テストステロン

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テストステロンとは

テストステロンとは、体内で分泌されている男性ホルモンの一種。男性らしい骨格形成、筋肉の造成、論理的思考などに影響を与える大切なホルモンである。テストステロンの分泌量が多い男性はAGAを発症しやすいとのイメージがあるが、正確には、テストステロンが変質したDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質がAGA発症に深く関与している。

テストステロンは骨格形成などに関わる重要なホルモン

テストステロンは男性らしい骨格の発達や、筋肉の増大などに関与している重要なホルモンである。ヒトを含む哺乳類のオスにおいては、睾丸から95%、副腎から5%の割合で分泌されている。なお、メスの体内においても、オスの5~10%程度の量ではあるが、テストステロンが分泌されている。

テストステロンは、出生前の胎児の段階から分泌が始まっている。生後、その分泌量は急激に増加。20代に分泌量のピークを迎え、30代ごろから徐々に分泌量が減少していく。70歳に至った時点でのテストステロンの分泌量は、概ね10歳児と同レベルである。

ただし、テストステロンの分泌量の変化には著しい個人差があり、中には70代においても、30代と変わらない分泌量を示す者も少なくない。

なお、男性器の形成に関わる物質は、テストステロンが変質したDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質。このDHTは、AGAの関与物質としても知られている。

テストステロン自体はAGAの原因物質ではない

古くから「男性ホルモンの多い人はハゲやすい」と言われている。ここに言う男性ホルモンとは、テストステロンのことを指している。つまり、テストステロンの分泌量が多い者はAGAを発症しやすい、という理論である。

確かにテストステロンはAGAの遠因として存在してはいるものの、AGAの直接的な原因ではない。よって、たとえテストステロンの分泌量が多くても、AGAを発症しない者もいる。逆にテストステロンの分泌量が少なくても、AGAを発症する者もいる。

AGAの原因物質はDHT(ジヒドロテストステロン)

AGAの直接的な原因物質は、先にも触れた通り、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質である。

DHTは、テストステロンに5αリダクターゼという酵素が働きかけることで生成される物質。このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(レセプター)と結合することにより、ヘアサイクルが乱れてAGAを発症する。

なお、5αリダクターゼの分泌量には個人差がある。個人差が生じる理由は、概ね遺伝である。よって、遺伝によって5αリダクターゼの分泌量が多い者は、たとえテストステロンの分泌量が多くはなくとも、DHTの生成量は多い。逆に、5αリダクターゼの分泌量が少ない者は、たとえテストステロンの分泌量が多くとも、DHTの生成量は少ない。

DHTの量とAGAの発症率は比例しない

DHTが毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体(レセプター)と結合することでAGAを招く、と説明した。この男性ホルモン受容体には、人によって感度の違いがある。感度が良ければDHTとの結合が活発に行なわれ、感度が悪ければDHTと結合しにくくなる。当然、感度の良い男性ホルモン受容体を持つ者ほど、AGAを発症しやすい。

結論として、AGAを招く原因となるものは「5αリダクターゼの量」と「男性ホルモン受容体の感度レベル」となる。

テストステロンに関する様々な研究

テストステロンには様々な働きがある。以下、テストステロンに関する興味深い報告を2例紹介する。

【不安定な興奮を得るとテストステロンが増える】

闘争や浮気など、不安定な興奮を得るときに人はテストステロンを多く分泌させる。

アメリカのある心理学者の研究において、大学生に15分間ほど銃を持たせた。その後、唾液の成分を調査すると、通常の100倍近いテストステロンが検出された。[注1]

【社会的地位を求める心理の背景にテストステロンがある】

スイスとイギリスの研究機関における共同研究グループは、社会的地位を求める心理の背景にテストステロンが働いている、と発表した。

研究では、テストステロンを投与された被験者グループと、その偽薬を投与された被験者グループとに分け、それぞれにおいて、お金の取り分を交渉させる実験が行われた。結果、テストステロンを投与された被験者グループのほうが、正当・公平な申し出をし、かつ断られるリスクを最小限に抑える論理を展開した。[注2]

「筋トレをするとハゲる」は都市伝説

筋トレ後にテストステロンの分泌量が増加することは確認されている。これを根拠に「筋トレをするとハゲる」という俗説が生まれた。

すでに説明したように、テストステロンがAGAの直接的な原因になっている訳ではない。「5αリダクターゼの分泌量」と「男性ホルモン受容体の感度レベル」が、AGA発症の鍵を握っている。よって「筋トレをするとハゲる」は、都市伝説の類である。

ただし、筋トレとAGAが全く無関係とは言い難い部分もある。多くのAGA治療実績を持つ水島豪太医師(AGAヘアクリニック院長)は、次のように語る。

もともとAGAになりにくい体質の方であれば、筋トレによってテストステロンが増加しても、薄毛につながる可能性は低いといえるのです。ただし、すでにAGAを発症している方や、潜在的にAGAのリスクを抱えている方にとっては、症状の進行に影響を及ぼす可能性は完全に否定できません。[注3]

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