骨形成因子

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/04/24
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骨形成因子とは

骨形成因子とは、その名の通り、骨の形成を促すことで知られる物質である。薄毛・発毛の研究を長く行なってきた日用品大手・ライオンは、この骨整形因子が骨の成長のみならず、毛髪の成長にも大きく関与していることを世界で初めて発見した。骨形成因子が減少すると、男性でも女性でも薄毛が進行するという。この理論に基づき、ライオンでは男性向け・女性向け、それぞれの育毛剤を開発・販売している。今後の更なる研究成果が待たれる。

骨の形成を促すタンパク質

骨形成因子は一般には「骨の形成を促すタンパク質」として知られる物質。BMPとも言う。

2003年、オーラルケアや薬品等の販売大手・ライオンは、骨形成因子が男性の発毛と大きく関わっていることを、世界で初めて発見した。2年後には、同因子が女性の発毛にも関わっていることを発見している。

育毛促進におけるライオンの研究

骨形成因子が発毛に関与している点について、ライオンの研究成果を紹介する。

なお、ライオンでは骨形成因子と併せて、エフリンと呼ばれる物質も発毛に関与していることを発見している。以下、骨形成因子およびエフリンの理論を土台に置いて開発された薬用育毛剤「毛髪力」(ライオン)の公式サイト、および、同理論を補助的に解説している札幌美容形成外科の公式サイトを参照に、研究の詳細をまとめた。[注1][注2]

なお、骨形成因子が「骨の形成を促すタンパク質」で知られていることに対し、エフリンは「血管の形成を促すタンパク質」で知られている。

【研究結果の概要】

  • 2003年…

    発毛促進シグナル「骨形成因子BMP」と「エフリン」を発見

  • 2004年…

    発毛促進シグナル「エフリン」に毛根を増やす働きがあることを発見

  • 2005年…

    女性ホルモンの減少に応じて「骨形成因子BMP」の生成が抑えられることを発見

ライオンと徳島大学医学部の共同研究により、男性型脱毛症が発症している部位において、「骨形成因子BMP」「エフリン」の2つの遺伝子発現量が減少していることが発見された。世界で初めての発見である。

あわせて、「骨形成因子BMP」が毛髪のケラチンの生成を促すこと、および「エフリン」が毛根の数を増やすことを発見した。

2005年には、女性ホルモンの減少に伴い、女性の頭部では「骨形成遺伝子BMP」の生成が抑えられていることを発見した。

これら研究結果のうち、2018年3月現在において詳細な研究プロセスが公表されているのは、女性における育毛効果について。次の通りである。

骨成長因子と女性の発毛との関係

【研究の背景】

薄毛に悩む女性の人口については、300万人とも600万人とも言われ、その実態は判明していない。しかしながら、特に加齢に伴う女性の薄毛人口は非常に多いと推察される。

一般に、女性の薄毛は男性の薄毛とは異なるメカニズムの中で発症する。すなわち、男性の場合は前頭部や頭頂部に偏って薄毛が発症することに対し、女性の場合は頭部全体で均等に薄毛が発症する。特に45歳以降の女性において、毛髪の変化が著しくなる傾向があることから、女性の薄毛と女性ホルモンの分泌量に何らかの関係がある、とライオンは推察した。

これ以前にライオンでは、男性型脱毛症における「骨成長因子BMP」と「エフリン」の影響について解明している。女性の薄毛においても、これらタンパク質の関与があるのではないか、という視点に立った。

【研究の概要】

培養中の女性の毛乳頭細胞を2つのグループに分け、一方に女性ホルモンを添加し、もう一方には女性ホルモンを添加せず、それぞれの違いについて検証した。

検証結果1…「骨形成遺伝子BMP」の遺伝子発現量に変化が生じた

検証の結果、女性ホルモンが添加された毛乳頭細胞においては、「骨形成因子BMP」の遺伝子発現量が増加。一方、女性ホルモンが添加されていない毛乳頭細胞においては、「骨形成因子BMP」の遺伝子発現量が減少した。

・検証結果2…女性ホルモンが「骨形成遺伝子BMP」を増やす

一般にホルモンは、ホルモン受容体という組織を通じて、その機能を発揮する。女性ホルモン受容体には「ER-α」と「ER-β」の2つが存在するが、これらのうち女性ホルモンは「ER-β」の発現量を増やすことが分かった。あわせて、「ER-β」には「骨形成因子BMP」の遺伝子を増やす働きがあることも判明した。すなわち、女性ホルモンが「ER-β」を増やし、「ER-β」が発毛促進成分である「骨形成因子BMP」を増やす、というメカニズムである。

【今後の研究目標】

加齢によって進行する女性の薄毛については、女性ホルモンを投与することで、その進行を食い止めることができる可能性が本研究で示唆された。

しかしながら、女性ホルモンを投与して人為的にホルモンバランスを調整することは、全身的な副作用を招く恐れもある。よって今後は、女性ホルモンの自然な分泌量に手を加えることなくして、いかに「骨形成因子BMP」の減少を食い止めるか、という視点で研究を進める。

※筆者補足

上記の研究目標に沿い、ライオンでは女性用育毛剤「フルリア 薬用育毛エッセンス」を開発・販売した。

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