ケトコナゾール

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[最終更新日]2018/04/06
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ケトコナゾールとは

ケトコナゾールとは、抗真菌効果のある成分の一つである。主に水虫薬などの主要成分として配合されている。ケトコナゾールには、マラセチア真菌の増殖を抑える働きや、AGAの原因物質であるDHTの生産を抑える働き、また頭皮の皮脂の分泌量を抑える働きがあることから、薄毛の改善効果もあるとされている。日本皮膚科学会でも、薄毛の改善効果を認めた。ただし、薄毛改善を目的としたケトコナゾール配合のシャンプーやローションは、国内での製造・販売の認可がおりていない。

ケトコナゾールは抗真菌作用を持つ医薬品

ケトコナゾールは真菌(カビ)の繁殖を防ぐ目的の、いわゆる抗真菌薬に配合されることがある。ケトコナゾールを配合した海外製品の「ニナゾールシャンプー」には、育毛効果があるとされている。

ケトコナゾールを配合した薬剤のうち、日本で製造・販売が認可されているものは「ニゾラール」(ヤンセンファーマ)という商品名のクリームとローション、および「ケトコナゾール外用ポンプスプレー2%」(日本臓器製薬)の3種類。「ニナゾールシャンプー」は、厚生労働省による国内での製造・販売は認可されていない。

ケトコナゾールの薄毛改善効果

ケトコナゾールの薄毛改善効果について、以下、AGA治療で有名な「銀座総合クリニック」の公式サイトを参考にまとめた。[注1]

【マラセチア真菌の増殖を抑える働き】

ケトコナゾールには、頭皮に常在しているマラセチア真菌の繁殖を抑える働きがある。

マラセチア真菌とは皮膚の常在菌の一つで、誰の頭皮にも一定量だけ生息している。常に一定量であれば問題のない真菌だが、何らかの理由で異常繁殖すると、脂漏性皮膚炎を発症する。脂漏性皮膚炎が悪化すると、代表的な脱毛症状の一つである脂漏性脱毛症に至ることがある。マラセチア真菌の繁殖を抑えることは、発毛・育毛を促進する上で大切な要素となる。

【DHT(ジヒドロテストステロン)の生産を抑える働き】

AGA(男性型脱毛症)の直接的な原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンの一種である。DHTは以下の4段階の変質を経て生産される。

プロゲステロン → アンドロステンジオン → テストステロン → DHT

この一連のプロセスにおいて、「プロゲステロン → アンドロステンジオン」の変質に関わっている酵素が、CYP17と呼ばれるもの。ケトコナゾールは、このCYP17の働きを阻害する。よって、ケトコナゾールの作用が介入すれば、DHTの生産量は必然的に減少する。結果、抜け毛の予防・改善効果をもたらす。

【皮脂の分泌量を抑える働き】

●ケトコナゾールには、毛穴からの皮脂の分泌量を抑える働きがある。

毛穴から分泌される皮脂の量が多ければ多いほど、毛は細くなることが分かっている。また、皮脂が毛穴に詰まることで脱毛を生じることもある。発毛・育毛を促進するためには、皮脂の分泌量を適正なレベルまで抑えることが大切である。

【ミノキシジル外用と同レベルの効果?】

なお、銀座総合クリニックの公式ホームページでは、「2%ケトコナゾールシャンプーと2%ミノキシジルの外用は効果が同等である」との論文が1998年に発表された、と紹介している。これに対して、AGA治療の実績が豊富な「肌のクリニック」(東京)の岩橋陽介院長は、自身のブログ内で「誤った情報」と指摘している。いずれが正しいかは不明である。

ただし岩橋院長は、その根拠論文の誤読(の可能性)を指摘しているだけであり、AGAに悩む患者はケトコナゾール配合のシャンプーを使用したほうが良い、と推奨している。実際「肌のクリニック」でもケトコナゾール配合のシャンプーを処方している。[注2]

ケトコナゾールの薄毛改善効果に対する学会の見解

日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」では、ケトコナゾールの薄毛改善効果について、次のような臨床試験の結果が紹介されている。[注3]

  • 2%ケトコナゾールシャンプーを使用する被験者と、市販のシャンプーを使用する被験者とに分け、21ヶ月間にわたる試験を行なった。結果、前者において薄毛改善効果が見られ、後者において薄毛が悪化した
  • 2%ケトコナゾールローションを10ヶ月~12ヶ月にわたり使用した6名の被験者において、2名において顕著な発毛が認められた
  • 2%ケトコナゾールシャンプーとフィナステリド内服薬を併用した被験者、およびフィナステリド内服薬のみを服用した被験者との間で、発毛状態に医学的な有意差は認められなかった

これら臨床試験を踏まえ、ケトコナゾールと薄毛治療との関係について、同学会では以下のように結論付けている。

男性型脱毛症に対するケトコナゾール外用の発毛効果に関しては,有用性を示す弱い根拠があるので,外用を行ってもよいことにする。

ニナゾールシャンプーの入手方法

ケトコナゾールを配合した「ニナゾールシャンプー」は、国内での製造・販売の認可が降りていない。よって薬局やドラッグストアでは販売されていない。入手を希望する場合には、以下の2つのルートを通じる必要がある。

●医療機関で処方してもらう

薄毛治療を行なっている一部の医療機関では、正規の購入ルートを通じて「ニナゾールシャンプー」を処方している。

●個人輸入で入手する

個人輸入代行業者などを通じ、インターネット経由で「ニナゾールシャンプー」を入手することが可能である。ただし個人輸入による海外製薬品には、偽物が多く出回っていることも承知しておかなければならない。

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