立毛筋

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立毛筋とは

立毛筋とは、毛包に連結している筋肉の一種。意志で動かすことができない平滑筋(不随意筋の一種)に属する。人の毛は、平常時において皮膚に対し斜めに寝る形で生えている。しかしながら、何らかの理由によって立毛筋が収縮すると、これに連動して毛は逆立つ。いわゆる「鳥肌が立つ」という状況も、立毛筋が収縮したために起こる。なお、立毛筋は人の体毛のほとんどに存在しているが、眉毛、まつ毛、わき毛など、一部の毛には存在していない。

感情の変化や気温の低下により立毛筋が働く

立毛筋とは、毛の毛包部分に付着している平滑筋の一種である。平滑筋を意志によって動かすことはできないので、立毛筋は不随意筋の一つとして分類される。
立毛筋は、交感神経の働きによって動く。交感神経とは自律神経の一つであり、興奮した時や緊張した時、ストレスを感じた時、急激に外気が低下した時などに働く組織。すなわち、感情や気温に急激な変化が生じた場合、人の立毛筋が働き、毛が逆立つということになる。

感情が変化した時に立毛筋が働く

怒った人やショックを受けた人などを表現する際、漫画では、頭髪が逆立った人物を描くことがある。実際に漫画ほど頭髪が逆立つことはないが、確かに、人は感情に急激な変化が生じた際、頭髪を始めとした全身の立毛筋が作動する。
この現象は、人間よりも猫などに明確に現れる。猫は、他の動物(犬など)を前にした際、尻尾が大きく膨らむ。場合によっては全身の毛が逆立ち、その体躯が大きく見えることもある。この現象は、猫が対象動物に対して抱いた恐怖心や攻撃心がきっかけとなり、立毛筋が大きく働いたために起こる。

気温が低下した時に立毛筋が働く

気温が低下すると、人の体は体温維持のための様々な自律作用を起こす。震えは、その作用の一環である。これら自律作用の一つに、立毛筋の収縮がある。
立毛筋が収縮して毛が逆立つと、毛穴が閉まる。人の体は、毛穴が閉まる際に皮脂を分泌する仕組みとなっている。この皮脂が皮膚表面を覆うことにより、我々は体温の急激な低下を防いでいる。

感情が大きく揺さぶられた時、または、外気が寒い時に鳥肌が立つのは、上記のような理由による。

加齢による立毛筋の衰えが頭髪の見た目に影響を及ぼす

人の体を支えている全身の筋肉は、加齢とともに、徐々に機能が弱る。不随意筋もその例外ではない。人は、加齢によって立毛筋も衰えていく、ということである。

頭髪の立毛筋が衰えていくと、毛は常に寝たような状態となる。加齢によって頭髪に元気がなくなってくる理由の一つは、これによる。
もちろん、立毛筋の衰えと抜け毛との間に、大きな因果関係がある訳ではない。しかしながら、立毛筋の衰えによって頭髪が常に寝たような状態となると、薄毛ではなくとも薄毛に近い印象となることを避けられない。

立毛筋が不随意筋である以上、意志の力で直接的に立毛筋を鍛えることは不可能。立毛筋を鍛えて頭髪を元気にするには、何らかの間接的な方法によってこれを鍛えるしかない。

以下、立毛筋を鍛えるための著名な方法を紹介する。

不随意筋たる立毛筋を鍛える方法

伊良林鍼灸均整院AFINA院長の小柳弐魄氏は、不随意筋たる立毛筋を直接鍛えることは不可能とした上で、間接的にこれを鍛える方法として「自律神経に作用を及ぼすマッサージ」を推奨している。

起床したら乾布摩擦を行なう

鎖骨の下から乳首を結んだラインには、頭皮の自律神経を司る大きな神経が通っている。このラインを乾布摩擦することにより、頭皮の交感神経が活性化し立毛筋が活動。これにより、目には明確に見えなくとも、立毛筋の働きによって頭髪は僅かに立ち上がる。

就寝前は頭皮マッサージを行なう

就寝前には、眼球の延長上の前頭部に両手の指の腹を押し当て、頭蓋骨をマッサージする要領で徐々に後頭部へ指を移動。のち、指を逆に前頭部に移動させながら頭蓋骨マッサージを行なう。1往復3分程度で、ゆっくりとマッサージを行なうことがポイント。このマッサージにより日中に活動的だった交感神経の働きが抑えられ、立毛筋の緊張が緩和される。

乾布摩擦で立毛筋を活性化させ、頭皮マッサージで立毛筋を眠らせる、というメリハリを毎日反復することで立毛筋は鍛えられる、と小柳氏は説く。

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