皮膚常在菌

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[最終更新日]2018/06/08
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皮膚常在菌とは

皮膚常在菌とは、皮膚の上で生息している菌(微生物)のことである。人間の皮膚には多くの皮膚常在菌が生息しており、それぞれがバランスを取りながら皮膚の良好な状態の維持に貢献している。しかしながら、何らかの理由によって皮膚常在菌のバランスが崩れると、肌荒れ、炎症、脱毛などの症状に発展するケースがある。誤ったヘアケア習慣などが、皮膚常在菌のバランスを乱す大きな要因である。

皮膚常在菌とは皮膚で生息している菌(微生物)のこと

人間の皮膚上には約200種類、計100万個の皮膚常在菌が生息していると言われている。これら皮膚常在菌の餌は、主に人間が分泌する皮脂や汗である。

菌に対して、あまり良いイメージを持たない人も多いと思われるが、皮膚常在菌は、良好な皮膚の状態を保つための欠かせない菌である。病原性微生物の繁殖を抑えたり、花粉などのアレルゲンから肌を守ったりなど、皮膚常在菌にはいくつもの重要な役割がある。

【主な皮膚常在菌は4種類】

皮膚常在菌には約200種類があると説明したが、それらの中でも代表的なものが以下の4種類である。

表皮ブドウ球菌

皮膚のうるおいを守ったり、外部からの刺激から皮膚を守ったりなど、皮膚にとって非常に重要な役割を持つ菌。美肌菌、などと呼ばれることもある。

アクネ菌

肌を弱酸性にキープするために欠かせない菌。過剰に増殖すると、ニキビの原因にもなる。

黄色ブドウ球菌

肌荒れや炎症を招く恐れのある、皮膚にとって厄介な菌。アトピー性皮膚炎の患者の皮膚に、黄色ブドウ球菌が多く存在していることが知られている。

マラセチア菌

肌荒れや炎症の原因になるなど、皮膚にとっては好ましくない菌。異常繁殖した場合、脂漏性皮膚炎、脂漏性脱毛症粃糠性脱毛症などを誘発することがある。

皮膚常在菌を単体で観察してみると、いわゆる善玉菌も存在すれば、いわゆる悪玉菌も存在する。これら善玉菌や悪玉菌の比率がバランスを崩さずに存在している状態が、皮膚にとって理想である。

皮膚常在菌のバランスが崩れると肌トラブルを起こす

特定の皮膚常在菌が異常に繁殖して全体的なバランスが崩れたとき、皮膚は何らかのトラブルを生じることがある。善玉菌の筆頭とされる表皮ブドウ球菌においても、異常繁殖すると皮膚にトラブルを起こすと言われている。

以下、皮膚常在菌の異常繁殖による肌トラブルの代表的な例を確認する。

【アクネ菌の異常繁殖はニキビの原因となる】

アクネ菌の「アクネ」とは、日本語でニキビという意味である。その名の通りアクネ菌は、ニキビの原因菌として知られる。顔に生じるニキビの大半は、アクネ菌の異常繁殖が原因とされる。

【黄色ブドウ球菌の異常繁殖は肌荒れ・炎症の要因となる】

黄色ブドウ球菌が異常繁殖すると、肌が荒れたり、皮膚に炎症が生じたりする。アトピー性皮膚炎を患う患者の皮膚には、黄色ブドウ球菌が多く存在する。

【マラセチア菌の異常繁殖は脱毛症の要因となる】

マラセチア菌が異常繁殖すると、繁殖部位において炎症が起こる。マラセチア菌による炎症が頭皮に生じた場合、これを脂漏性皮膚炎と言う。脂漏性皮膚炎は脱毛症を招く代表的な症状。あわせて、マラセチア菌の異常繁殖は粃糠性脱毛症も招くとされている。

誤ったヘアケアで頭皮の皮膚常在菌がバランスを崩す

皮膚常在菌のバランスが崩れる理由(特定の菌が異常繁殖する理由)には、いくつかの要因が考えられるが、こと頭皮に限って言えば、ヘアケアの仕方に問題がある場合が多い。

以下、薄毛治療において豊富な症例を持つ水島郷太医師(AGAヘアクリニック院長)の説明を参照し、頭皮の皮膚常在菌のバランスが崩れる理由を解説する。[注1]

【シャンプー不足】

洗髪が習慣化していない人の頭皮には、多くの皮脂が残存している。皮膚常在菌は、この皮脂を餌としているため、皮脂の多い頭皮内で異常繁殖することがある。マラセチア菌に偏って繁殖すると、すでに説明した通り脱毛の遠因にもなりうる。

【シャンプーのし過ぎ】

洗浄力の強いシャンプーで、日に何度も洗髪をした場合、良好な頭皮を維持するための自皮膚常在菌までが洗い流されてしまうことがある。結果、頭皮のバリア機能が低下して炎症等の原因となることがある。

【シャンプー後に髪を乾かさない】

シャンプーの後に髪を乾かさない習慣の人、または時間が経ってから髪を乾かす人の場合、髪や頭皮が濡れている間に菌やカビが異常に繁殖する。これが原因で、ふけや痒みを生じることがある。

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