壮年性脱毛症

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[最終更新日]2018/04/25
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壮年性脱毛症とは

壮年性脱毛症とは、男性型脱毛症(AGA)の別名である。両者は表現こそ異なれ、原因も治療法もすべて同じ。原因物質は男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン、治療法は内服薬・外用薬・各種施術である。なお「壮年」という言葉からは、一般に40代~50代がイメージされるが、壮年性脱毛症は10代でも20代でも発症する。

壮年性脱毛症とAGAは同じ

壮年性脱毛症とは、男性型脱毛症のこと。つまりAGAのことである。

東京医科大学医学部付属病院脱毛外来の公式ホームページでは、男性型脱毛症(AGA)について、次のように明記している。

壮年性脱毛、若ハゲ、うす毛とも呼ばれます。[注1]

男性型脱毛症、AGA、壮年性脱毛症は同義であり、俗にこれらは若ハゲと呼ばれたり、うす毛と呼ばれたりすることもある、ということである。

ところでAGAは、一般に年齢が上がれば上がるほど発症する傾向のある症状だが、正確に観察すれば、10代や20代でも発症している者も少なくない。よって言語表現上の違和感はあるが、10代や20代で壮年性脱毛症を発症する例もある。

壮年性脱毛症がAGAである以上、その原因も治療法も、まったく同じである。

壮年性脱毛症の原因物質はジヒドロテストステロン

毛髪は、成長しては抜け、成長しては抜け、というサイクルを繰り返している。このサイクルのことを毛周期(ヘアサイクル)と言う。

毛周期が正常なサイクルを繰り返している限り、人は薄毛にならない。ところが何らかの原因で毛周期が乱れると、抜け毛・薄毛へと進行する。この「何らかの原因」として存在するのが、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンである。

ジヒドロテストステロンとは、男性ホルモンのテストステロンが変化した物質。テストステロンに5αリダクターゼと呼ばれる酵素が働きかけることで、ジヒドロテストステロンが生まれる。このジヒドロテストステロンが、毛乳頭細胞ある男性ホルモン受容体に結び付くと、毛周期が乱調に。ひいては薄毛に至る、というメカニズムである。

なお、毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体は、主に男性の前頭部や頭頂部に多く存在する。中には、前頭部でM字型に存在する人もいる。壮年性脱毛症が後頭部や側頭部、W字型に発症しない所以である。

壮年性脱毛症の治療法

壮年性脱毛症は、主に以下の6種類の方法によって治療が試みられる。

【フィナステリド内服薬】

フィナステリドと呼ばれる成分を含んだ内服薬。1日1錠の服用を続けると、長期的には抜け毛の進行が緩やかになる。髪がフサフサになるわけではない。

フィナステリドには、上記で説明した5αリダクターゼの活動を阻害する働きがある。5αリダクターゼの活動が抑えられれば、壮年型脱毛症の原因物質であるジヒドロテストステロンの生産量が減少する。結果、ヘアサイクルが正常化して抜け毛が減る、という仕組みである。

有名な「プロペシア」は、フィナステリド内服薬の一つである。

【ミノキシジル外用薬】

ミノキシジルという成分を含んだ外用薬。患部(薄毛部分)に塗布することで薄毛の改善を狙う薬である。

ミノキシジルを頭皮に塗布すると、頭皮の血行が促進される。毛髪の成長には、血液によって運搬される栄養素や酸素が不可欠であることから、ミノキシジルの血行促進作用は薄毛改善に良いとされている。またミノキシジルは、毛髪の土台となる毛母細胞に毛の成長を促すよう直接働きかける、ともされている。

テレビでも有名となった「リアップ」は、代表的なミノキシジル外用薬である。

【オリジナル治療薬】

壮年性脱毛症を治療しているクリニックにおいて、クリニック独自の研究に基づいて治療薬を調合している場合がある。これら治療薬を総称して、オリジナル治療薬、オーダーメイド治療薬などと言う。

オリジナル治療薬のベースとなる成分は、フィナステリドやミノキシジル。これらベースとなる成分に加え、より発毛効果を高めるためにビタミンやミネラルを配合している。

【育毛メソセラピー】

フィナステリドやビタミン、ミネラルなど、薄毛の改善に良いとされる薬剤を、注射器等によって頭皮に直接注入する治療法。薬剤の浸透率を高めるため、薬剤の注入後に頭皮へ超音波などを照射する。

医学的根拠の乏しい治療法とされるが、現実として、育毛メソセラピーによる壮年性脱毛症の改善効果は非常に高い。

【HARG療法】

薄毛の改善に良いとされる薬剤を、頭皮に直接注入する治療法。着想は育毛メソセラピーと同じだが、HARG療法で使用される薬剤には様々な「成長因子」が含まれている点が特徴である。

極めて高い確率で薄毛が改善する。

【植毛】

自分の毛髪を薄毛部分に移植する(自毛植毛)、または、人工繊維による疑似毛髪を薄毛部分に移植する(人工植毛)ことで薄毛の改善を図る治療法。現在の医療現場では、自毛植毛が一般的である。

治療費は極めて高額であるが、治療の適用が可能と判断された場合、たとえ難治性の壮年性脱毛症でも100%薄毛が改善する。

新たな治療法の可能性

現在、薄毛治療において最も効果的とされる治療法は、自毛植毛である。しかしながら、自毛植毛に使われる毛髪は患者自身の後頭部などから採取するため、移植できる本数には限界がある。

そこで近年、資生堂と東京医科大学の共同により、毛それ自体を新たに作り出す再生医療の研究が開始された。患者自身の細胞から、新たに患者自身の毛母細胞を作り出すという試みである。また、当研究以外にも、iPS細胞を使った毛髪再生医療の研究も進んでいる。

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