ヘアサイクル

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[最終更新日]2018/04/06
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ヘアサイクルとは

ヘアサイクルとは、毛の生まれ変わりの循環のことを言う。生えては抜け、生えては抜け、といったサイクルのことである。このサイクルをより詳細に観察すると、成長期・退行期・休止期という3段階を持つことが分かる。これら3段階のうち、成長期が本来より短かくなり、休止期が本来より長くなった時、人はAGAを発症する。ヘアサイクルを再び正常化することでAGAの進行は抑えることができるが、この発想に基づいて開発された薬がプロペシアである。

ヘアサイクルとは毛の生まれ変わりの循環

毛は、毛穴から生まれ、成長し、成長が鈍り、成長が止まり、そして抜ける。毛が抜けた毛穴からは、再び新たな毛が生まれ、同じプロセスを経て抜ける。毛は、この生まれ変わりのサイクルを何度も続ける。これをヘアサイクルと言う。

1本の毛が生まれてから抜けるまでのプロセスについて、以下、AGAヘアクリニック院長の水島郷太医師の監修記事[注1][注2]を参照し、まとめた。

成長期・退行期・休止期の3段階

毛は、生まれてから抜けるまでのプロセスにおいて「成長期」「退行期」「休止期」の3段階の期間を持つ。

【成長期】

毛穴の奥にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すと、毛穴から細胞が上に押し上げられる。上に押し上げられた細胞は、いわゆる角化する。この角化した細胞が、毛である。

毛が生まれた後も、毛穴の奥では毛母細胞が細胞分裂を継続。よって角化した細胞、つまり毛は伸び続ける。

以上の段階のことを、毛髪の「成長期」と称する。「成長期」の持続期間は2~6年。以下で説明する退行期や休止期に比べて圧倒的に持続期間が長く、ヘアサイクル全体の実に9割の期間を占める。

【退行期】

毛母細胞の細胞分裂が停止した段階のことを、退行期と言う。次に訪れる休止期への準備段階でもある。退行期の毛を詳細に観察すると、毛根が縮小していることが分かる。

退行期の持続期間は、2週間程度と短い。

【休止期】

新たな成長期に向け毛母細胞が準備をしている段階を、休止期と言う。毛母細胞の準備が整うと、やがて再び成長期へと入る。成長期に入ると、先の説明の通り新たな毛が生れる。この毛に押し出されるようにして古い毛は抜け落ち、その一生を終える。一生を終える毛の本数は、1日に約100本と言われている。

休止期の持続期間は3~4ヶ月。頭髪の毛母細胞の約10%は、休止期にあるとされる。

ヘアサイクルが乱れるとAGAが進行する

男性ホルモンの一種に、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質がある。DHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合すると、ヘアサイクルが乱れてAGAが発症する。具体的には、成長期の期間が短くなり、休止期の期間が長くなる。これにより、決して毛母細胞が死滅した訳ではないのだが、外見としては「薄毛」「はげ」の様態を呈することとなる。

なお、DHTとは、もともとは男性ホルモンの一種であるテストステロンである。テストステロンとは、人間、特に男性の体の成長を司る非常に重要な役割を持つホルモン。このテストステロンに5αリダクターゼという酵素が結びついた結果、DHTに変質する。

5αリダクターゼの分泌量は、遺伝によって決まる。必然的に、DHTの生成量も遺伝によって決まることになる。AGAが遺伝しやすい理由の一つは、これである。

毛髪の生まれ変わりの回数には上限がある

毛は「成長期」「退行期」「休止期」を経て繰り返し生まれ変わる、と説明した。しかしながら毛の生まれ変わりは、永遠に反復され続けるものではない。人により個人差はあるものの、反復回数には上限がある。上限に達した段階で、その毛穴からは永遠に毛が生えて来なくなる。これを「毛根の寿命」と言う。

「毛根の寿命」を迎えた場合、たとえ皮膚科などでAGAの治療を受けたとしても、その毛穴から毛が生えてくることはない。それでも毛髪をたくわえたいと希望するならば、もはや自毛植毛しか手段は残されていない。

他のいかなる病気とも同様、AGAもまた早期発見・早期治療が有効とされる。たとえ外見上は薄毛を呈していても、毛母細胞が寿命を迎えていない限り、毛髪は再生する可能性が高いからである。

ヘアサイクルの乱れに対する対策

プロペシアがヘアサイクルの乱れを正す

AGA改善に向けた治療方法には、様々なアプローチがある。その一つのアプローチが、ヘアサイクルの乱れを正す、という発想である。この発想に基づいて開発された内服薬が、かの有名なプロペシアである。

男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素の影響を受けると、DHTという物質に変化する。DHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合することにより、ヘアサイクルが乱れる。

プロペシアは、これら一連のプロセスにおいて5αリダクターゼに働きかけ、その活動を阻害する。5αリダクターゼの活動が抑えられると、DHTの生産量は必然的に減少。ひいてはDHTと男性ホルモン受容体との結合数も減少し、やがてヘアサイクルは正常化に向かう。

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