壮年性・老人性脱毛

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/04/25
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壮年性・老人性脱毛とは

壮年性脱毛とは、概ね30~50代の壮年期に発症する脱毛症の総称であり、老人性脱毛とは、概ね60代以降の老年期に発症する脱毛症の総称である、と考えて良い。それぞれの定義については、語る者によって異なることを認識されたい。壮年性脱毛の原因の多くは、AGA。前頭部や頭頂部から進行する薄毛である。それに対して老人性脱毛の原因の多くは、毛乳頭細胞の劣化。頭髪全体が均等に減っていく薄毛である。

0~50代の壮年期に発症する脱毛症の総称

壮年性脱毛と老人性脱毛の違いに、医学的な区別はない。それぞれの区別、それぞれの定義は、語る者によって異なる。よって、ここでは、自毛植毛で知られるアイランドタワークリニックの説明を参考に、仮に以下のように定義する。[注1]

  • 壮年性脱毛…30~50代で発症する脱毛の総称
  • 老人性脱毛…60代以降で発症する脱毛の総称

なお、同クリニックでは10~20代に発症する脱毛のことを、若年性脱毛と総称している。

壮年性脱毛・老人性脱毛の症状と原因

【壮年性脱毛の症状と原因】

壮年性脱毛の症状には様々なタイプがあるが、主なものは、前頭部や頭頂部から進行する脱毛である。つまり、その大半はAGA(男性型脱毛症)である。

AGAの直接的な原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質。男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼと呼ばれる酵素と結び付くことにより、DHTが生まれる。5αリダクターゼが多く分布している部位は、主に前頭部と頭頂部。よって、必然的にDHTは前頭部と頭頂部に多く生産される。

生産されたDHTが毛乳頭細胞の中にあるアンドロゲンレセプターという組織と結合すると、毛周期(毛の生まれ変わりのサイクル)に乱れが生じる。その結果、薄毛が進行する。

【老人性脱毛の症状と原因】

老人性脱毛の定義を「60代以上で発症する脱毛の総称」とするならば、その主な症状には2種類が挙げられる。一つめが、壮年性脱毛と同じように前頭部・頭頂部から薄毛が進行する症状。もう一つが、頭髪全体で均等に抜け毛が進行する症状である。前者の原因はAGAであるが、後者の原因はAGAではない。一般に老人性脱毛と言うとき、後者を指している場合が多い。

頭部全体で均等に抜け毛が進行する主な理由は、毛乳頭細胞の劣化である。人間は、年を重ねるごとに、全身の細胞が劣化していく。毛乳頭細胞も例外ではない。毛を作り出す毛乳頭細胞の活動が低下すれば、当然、抜け毛も進行していく。その結果、全体で均等に抜け毛が進行していくことになる。

また、加齢による血行不良も、老人性脱毛を加速させる一要因と言われている。

壮年性脱毛・老人性脱毛への対処法

壮年性脱毛や老人性脱毛を生じた場合で、かつ改善を試みたい者は、医療機関において適切な治療を受けることが望ましい。育毛剤や育毛シャンプーの使用も有効だが、医療機関における治療を抜きにして壮年性脱毛・老人性脱毛の完治を目指すことは、極めて難しい。

【壮年性脱毛への対処法】

上述の通り、壮年性脱毛の大半の原因はAGAである。AGAを発症する原因の多くは、男性ホルモンであるDHTの存在である。よってDHTの活動を抑制することが、壮年性脱毛を改善する有効な対処法となる。

DHTは、男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼが結びつくことで生まれる。逆に言えば、テストステロンと5αリダクターゼが結び付かなければ、DHTが生まれない。このプロセスに着目し、医療機関では5αリダクターゼの活動を抑える薬効成分フィナステリドを処方する。フィナステリドを配合した医薬品として、内服薬の「プロペシア」が知られる。

また、フィナステリドとは別のアプローチからのAGA治療として、薬効成分ミノキシジルを配合した外用薬の併用も推奨されている。ミノキシジルを配合した医薬品として、国内では大正製薬の「リアップ」が知られる。

なお、これら内服薬・外用薬以外にも、オリジナルAGA治療薬、育毛メソセラピー、HARG療法、自毛植毛など、壮年性脱毛症の治療法は多彩に用意されている。

【老人性脱毛への対処法】

老人性脱毛の原因がAGAであれば、上記、壮年性脱毛と同様の対処法で症状が改善する可能性がある。ただし、毛乳頭細胞の劣化が原因の老人性脱毛については、血行改善薬などの別のアプローチが検討される。

ただし、いずれの薬剤においても副作用のリスクがあることを念頭に置かなければならない。「プロペシア」の添付文書では、【使用上の注意】として高齢者の服用を推奨していない。「リアップ」の添付文書では、【医師・薬剤師に相談すること】として、高齢者(65歳以上)の使用に注意喚起を促している。[注2][注3]

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