血管内皮成長因子

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[最終更新日]2018/04/06
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血管内皮成長因子とは

血管内皮成長因子(けっかんないひぞうしょくいんし)とは、血管細胞の増殖を促す薬剤のことである。VEGFとも言う。注射器などを使用して血管内皮成長因子を頭皮内に注入することで、毛乳頭付近の血管が増殖。血管が増えれば運ばれる血液も増量するため、発毛・育毛に必要な栄養素や酸素が多く取り込まれるようになる。この理論を背景にした薄毛治療法が、育毛メソセラピーである。育毛メソセラピーでは、血管内皮成長因子の他にも、様々な成長因子が使用されている。

血管内皮成長因子は血管の新生を促すタンパク質の一種

血管内皮成長因子は血管の新生を促すタンパク質の一種。英語の vascular endothelial growth factor から VEGF(ブイイージーエフ)とも言われる。

いや、これだけでは意味が不明であろう。血管内皮成長因子を理解する前提として、まずは成長因子とは何かを知る必要がある。

【成長因子とは】

成長因子とは、細胞分裂を促進させるタンパク質の総称である。グロースファクターとも言う。成長因子を目的の部位に注入することにより、目的の細胞が効率良く分裂をし増殖する。成長因子の理論を応用した医療を、広い意味において再生医療の一つと考えることもできる(厳密な意味での再生医療とは異なる)。

【改めて血管内皮成長因子とは】

改めて、血管内皮成長因子とは「血管細胞を増殖させ、新しい血管の造成を促す成長因子」ということである。

ところで、毛髪の成長には様々な細胞が関係している。これら細胞を、成長因子によって効率的に増殖させれば、抜け毛・薄毛の改善につながる。

この様々な細胞の中の一つに、血管細胞がある。血管細胞を効率的に増殖させ血管の数を増やせば、頭皮内の血液の量が増えて毛乳頭に栄養素が運ばれやすくなる。結果として育毛効果につながる。

育毛治療の現場で使われている様々な成長因子

血管内皮成長因子は、育毛治療の現場で広く使用されている。具体的には、育毛メソセラピーと総称される施術において使われる。

【育毛メソセラピーとは】

育毛メソセラピーとは、育毛に有効な成分を配合した薬剤を頭皮に直接注入する治療法のこと。薬剤には、ミノキシジルやフィナステリドなどの有名な発毛促進成分、コエンザイムQ10、ヒアルロン酸、銅ペプチド、ビタミン、ミネラルなどの他に、血管内皮成長因子を含む各種の成長因子が配合されることが多い。

【育毛メソセラピー薬剤に配合される主な成長因子】

育毛メソセラピー薬剤に配合される成分については、特段の決まりがある訳ではない。各クリニックで良かれと思うものを配合しているだけである。ただし当然ながら、良かれと思う成分は多くのクリニックで共通する。配合する成長因子の種類についても、多くのクリニックで共通している。

以下、「AGAスキンクリニック」の育毛メソセラピー薬剤に配合されている成長因子である。[注1]

  • IGF-1(インスリン様成長因子)…毛髪の元となる毛母細胞の分裂を促す成長因子
  • bfGF(線維芽細胞増殖因子)…血管の細胞分裂や、血管の新生を促す成長因子
  • VEGF(血管内皮増殖因子)…血管の細胞分裂や、血管の新生を促す成長因子

また、「名古屋中央クリニック」の公式サイトでは、加えて以下のような成長因子も紹介している。[注2]

  • KGF(ケラチン細胞増殖因子)…毛髪の原料であるケラチンの増殖を促す成長因子
  • HGF-1(肝細胞増殖因子)…休止期の毛包を成長期へと促す成長因子

血管内皮成長因子という用語は、確かに薄毛治療の現場でも登場するものであるが、多くの場合、ガン治療の現場において登場するものである。薄毛治療の現場とな異なり、がん治療の現場においては、この血管内皮成長因子は悪役となる。

ガン腫瘍は、自ら血管内皮成長因子を生産する能力を持つ。そのため腫瘍内に血管が新生し、血液が多く取り込まれる。増量した血液によって運ばれる栄養素や酸素を糧にして、腫瘍が悪化したり、ガン細胞が転移したりする。

現在、ガン治療の現場では、いかにして腫瘍内の血管内皮成長因子の働きを阻害するかが課題となっている。代表的な阻害薬として「アバスチン」があるが、まだまだ新たな薬の開発が望まれている。

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