毛器官

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[記事公開日]2018/04/25
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毛器官とは

毛器官とは、毛と毛包の総称である。毛も毛包も、さらに細分化された様々な組織から成り立つ。唇、手の平、足の裏、粘膜以外の全身の皮膚に存在している。

毛器官の役割は主に5つ。知覚神経の補助(触覚装置)、外力や光線からの皮膚の保護、高温・低温からの皮膚の保護、ホコリ等の異物侵入に対する防御、摩擦からの皮膚保護である。

毛器官を構成する各組織

毛器官は、毛と毛包から成り立つ組織の総称である。以下、毛と毛包を構成する細かい組織を確認する。[注1][注2]

【毛】

毛の横断図を確認すると、毛は外側から「メデュラ」「コルテックス」「キューティクル」三層構造で成り立つ。

1.キューティクル(毛小皮)

キューティクルとは、毛の最も外側に存在する組織である。1枚で毛を覆う形で存在するのではなく、ウロコ状で何枚も重なるようにして存在する。

キューティクスの役割は、①外部の刺激から毛の内部組織を守る、②毛の内部の水分やタンパク質の流出を防ぐ、③毛にツヤを生み出す、の3点である。

キューティクルは摩擦に弱いため、無理なブラッシングやシャンプーによって剥がれることがあるので注意が必要である。

2.コルテックス(毛皮質)

コルテックスは、キューティクルに接して内側にある組織。タンパク質の一種、ケラチンの集合体である。毛の85~90%は、コルテックスが占める。

毛の太さや弾力性は、コルテックスの状態によって決まる。また、毛の色は、コルテックスに存在するメラニン色素の量によって決まる。

薬品の影響を受けやすい性質があり、パーマ剤で内部のタンパク質が流出することがある。

3.メデュラ(毛髄)

毛髪の中心部にある組織。基本的には、空気を含んだハチの巣状の空洞である。一本の毛の中でつながって存在している場合もあれば、途切れながら存在している場合もある。

コルテックスと同様、メデュラの太さも髪の太さを左右する。

【毛包】

毛包の横断図を確認すると、毛包は外側から「結合組織性成分」と「上皮性成分」の二層構造で成り立つ。「上皮性成分」は、外側から「外毛根鞘」と「内毛根鞘」の二層に分かれる。

1.結合組織性成分

毛の組織を包むようにして存在する組織。毛包を構成する各組織の中では、最も外側に位置する。真皮組織と連続している層であるため、皮膚の一部と考えて良い。

2.上皮性成分

外毛根鞘

上皮性成分のうち、外側に存在する組織。組織内に、いずれ毛母細胞となる「CD34細胞」が存在している。毛母細胞は髪の毛の元になる細胞であるため、発毛・育毛においては外毛根鞘が非常に重要な存在となる。

内毛根鞘

外毛根鞘の内側に存在する組織。毛の表面にあるキューティクルと絡み合うことにより、毛と頭皮とをつなぎ合わせる役割を持つ。

毛器官は毛周期というサイクルの中で成長する

毛器官は、様々な細胞から成り立つ総合組織。この総合組織は、毛周期というサイクルの中で、常に成長と生まれ変わりを繰り返している。

毛周期には「成長期」「退行期」「休止期」の3段階がある。以下、毛周期について確認する。[注3]

成長期

毛穴から新たな毛が生まれ、毛母細胞の細胞分裂によって活発に成長している段階のことを、成長期と言う。

一般に、頭髪の成長期は2~6年ほど。眉毛などの成長期は4~7ヶ月ほどと言われている。

退行期

毛母細胞の分裂が低下し、毛髪がほとんど成長しなくなる段階のことを、退行期と言う。

一般に、頭髪の退行期は約2週間。眉毛などの退行期は3~4週間ほどと言われている。

休止期

毛母細胞の分裂が完全に停止し、次なる新たな毛を生み出す準備が行なわれている段階を、休止期と言う。

一般に、頭髪の休止期は3~4ヶ月ほど。眉毛などの休止期は約9ヶ月と言われている。

なお、休止期にある毛髪は、新たに生まれる毛によって押し出される形でその一生を終える。

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