自毛植毛

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自毛植毛とは

自毛植毛とは、患者自身の毛髪組織を採取して、薄毛が見られる部分にこれを移植する治療法。美容外科手術の一種である。移植された毛髪組織が生着した場合、当該部位においては毛髪が半永久的に成長を続ける。つまり、薄毛が完治することになる。医療技術の進歩により、手術の安全性も確立された。日本皮膚科学会は、推奨されるべきAGAの治療法の一つとして自毛植毛を挙げている。

自毛植毛とは自分の頭髪を薄毛エリアに移植する外科手術

植物を根から抜いて別の場所へと移植すると、移植先において再び成長がスタートする。自毛植毛は、このイメージに近い。

自毛植毛の理論は、1939年、日本人医師の奥田庄二によって発見された。以後、自毛植毛は普及すると思われたが、意外にもほとんど普及しなかった。理由は、日本人の頭髪の色と頭皮の色とが違い過ぎたからである。仕上がりに違和感を覚える人が多かった、ということである。

代わってこの理論・技術が普及した国が、頭髪と頭皮の色が近い米国。以後は米国を中心に自毛植毛の技術が発展し、やがて逆輸入の形で、改めて日本でも見直されるようになった。

人工植毛と自毛植毛との違い

現在ほど自毛植毛が認知される以前、植毛と言えば人工植毛を指した。ここで、人工植毛と自毛植毛との概念の違いを明確にしておきたい。

【人工植毛】

植毛の材料となる毛は、ナイロンやポリエステル製の人工繊維である。

術後の仕上がりは良好で、かつ移植する毛の本数も自由に設定できる、という点がメリット。一方、異物を頭皮に侵入させることによる拒絶反応が起こる可能性がある、という点がデメリットである。

また、当然ながら植毛した毛は成長しない。そのため、新陳代謝が行なわれない等の理由から、細菌の温床にもなりうる。あるいは、感染症に発展するリスクもある。

日本皮膚科学会が発行する「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)」[注1]では、上記の理由等から、人工植毛は「推奨されない治療法」と評価されている。

【自毛植毛】

植毛の材料となる毛は、患者自らの頭髪である。

後頭部などの毛髪組織を、そのまま薄毛の部分へと移植する。移植される毛髪組織は自らのものなので、拒絶反応はほとんど起こらない。植毛した毛の本数にもよるが、費用を惜しまないならば良好な仕上がりを得られるであろう。人工植毛とは異なり、毛髪組織が生着した場合には、毛が半永久的に生え続ける点も大きな特徴。

ただし後頭部や側頭部に、自分の毛が十分に残存していることが移植の大前提となる。残された毛が少ない患者に関しては、自毛植毛は推奨されない。

自毛植毛のメリット・デメリット

改めて自毛植毛に焦点を絞り、ここではそのメリット・デメリットについて確認する。以下は、AGAヘアクリニック院長である水島豪太医師の説明を参照した。[注2]

【自毛植毛のメリット】

薄毛の悩みが100%解消する

移植元に十分な毛髪組織が残存している場合、自毛植毛を受けることで薄毛の悩みは100%解消する(改善の程度に個人差はある)。

現在の医療機関で行なわれているAGA治療には様々な方法があるが、いずれの方法も、薄毛の悩みが100%解消するというわけではない。体質などの個人差も、治療効果には大きく影響してくる。薄毛の悩みが100%解消する点において、自毛植毛の優位性は高い。

拒絶反応が起こりにくい

すでに説明した通り、人工植毛とは異なり自毛植毛においては、毛の移植先における拒絶反応は起こりにくい。そのため、術後の頭皮トラブルや健康上のリスクが極めて低い。

毛根が失われた部位にも移植が可能

AGAのみならず、外傷などで毛髪組織が失われた部分に対しても自毛植毛が有効である。ただし、すべての症例において適用可能なわけではない。

日本皮膚科学会が推奨する信頼ある治療法

前述した「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)」(日本皮膚科学会)によると、自毛植毛の治療の推奨ランクはB。上から2番目の高さである。学会が推奨する治療法の一つと考えて良い。

【自毛植毛のデメリット】

植毛していない部位でAGAが進行する

自毛植毛を受けた部位においては、頭髪は半永久的に成長し続ける。その一方で、自毛植毛を受けていない部位においては、AGAは引き続き進行する。

生え際の後退が気になり自毛植毛を受けた場合、生え際においては黒々と髪が生え続け、それ以外の部位においては薄毛が進行するなど、奇特な外観になる恐れがある。

すべての毛髪組織が生着するわけではない

植物であれば、移植後のケアをしっかり行なうことで、ほぼ100%の生着率を得られる。しかし自毛植毛の生着率は、100%ではない。

昨今の医療技術の進歩により、自毛植毛の生着率は非常に高くなっていることは事実だが、100%を望む患者に応えることは難しい。

費用が高額である

現状、厚生労働省では、自毛植毛を保険適用の治療とみなしていない。よって、治療に要する費用は全額患者の負担となる。

クリニックによって自毛植毛の料金は異なるものの、相場としては、髪の毛1,000本で40~80万円ほど。薄毛の進行が著しい患者においては、3,000本、4,000本といった移植が必要になる可能性があることを考えると、自毛植毛は極めて高額なコストがかかる治療法である。

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