脂漏

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/06/13
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脂漏とは

脂漏(しろう)とは、皮脂の過剰分泌が原因で、いわゆる脂性やフケ症などを生じている状態のことである。炎症まで発展した場合、脂漏性皮膚炎と呼ばれる。脂漏性皮膚炎を生じた場合、前頭部や頭頂部に脱毛が生じるケースがあるため、脂漏の段階から症状を進行させないようにすることが大切である。脂漏は、生活習慣の見直しで予防・改善を図ることができる。

皮脂の過剰分泌が原因で脂性やフケ症などを生じている状態

脂漏は皮脂の分泌が過剰でありつつ、炎症までは生じていない状態のことを言う。主に、皮脂腺の活動が活発化する生後1~2ヶ月の間、および思春期に脂漏が多く見られる。好発する発症部位は、顔や頭皮である。

なお、頭部に生じた脂漏が慢性化すると、頭皮に生息するマラセチア真菌が異常繁殖することがある。マラセチア真菌が異常繁殖すると、脱毛を生じることがある。

油性脂漏と乾性脂漏

銀座総合クリニックの公式サイトでは、脂漏を次の3種類に分類している。[注1]

  1. 油性型脂漏
  2. 結痂型脂漏
  3. 飛行型脂漏

一方、「デジタル大辞泉」「大辞林 第三版」「日本大百科全書(ニッポニカ)」では、脂漏を継ぎの2種類に分類している。[注2]

  1. 油性脂漏
  2. 乾性脂漏

分類上の問題なので、いずれが正しいという訳ではない。以下では、脂漏を「油性脂漏」と「乾性脂漏」の2種類に分類して解説する。

【油性脂漏とは】

油性脂漏とは、頭皮や顔面に生じる皮脂の過剰分泌のこと。頭皮においては脂漏性痂皮(かさぶたのこと)を生じ、顔面においては油性の光沢を示す。新生児の鼻にも多く見られる。

【乾性脂漏とは】

乾性脂漏とは、俗に言うフケのことである。頭部に多く発生するが、詳細に観察すると、眉毛や髭などにも発生していることがある。主に思春期以降に多発。油性脂漏を併発している例も少なくない。

脂漏を原因とする2つの脱毛症

【マラセチア真菌の異常繁殖による脱毛】

脂漏の状態が慢性化すると、頭皮に存在するカビの一種、マラセチア真菌が異常繁殖することがある。マラセチア真菌は、皮脂を餌としているからである。

マラセチア真菌は、その異常繁殖する過程において、皮脂を遊離脂肪酸に分解する。遊離脂肪酸は皮膚にとって刺激物であるため、結果、頭皮に炎症が生じる場合がある。また、マラセチア真菌自体が炎症の原因となることもある。これらマラセチア真菌の活動を原因とした炎症のことを、脂漏性皮膚炎と言う。

脂漏性皮膚炎は、自然治癒しない。よって皮膚科等で治療を受けない限り、炎症が悪化する恐れもある。炎症が重要化すると、炎症部位から脱毛することもある。これを脂漏性脱毛症と言う。

また、脂漏性脱毛症とフケ症とが併発している状態のことを、粃糠性(ひこうせい)脱毛症と言う。粃糠性脱毛症の原因も治療法も、概ね脂漏性脱毛症に準じる。

【脂漏性脱毛症・粃糠性脱毛症の治療法】

ステロイド外用薬

頭皮の炎症を抑えるために、ステロイド外用薬を処方する。

抗真菌薬

マラセチア真菌の活動を抑えるため、抗真菌薬を処方する。クリニックによっては、抗真菌成分を配合したシャンプーを処方することもある。

抗ヒスタミン剤

頭皮に強い痒みを伴う場合、痒みを抑えるために抗ヒスタミン剤を処方することがある。

ビタミン剤

脂漏をコントロールするビタミンB2、ビタミンB6などを処方することがある。

脂漏を予防する生活習慣

脂漏は、生活習慣の改善によって予防が可能である。皮膚炎まで発展していない場合には、生活習慣の見直しだけでも改善でき可能性がある。

【脂漏を予防・改善する生活習慣】

やさしい洗浄成分で清潔を保つ

脂漏を予防するためには、症状のある部分の清潔を保つことが大切である。ただし、洗浄力が強すぎる洗浄液の場合、むしろ皮脂の分泌を促進して脂漏を悪化させることがある。シャンプーの場合はアミノ酸系を使用するなど、皮膚にやさしい洗浄成分を含む洗浄液を使って清潔を保つようにする。

十分な睡眠を取る

頭皮を含め全ての皮膚は、深夜の就寝中に修復・再生が活発に行われる。よって、夜更かしをせず、毎日十分な睡眠を取ることが大切である。

ビタミンを意識した食事を摂る

すでに触れた通り、ビタミンB2やビタミンB6には、皮脂の分泌を抑える働きがある。両成分を多く含むレバーや鰹、鮪、秋刀魚、バナナなどを積極的に摂取したい。緑黄色野菜の積極的な摂取も大切である。

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