休止期脱毛

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[記事公開日]2018/03/14
[最終更新日]2018/04/24
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休止期脱毛とは

休止期脱毛とは、ヘアサイクルの休止期において見られる脱毛症の総称である。正常なヘアサイクルの中における休止期脱毛については、外見上、特別に問題は生じない。しかしながら、本来成長期にあるべき毛が、何らかの理由により休止期に移行して発症する休止期脱毛については、外見上、頭髪のボリュームダウン等が明らかとなる。人によっては早急な対処が必要となるであろう。後者における休止期脱毛に対しては、原因を特定して適切な処置を行なうことで、多くの場合は症状が改善する。

ヘアサイクルの休止期の間に発生する脱毛

休止期脱毛の定義には、2種類ある。双方をまとめて言えば、「ヘアサイクルの休止期の間に発生する脱毛」である。双方を分けて言えば、以下となる。

  1. 正常なヘアサイクルの中、休止期に入った毛が正常に抜け落ちること
  2. 本来は成長期にあるべき毛が、ヘアサイクルの乱れによって休止期に移行し、毛が抜け落ちること

毛には、ヘアサイクルと呼ばれる毛の循環がある。成長期、退行期、休止期という三段階を経て、毛は自然に抜け落ちる。毛が抜け落ちた毛穴からは新しい毛が生まれ、改めて成長期、退行期、休止期という循環に入る。この一連の流れのことを、ヘアサイクルと言う。

休止期に入った毛が抜け落ちることは、自然なことである。よって上記「1」は、問題のない脱毛。逆に上記「2」は、問題のある脱毛である。これらを区別して、「1」を「休止期脱毛」、「2」を「休止期脱毛症」と呼ぶことがある。

以下では、「2」の「休止期脱毛症」について解説する。

なお、休止期脱毛の定義には厳格な境界線がない。種類の異なる定義を採用すれば、以下とは大きく異なる説明となること、あらかじめ了承されたい。

正常なヘアサイクルと異常なヘアサイクル

休止期脱毛症を知るにあたり、前提としてヘアサイクルについて理解しておかなければならない。

以下、薄毛治療において豊富な実績を持つ水島豪太医師(AGAヘアクリニック院長)の説明を参考にまとめた。[注1]

【成長期・退行期・休止期】

上述の通り、毛が生れてから抜け落ちるまでの間に、成長期・退行期・休止期という3段階のプロセスを経る。

成長期

毛が生まれ、成長している段階のこと。毛の根元に存在する毛母細胞が活発に分裂し、分裂した細胞が上に押し出されて角化して毛となる。成長期の期間は2~6年である。

退行期

毛の成長が鈍化してくる段階のこと。毛母細胞の分裂が鈍化し、毛の成長スピードが著しくダウンする。退行期の期間は、概ね2週間である。

休止期

毛の成長が完全に停止した段階のこと。毛穴の奥では、次の毛を生むための準備が始まっている。新たに生まれた毛に押し出される格好で、古い毛が抜け落ちる。休止期の期間は、3~4ヶ月程度である。

成長期の期間が短くなることで休止期脱毛が発症する

改めて確認するが、成長期は2~6年、退行期は約2週間、休止期は3~4ヶ月程度が、ヘアサイクルのあるべき姿である。

ところが、何らかの原因によって多くの毛の成長期の期間が短くなり、退行期や休止期の毛の割合が増えてしまうことがある。退行期や休止期の毛が増えれば、それだけ抜け毛の本数も多くなる。この状態が、休止期脱毛症である。

なお、休止期脱毛が急激に進むことを急性休止期脱毛と言い、症状が緩やかに進むことを慢性休止期脱毛と言う。ほとんどの症例は、慢性休止期脱毛に属する。

【休止期脱毛症は女性に多いとされる】

ネット上の多くの説明においては、休止期脱毛は女性に多い症状として紹介されている。パターンとしては、以下の3つである。

びまん性脱毛症

加齢などにより、女性ホルモンの分泌量が低下することで、本来成長期にあるべき毛が休止期へと移行する。女性ホルモンのうち、特にエストロゲンは、健全な毛髪を維持するための重要なホルモンと言われている。

産後脱毛症

出産前に多く分泌される女性ホルモン(特にエストロゲン)が、出産後に急激に減少し、本来成長期にあるべき毛が休止期へと移行する。

急性休止期脱毛症

過度なダイエット、強いストレス、薬の副作用、ワクチン接種、外傷によるショックなどが理由で、本来成長期にあるべき毛が休止期へと移行する。

【厳密には男性のAGAも休止期脱毛に含まれる】

本来成長期にあるべき毛が休止期へと移行することを休止期脱毛とするならば、男性におけるAGAもまた、休止期脱毛に分類されてしかるべきである。また、男女を問わず頭皮の炎症による脱毛も、休止期脱毛に分類されても良い。

独立行政法人国立病院機構東京医療センターの山本康博医師は、AGAや脂漏性皮膚炎(脂漏性脱毛症)を休止期脱毛の一種として分類している。[注2]

休止期脱毛の治療法

びまん性脱毛症、急性休止期脱毛症、AGA、脂漏性皮膚炎、いずれの場合においても、診断によって原因を特定したのち、適切な内服薬・外用薬・施術などで治療をする。

ただし、産後脱毛症については時間とともに症状が改善していくため、特段の処置を施さない場合が多い。症状が著しい場合や、症状が長引く場合、症状を一刻も早く改善させたい場合には、適切な内服薬等で症状の改善を早める。

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