退行期

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/04/25
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毛周期における退行期とは

毛周期における退行期とは、毛髪の成長が急激に鈍化する時期のことである。成長期(毛髪が生き生きと成長している期間)の次に訪れ、約2週間ほど続く。通常、退行期に属している毛髪は、頭部全体の約5~10%程である。しかしながら何らかの理由でその比率が増えたとき、薄毛となる。退行期の毛髪比率を元に戻すには、「プロペシア」などのAGA治療薬の服用が有効。加えて生活習慣も見直すことが大事である。

毛髪の成長が急激に鈍化する時期のこと

毛周期(※)における退行期は毛髪の成長がほぼ終わった段階を指す。2~6年にわたる成長期を終えた直後の約2週間が、退行期である。退行期を終えて訪れる期間が、休止期である。

なお、毛は1本1本、それぞれバラバラのタイミングで成長期、退行期、休止期を繰り返している。健全な頭髪においては、全体の約90%は成長期に、約5~10%は退行期に、5~10%は休止期にあるとされる。

常に頭髪の量が一定に見える者は、この比率が乱れていない。逆に、頭髪の量が少量に見える者は、この比率が乱れている(退行期・休止期にある頭髪の比率が高い)。

(※)毛周期

毛が生まれ、順調に成長を続けている期間のことを成長期と言う。健全な成長期は、約2~6年ほど続く。その後、成長が鈍化する約2週間が訪れる。この間を退行期と言う。退行期を過ぎると、同じ毛穴の中で、新たな毛を生み出す活動が始まる。この間を休止期と言い、約3~4ヶ月続く。やがて新たな毛が新生し、古い毛は押し出されるように抜け落ちる。

加齢等によって毛穴に寿命が訪れるまで、以上の循環が何度も繰り返される。この繰り返しのことを、毛周期と言う。毛周期は、ヘアサイクルとも呼ばれる。

退行期の毛髪が増えると薄毛に見える

日本人成人の平均的な頭髪の本数は、約10万本である。そのうち約8~9万本は成長期の段階にあり、残りの頭髪のうち5千~1万本が退行期、同じく5千~1万本が休止期の段階にある。

成長期の毛は1本1本が太く、かつ弾力性もある。一方で退行期・休止期の毛は、それぞれが細く、弾力性に乏しく、実に弱々しい。仮に、退行期・休止期の毛の比率が増えて行けば、頭部は徐々に涼しげな状態となる。この状態が、いわゆるAGA(男性型脱毛症)である。

【AGAの発症メカニズム】

AGAとは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の作用で発症する。DHTとは、男性ホルモンのテストステロンが変質した物質。テストステロンが、毛乳頭細胞の中にある5αリダクターゼという酵素と結び付くことにより、DHTへと変化する。

DHTは、毛乳頭細胞の中の男性ホルモン受容体と結合し、毛髪組織に対して成長期を短縮するよう指令を出す。成長期の短縮を余儀なくされた毛髪組織は、早々に退行期・休止期へと追いやられる。結果、毛髪全体に対する退行期・休止期の段階の毛髪の比率が増える。すなわち、AGAの発症である。

退行期の毛髪の比率を元に戻す方法

退行期の毛髪の比率を元に戻すためには、テストステロンがDHTに変化しないよう仕向ければ良い。テストステロンは、5αリダクターゼという酵素と結び付くことでDHTに変化する。よって、この5αリダクターゼの働きを阻害すればDHTの生産量は減少し、やがて毛周期が正常化に向かう。

この理屈に基づいて誕生したAGA治療薬が、有名な「プロペシア」である。「プロペシア」に含まれる有効成分フィナステリドには、5αリダクターゼの働きを阻害する作用がある。長期的に服用することで、徐々に毛乳頭細胞はDHTの影響から逃れ、やがて退行期の毛髪が少しずつ成長期に向かう。

生活習慣の見直しも薄毛改善をサポートする

AGA自体は、DHTが原因となり発症する。その一方で、生活習慣の乱れもまた、薄毛の症状を悪化させる要因となっている。AGAを薬で治療しつつ生活習慣を見直すことで、薄毛全体をより効果的に改善させることができる。

以下、薄毛の改善をサポートする生活習慣について、水島豪太医師(AGAヘアクリニック院長)の解説を参考にまとめた。[注1]

食生活を見直す

栄養バランスが偏った食生活を送ると、頭髪の成長に必要な栄養素が不足する可能性がある。多品目の食材を摂り、栄養を満遍なく摂るよう心がける。脂質の多い食材を摂り過ぎると、皮脂の分泌量が増えて脂漏性脱毛症を招く恐れがあるので注意する。

適度な運動をする

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣化することで、血行が促進される。血行が促進されると頭皮に栄養素や酸素が届きやすくなるので、育毛にはプラスとなる。肥満解消にもつながり、一石二鳥である。

睡眠不足を解消する

日中に頭皮が受けたダメージが修復されたり、毛髪の成長が促されたりする時間帯は、主に夜間の睡眠中である。十分な睡眠時間を確保することはもとより、就寝前に入浴するなどして、質の良い睡眠が取れるよう心がける。

ストレスを解消する

慢性的にストレスを受け続けていると、自律神経のバランスが乱れる。その結果、体内では血行不良等の様々な不調が生じ、健全な育毛環境を阻害する。自分なりのストレス解消法を見つけ、実践することが大切である。

正しいヘアケアを行なう

シャンプーのし過ぎや、刺激の強いシャンプー液の使用が、頭皮にダメージを与えて抜け毛を助長することがある。シャンプーは1日1回とし、かつ、頭皮にやさしいアミノ酸系のシャンプー液の使用がお勧めである。

喫煙を控える

煙草に含まれるニコチンには、毛細血管を収縮させる作用がある。煙草と薄毛との関係が医学的に証明された訳ではないが、毛乳頭細胞の周辺に毛細血管が多く存在していることを考えると、喫煙は育毛に良くないことが推察される。

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