AGA遺伝子検査

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[最終更新日]2018/06/20
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AGA遺伝子検査とは

AGA遺伝子検査とは、広義においては、男性ホルモン受容体の感受性、およびAGAに関わる疾患遺伝子の検査のことを指す。狭義においては、前者のみを指す。一般にAGA遺伝子検査と言われる場合、狭義である「男性ホルモン受容体の感受性のチェック」のみを指している。AGAの原因物質であるDHTの影響を受けやすい体質かどうかを判断するに有効とされる検査だが、現状、その信憑性については疑う声も少なくはない。

AGA遺伝子検査の具体的な検査方法

AGA遺伝子検査は、遺伝子の解析に必要な細胞組織を提出するのみで終わる。具体的には、毛髪や爪、血液、頬の粘膜などの部位から細胞組織が採取される。採取された組織は専門の検査機関にて解析され、数週間後、解析結果が手元に届く。

検査を受けるには、AGAなどの治療を行なっているクリニックにて、任意で申し出ることが一般的である。中には、AGA治療に入る前段階において、遺伝子検査を必須としているクリニックもある。

ただし、AGA遺伝子検査は医療機関でなければ受けられない、という訳ではない。大手通販サイト「Amazon」などで販売されている検査キットを入手し、自身で頬の裏側の粘膜を採取して検査機関へと送付する、という方法も可能である。

なお、医療機関にて遺伝子検査を受ける場合、費用は概ね20,000~30,000円である。初診料がかかる場合もあるので、プラス3,000~5,000円と考えておいたほうが良いであろう。
一方、通信販売サイトを利用した場合の費用は、概ね12,000~16,000円である。もちろん初診料は発生しない。

医療機関であっても通信販売であっても、検査結果は全く同じである。よって、費用のみを基準に考えた場合には、通信販売を利用して検査を受けるほうが良い。
ただし、検査結果に応じて適切な治療法を提案してもらいたい場合には、医療機関において検査を受けるほうが望ましい。

AGA遺伝子検査によって分かること

AGA遺伝子検査は、主に男性ホルモン受容体(※)の感受性を調べる目的で行われる。この感受性が高ければ高いほど、AGAの発症リスクは高くなる。この点は、すでに世界中の学会における定説である。
男性ホルモンレセプターの感受性の高さとAGA発症リスクの相関関係について、簡単に確認する。

感受性とはDHTの受け入れ感度のこと

主に男性の睾丸から分泌された男性ホルモン「テストステロン」は、体内を巡る過程で、5αリダクターゼと呼ばれる酵素と結びつくことがある。この2者が結びついた時、「テストステロン」は、その作用をより強力にしたDHTと呼ばれる物質に変化する。AGAは、DHTが毛根の先端に存在する毛乳頭細胞に働きかけることで発症する。
このメカニズムに鑑み、毛髪再生医療の分野では、主に5αリダクターゼの働きを阻害する治療法を採用している。5αリダクターゼの活動を抑えればDHTの生産量が減少して薄毛が改善する、という理屈である。
しかしながら患者によっては、たとえDHTの生産量が減少したとしても、AGAの進行が止まらない例も見られる。その背景には、男性ホルモン受容体におけるDHTの受け入れ感度の違いがある。男性ホルモン受容体の受け入れ感度が高ければ、たとえ少量のDHTであってもその影響力が強くなり、結果として薄毛を止めることはできない。

改めて、AGA遺伝子検査によって分かること

AGA遺伝子検査によって男性ホルモン受容体の感度の強さが分かれば、その患者において、将来的にAGAを発症しやすいタイプかどうかが診断可能となる。あるいは、すでにAGAを発症している患者においても、その症状がますます進行するか否かについて、判断が可能となる。

※「男性ホルモンンレセプター」「アンドロゲンレセプター」「レセプター」などと呼ばれる場合もある。

AGA遺伝子検査の信憑性を疑う専門家もいる

AGA遺伝子検査の信憑性を疑う声は、医療現場の専門家の間でも少なくない。以下、同検査に疑念を呈する声として、東京高円寺にある「肌のクリニック」院長の見解を紹介する。

AGAのリスクと「CAG+GGCリピート数」に相関関係はない

AGA遺伝子検査では、男性ホルモン受容体における、CAGとGGCの塩基配列のリピート数が確認されている。このリピート数が38より少なければ、AGAの発症リスクが高くなる、と判断される。
この判断基準の根拠となった実験は、1998年に実施された僅か108名を対象とした実験。のち、2012年に行われたより大規模な実験では、AGA発症リスクと「CAG+GGCリピート数」との間に相関関係がないことが判明しています。

フィナステリドの有効性の判断材料にはなる

149名のAGA患者を対象に、CAGのみのリピート数とフィナステリド(プロペシアの有効成分)の効果との関係が調査されたことがあります。これによると、CAGリピート数が23.5以下の患者において、フィナステリドが効きやすいことが分かりました。
ただし、CAGのリピート数とフィナステリドの効果との相関関係を調査した実験は1本しかなく、科学的エビデンスとしては少々寂しいのが現状です。

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