ミノキシジル

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ミノキシジルとは

ミノキシジルとは、薄毛治療用の外用薬に含まれている主要成分の一つ。薄毛治療においては、フィナステリドと併称される著名な成分である。もともとミノキシジルは血圧降下剤であったが、服用患者の多くに多毛症の副作用が生じたことからAGA治療薬への応用が試みられた。臨床試験を通じても、ミノキシジル外用薬の薄毛改善効果は顕著である。しかしながらその効果のメカニズムについては、いまだ解明されていない部分が多い。

血圧降下剤から生まれた薄毛治療薬

もともとは、1960年代に米国アップジョン社(現ファイザー社)によって開発された血圧降下剤だが、服用する患者の多くに多毛症の副作用が生じた。そこで改めて薄毛治療薬としての開発が進められ、1980年代、同社より薄毛治療の外用薬として「ロゲイン」の名で販売が開始された。

国内産のミノキシジル外用薬としては、大正製薬の「リアップ」シリーズがよく知られる。1999年よりミノキシジル1%配合の「リアップ」が発売され、2005年には女性向けの「リアップレディ」、2009年にはミノキシジル5%配合の男性向け「リアップX5」が発売された。その発毛効果については以下で詳述する。

発毛効果のメカニズムは解明されていない

ミノキシジルの発毛効果のメカニズムについては、いまだ解明されていない。現在、以下のようなメカニズム説が有力であり、かつ正しいと認識されているが、詳しくは解明されていない。

【増殖因子の生産性を高める】

毛乳頭の働きを活性化させる、IGF-1やVEGFなど増殖因子が存在する。ミノキシジルはこれらの生産性を高める。

【毛母細胞の自死を抑制する】

ミノキシジルには、毛母細胞の自死行動(アポトーシス)を抑制する。結果、毛周期における成長期から退行期への以降(抜け毛)を妨げる。

なお、ミノキシジルが持つ血行促進作用が薄毛の改善に貢献している、とする説もある。確かに薄毛の改善に血行促進は効果的である。その意味においては、この説も嘘ではない。ただし、薄毛改善に対してどれほどの貢献度があるのかについては、不明である。

日本皮膚科学会が強く推奨しているAGA治療成分

日本皮膚科学会が発表している「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)」[注1]には、薄毛に効果的とされる治療薬・治療法が列挙されている。

これら治療薬・治療法において、日本皮膚科学会がAランク(強く推奨)を付しているものが2種類あるが、そのうちの1つがミノキシジル外用薬である。ちなみに、もう1つはフィナステリド内服薬である。

同ガイドラインの中で、日本皮膚科学会はミノキシジル外用薬について、以下のようなコメントを添えている。

男性症例に対して 5% ミノキシジル外用液を外用療法の第一選択薬として,また女性症例に対して 1% ミノキシジル外用液を治療の第一選択薬として用いるべきである.

被験者の94%が薄毛の改善を実感

ミノキシジル外用薬の薄毛改善効果をリサーチすべく、大正製薬が同社の「リアップX5」の効果に関する臨床試験を行なった。[注2]その結果は以下の通りである。

使用12週後

  • 「軽度改善した」…59.2%

使用24週後

  • 「顕著改善した」…2.1%
  • 「中度改善した」…47.9%
  • 「軽度改善した」…41.7%

使用36週後

  • 「顕著改善した」…4.3%
  • 「中度改善した」…61.7%
  • 「軽度改善した」…29.8%

使用52週後(1年後)

  • 「顕著改善した」…11.1%
  • 「中度改善した」…66.7%
  • 「軽度改善した」…20.0%

使用1年後において、被験者の実に97.8%において何らかの薄毛改善効果が見られた。

なお、これらの数値に関しては、被験者における効果の「実感率」ではなく、医師の客観的評価による効果の「発現率」である。

ミノキシジル内服薬を服用する場合の注意点

国内における薄毛治療薬としてのミノキシジルは、外用薬しか認可されていない。しかしながら海外では、タブレット状のミノキシジル内服薬(ロニテン、およびそのジェネリック品)が販売されている。タブレット状ということもあり、国内では一般に「ミノタブ」とも呼ばれている。

確かに、血圧降下剤としてのミノキシジルは内服薬であった。しかしながら、あくまでもそれは血圧降下を目的とした際に経口摂取していたものである。薄毛改善目的においての経口摂取については、アメリカFDAもこれを推奨していない。

ミノキシジル内服薬は、その外用薬に比べて高い発毛効果を有すると言われているが、副作用のリスクを考慮し服用を控えるべきである。

特に、もともと低血圧の者や、日頃から血圧降下剤を常用している者においては、ミノキシジル内服薬を服用することにより、重度の低血圧症を誘発する恐れがある。

個人輸入のミノキシジル内服薬はリスクが高い

ミノキシジル内服薬を手に入れる一般的な方法は、個人輸入である。国内未認可の医薬品を個人輸入で入手することは、違法ではない。

しかしながら、個人輸入による医薬品に偽薬が多いことは、すでに多くの医師が指摘している。主要成分が配合されていないもの、主要成分が過剰に配合されているもの、まったく異なる主要成分が配合されているものなど、そのバリエーションは多彩である。

国内未認可の医薬品を入手した場合、たとえ副作用や契約関係のトラブルが生じたとしても、すべて自己責任で解決することになる。この点を十分に理解されたい。

未承認薬を入手したい場合には、個人輸入ではなく、正規の入手ルートを持った医療機関を通じて入手すべきである。

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