働かないマウスのほうが、明らかに長い体毛を示したことが確認された。

毛の長いアンゴラマウスの遺伝子観察

一般的なマウスに比べ、体毛が長いことで知られるアンゴラマウスの遺伝子を解析した。結果、一般的なマウスに比べ、アンゴラマウスの体内ではFGF5がうまく作用していないことが確認された。

マウス以外の動物でも同じ観察結果を得られている

上記の実験・観察に基づき、マウス以外の動物についても遺伝子解析を行なった。結果、やはりマウスと同じように、FGF5の作用が活発ではない動物において体毛が長めであることが確認された。

FGF5の働きを抑制する成分

毛髪の成長に関して研究を行なっている官民の研究機関は、薄毛の改善を目指す研究の一環として、FGF5の働きを抑制する成分の発見を急いでいる。2018年現在までのところ、以下の成分にFGF5の作用を抑制する働きがあることが確認された。

ワレモコウエキス

秋の到来を告げる野草として知られるワレモコウエキス。その抽出成分に、FGF5の作用を抑える働きがあることが、ポーラや徳島大学などの研究によって明らかとなった[注2]。ワレモコウは、中国最古の植物辞典『神農本草』でも扱われている、古くから知られる薬草である。肌の引き締め作用があるとされ、現在でも様々な化粧品に配合されている。

ビワ葉エキス

ビワ葉エキスとは、文字通り、ビワの葉に由来する抽出液のこと。血行改善作用があることから様々な育毛剤等に配合されている成分であるが、血行改善作用以外にも、FGF5の働きを抑える作用があるとされている。FGF5とちょうど対極の作用(毛髪の成長を促す作用)を持つ物質に、FGF7がある。ビワ葉エキスは、このFGF7の生成を促す働きがあるとされている[注3]

フコイダン

海藻類の粘り気を生んでいる成分として知られるフコイダン。健康食品の分野でも注目されている有名な成分であるが、このフコイダンには、上記FGF7の生成を促す作用があるとされている。FGF7の量が増加すればFGF5の作用が相対的に薄れ、結果として抜け毛・薄毛の改善へとつながる可能性がある[注4]

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