スピロノラクトン

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[記事公開日]2018/03/22
[最終更新日]2018/06/08
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スピロノラクトンとは

スピロノラクトンとは、FAGA(女性における男性型脱毛症)の治療成分である。もともと血圧降下剤(降圧剤)として長く使用されている成分だが、昨今、FAGAの治療薬としても効果的であると注目されている。薄毛治療におけるスピロノラクトンは、男性ホルモンDHTの作用を抑制する働きを持つ。結果、男性ホルモンDHTの影響で生じるFAGAは、改善方向へと向かう。外用薬としての使用には、副作用はほとんどない。内服薬として使用する場合には、いくつかの副作用に注意が必要である。

FAGAの治療成分

スピロノラクトンは30年以上前から現在に至るまで、降圧剤として利用されている。同時に昨今では、FAGAの治療薬として注目を集めている。

パレスクリニック(美容皮膚科・東京)の公式サイトによると、スピロノラクトンの発毛効果は、「ミノキシジル5%外用+フィナステリド1%内服」と同等レベルだという。[注1]「ミノキシジル5%外用+フィナステリド1%内服」の発毛率は98%とされているが、スピロノラクトンは、これと同等の効果をもたらすということである。

スピロノラクトンの発毛促進メカニズム

発毛促進とは矛盾する格好だが、かつてスピロノラクトンは、女性における体毛の脱毛剤として利用されていた経緯がある。発毛どころか、脱毛である。この作用が、なぜか頭髪の発毛効果に応用されている。

以下、パレスクリニックの公式サイトにおけるスピロノラクトンの説明を参照した。[注2]

【スピロノラクトンには男性ホルモンに抵抗する働きがある】

スピロノラクトンの働きの一つが、抗アンドロゲン作用。簡単に言えば、男性ホルモンの働きに抵抗する働きのことである。

女性の体毛は、男性ホルモンであるテストステロンの影響によって生える。よってスピロノラクトンを塗布することで、男性ホルモンの影響が薄くなり、自然と脱毛効果を得ることができる。

また、FAGA(女性における男性型脱毛症)は、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)という物質の影響で発症する。よって、FAGAが発症した部分にスピロノラクトンを塗布すれば、DHTの働きが抑えられる。結果、発毛へとつながる。(※)

脱毛と発毛。双方の結果は真逆であるが、「スピロノラクトンが男性ホルモンに抵抗する成分」という点だけを考えれば、メカニズムに矛盾はない。

(※)FAGAの発症メカニズムは不明であるが、男性のAGAとは異なり、女性の体内ではDHTの量が上昇することはない。DHTの影響を受ければFAGAを発症し、DHTの影響を受けなければFAGAを発症しない。影響を受けた者に対し、スピロノラクトンは薬効を示す。

スピロノラクトンには内服薬と外用薬がある

FAGAの治療に利用されるスピロノラクトンには、内服薬、外用薬の両方がある。一般には外用薬として局所的に使用されるが、必要あれば内服薬の形でも処方が検討される。

ところで、DHTに抵抗する薬効を持つ成分として、スピロノラクトンよりも、フィナステリドやデュタステリドが有名である。DHTの生産量自体を減らす成分である。

しかしながら、フィナステリドやデュタステリドは、女性には期待するほどの効果は得られないとされている。また、DHTの生産量が減ることにより胎児の性器形成等に影響を与える可能性があるため、妊娠中の女性、妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性については、服用は禁忌。経皮吸収するため、成分に触れてもならない。

それに対してスピロノラクトンには、フィナステリドやデュタステリドのような副作用はない。

フィナステリドやデュタステリドとは異なり、スピロノラクトンは「男性ホルモンDHTの量を減らす薬」ではない。局所使用において「男性ホルモンDHTの働きを寄せ付けない薬」である。

なお、日本美容医療協会は、FAGAにおける抗男性ホルモン薬としてスピロノラクトンも検討される、との立場である。[注3]

スピロノラクトンの副作用

スピロノラクトンの副作用は、外用薬と内服薬とで違いがある。

【スピロノラクトン外用薬における副作用】

スピロノラクトン外用薬を局所的に投与した場合、全身的な副作用はほとんどない。スピロノラクトン外用薬を12年間使用した報告があるが、この例においては、副作用は全く生じていないという。[注1]

スピロノラクトン外用薬の安全性は極めて高いと言える。

【スピロノラクトン内服薬における副作用】

スピロノラクトン内服薬においては、いくつかの副作用の可能性が指摘されている。主な副作用としては、肝障害、高カリウム血症、女性様乳房、生理不順、不正出血、不整脈、発疹、嘔吐、めまい、日光過敏症、倦怠感、頭痛などである。

また、特定の降圧剤や、免疫抑制剤、抗がん剤などとの併用は禁忌であり、かつ併用する際に注意すべき成分も複数あるため、スピロノラクトン内服薬を服用する際には、医師からの注意事項を厳守する必要がある。

また、スピロノラクトンはもともと血圧降下剤(降圧剤)であるため、低血圧の者が服用すると、さらに血圧を下げて危険な状態に陥るリスクがある。

また、心疾患や動脈硬化症、腎障害、肝障害、高カリウム決勝、副腎不全、肝腫瘍を患っている者は、もとより服用の見送りが前提である。

なお、副作用とは異なるが、スピロノラクトンは独特の悪臭を放つ。よって薄毛治療の外用薬として使用する場合には、適切に加工されたものを選ぶことを推奨する。

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