毛乳頭細胞

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[記事公開日]2018/06/06
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毛乳頭細胞とは

毛乳頭とは、毛髪の根元に存在する洋ナシ型の組織。この組織を構成する細胞のことを、毛乳頭細胞と言う。主に毛細血管からの栄養素の搬入、および、周辺の毛母細胞に対する細胞分裂の指令を出すことが役割である。毛乳頭内部の細胞は、まったく、あるいはほとんど分裂しない。よって毛乳頭細胞が損傷・消滅すると、理論上は毛が生えて来なくなる。このメカニズムは、薄毛治療または医療レーザー脱毛において、極めて重要な概念となる。

発毛・育毛を司るリーダー的存在

発毛・育毛に関わる組織は、1つではない。毛母細胞を始め、毛包幹細胞、脂肪細胞、外毛根鞘細胞、内毛根鞘細胞、色素幹細胞など、様々な細胞組織における絶妙な協力体制において、毛髪は生まれ、成長する。

これら多くの組織を取りまとめるリーダー的存在が、毛乳頭細胞である。毛髪は、毛乳頭細胞から下される「正しく成長せよ」という指令なくして、正しく成長しない。

仮に、毛乳頭細胞から「誤った成長をせよ」という指令が下された場合、ヘアサイクルが乱れて休止期が長期化してしまうこともある(AGA)。

あるいは、リーダーたる毛乳頭細胞が破壊された場合、その毛穴から毛髪が再生することはない(医療レーザー脱毛)。

毛乳頭細胞は、発毛・育毛における心臓部であることを認識されたい。

栄養素・酸素を毛母細胞に届ける役割

発毛・育毛のリーダー的存在であると同時に、毛乳頭細胞は、毛髪の成長に必要な栄養素・酸素を組織に橋渡しする役割も持つ。

人の体は、栄養素・酸素がなくして維持されない。成長もしない。栄養素や酸素は人体の隅々において必要とされる要素だが、これらを隅々まで運ぶ担当は、血液である。血漿が栄養素を運び、赤血球が酸素を運ぶ。

ところで、毛髪もれっきとした人体の一部である。その成長のためには、体の他の部位と同様、栄養素と酸素を必要とする。

毛髪の根元に存在する毛乳頭細胞は、毛細血管とつながっているため、血液によって運ばれる栄養素や酸素の受容体となる。もって、これら栄養素と酸素を毛髪組織へと届ける橋渡し的な存在となる。[注1]

悪しき生活習慣が毛乳頭細胞を劣化させる

良い生活習慣は人の体を健康へと導き、悪しき生活習慣は人の体を劣化へと導く。毛乳頭細胞も人の体の一部である以上、生活習慣の良し悪しの影響を受けることは逃れられない。

見るからにメタボリック症候群の男性において、太り気味の体型に加えて頭髪も薄い「印象」がある。これは、あながち単なる「印象」とは言えない側面もある。メタボを招くほどの悪しき生活習慣が、併せて毛乳頭細胞の劣化をも招いている可能性があるからである。

健全な毛乳頭細胞を維持することは、健全な毛髪成長を維持することにもつながる。以下、健全な毛乳頭細胞の維持を阻害する悪しき生活習慣について挙げる。

栄養バランスを無視した食事習慣

健全な毛乳頭細胞を維持するために、ひいては健全な毛髪の成長を促すために、日ごろからバランスの取れた栄養素の摂取が必要である。

三食の栄養素をバランス良く摂れば問題はないが、中には自らの嗜好に偏ったメニューを選んでいる人もいるだろう。仮に栄養バランスが偏ることで、亜鉛、ビタミンB6、タンパク質などが不足した場合、毛乳頭細胞はもちろん、毛髪の成長自体に悪影響を及ぼす恐れがある。

運動不足

運動不足は、血行不良を招く。血液は全身のすべての細胞で必要とされる要素なので、血行不良によって、当然ながら毛乳頭細胞には悪影響が及ぶ。加えて、上述の通り血行不良は毛乳頭細胞への栄養素・酸素の運搬を阻害する。運動不足は、抜け毛・薄毛を招く要因として有名である。

睡眠不足

睡眠不足は、体中のあらゆる細胞に対し、極めて悪質な影響をもたらす。血行不良を招いたり細胞の修復・成長を阻害したりなど、抜け毛・薄毛を助長する様々な要因を併発させる。

過剰なストレス

ストレスを蓄積すると、人の自律神経のうち「交感神経」が優位となる。「交感神経」が優位になった状態が続くと全身の血行が悪化し、毛乳頭細胞を始めとした毛髪の細胞組織に十分な栄養素・酸素が行き届かない。

刺激の強いヘアケア

洗浄力の強いシャンプーの使用等により、頭皮環境が悪化して皮脂の過剰分泌、フケ症の悪化等を招くことがある。これら頭皮環境の悪化もまた、間接的に追う乳頭細胞へアック影響を与えるとされている。

毛乳頭細胞を破壊する医療行為が医療レーザー脱毛

毛乳頭細胞の健全なる維持こそ、健全なる発毛・育毛の土台となる。この理屈を逆用し、毛乳頭細胞という土台を破壊して発毛・育毛を止めてしまうこともできる。すなわち、医療レーザー脱毛である。

医療レーザー脱毛とは、強力な医療用レーザーを毛根に照射することにより、毛乳頭を破壊して発毛・育毛を止めてしまう医療行為。一度破壊された毛乳頭細胞が再生することは、理論上ない。よって永久脱毛が可能となる。[注2]

なお、いわゆる脱毛サロンにおける施術も同様の理屈に基づくものであるが、脱毛サロンは医療機関ではないため、医師法上、使用するレーザーのパワーを落とさなければならない。よって、毛乳頭細胞が破壊されることはない。結果として、脱毛サロンにおける施術では、一時的な減毛・抑毛効果は期待されるものの、永久脱毛効果は期待できない。

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