トリコチロマニア

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[記事公開日]2018/03/07
[最終更新日]2018/06/13
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トリコチロマニアとは

トリコチロマニアとは、自分で自分の頭髪や眉毛、まつ毛などを抜く癖のことである。単発的に毛を抜く行為をトリコチロマニアとは言わず、あくまでも癖として常習的に毛を抜く行為のことをトリコチロマニアと言う。症状が進行すると、やがて頭髪や眉毛などが薄くなる。原因の大半は、精神的なストレスである。抜毛によって毛母細胞が傷つくことはほとんどないので、抜毛癖がなくなれば自然に髪の毛は復活する。

トリコチロマニアとは自分で自分の毛を抜く行為

トリコチロマニアでは自覚があって髪の毛を抜いている患者もいれば、自覚なくして髪の毛を抜いている患者もいる。癖が長期的に継続すると、部分的、または全体的に頭髪が薄くなる。

主に子供や女性に多く見られる症状である。

鳥取県医師会公式ホームページでは、トリコチロマニアについて次のように説明している。

トリコチロマニアは10歳前後の児童に多く、何らかの精神的衝動から自分で自分の毛髪を引き抜く病気です。頭髪だけでなくまゆ毛やまつげも引き抜くことがあります。毛の薄い所をよく観察すると、長さの異なる切れた毛が認められます。[注1]

同医師会によると、抜毛している本人に抜毛行為について質しても、これを認めることはほとんどないという。人前で抜毛をすることもほとんどないため、本人が頭髪が薄くなってきた理由について、周囲は首をかしげる。

重症になると、抜毛した自らの毛を食す行為が合併する場合がある。あるいは、自らの爪を噛んで食してしまう例も見られる。

なお多くの場合、トリコチロマニアによって抜毛した部位では、毛母細胞が残存している。よって抜毛癖が消滅すれば、自然に髪の毛は復活する。

原因の多くはストレス

抜毛という行為には少なからず痛みを伴う。痛みという代償を払ってでも抜毛したいという背景には、何らかのストレスが存在すると考えることが妥当である。

子供におけるトリコチロマニアは、多くの場合、家族との間に生じる欲求不満、または学校における対人関係が原因で精神的ストレスを抱えた結果、発症する。

大人に成長してもトリコチロマニアが解消しない場合には、原因の一つとして精神疾患も疑われる。

なお、トリコチロマニアを発症する患者の多くは、大人しく内向的な性格であるとされる。[注2] 喜怒哀楽を正直に表現することができず、ストレスを内に溜め込んでしまうタイプである。

性格診断や心理検査で診断する

医療機関におけるトリコチロマニアの診断方法は、性格診断や心理検査である。

難治性の場合は、精神神経内科での受診も検討される。逆に軽症の場合は、抜毛行為を医師に指摘されるだけで完治することもある。

ストレスの原因を究明してから治療にあたる

治療にあたっては、第一に、いずれの場で生じたストレスなのかを明らかにする必要がある。第二に、その場で、どのような理由があってストレスを抱えるに至ったのかを知る。第三に、そのストレスを解消する方法を模索し、実践する。

薬物療法や行動療法が必要となるため、必然的に、専門家の力を借りて治療せざるを得ない。一般に脱毛を治療する診療科は皮膚科や美容外科であるが、トリコチロマニアの場合には、心療内科や精神科が専門的な相談窓口となる。

治療と併せて、癖を解消する日常環境に身を置くことも有効である。女性のトリコチロマニアに詳しい東京ビューティークリニックでは、トリコチロマニアを解消する方法として、公式ホームページの中で次のような方法を提案している。

鏡をおいた部屋で就寝するとトリコチロマニア対策になります。[注3]

鏡があることによって視線を感じたり、鏡に映る自分の髪を抜く姿が視界に入ることで、自然に中断するようになるのです。[注4]

同クリニックの観察によると、転勤や転居などの生活環境の変化でトリコチマニアが治ることもあるそうである。

トリコチロマニアは癖の一種である。しかしながら単なる癖とは異なり、病的なレベルまで発展した癖である。本人がこれを自覚し、本人の意志でこれをやめようと試みても、多くの場合は失敗に終わるであろう。トリコチロマニアは一朝一夕で完治する症状ではないことを周囲は自覚し、焦らず気長に治療経過を見守るべきである。

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