血管内皮細胞増殖因子(VEGF)

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[記事公開日]2018/06/18
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血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とは

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とは、血管の新生を促すタンパク質の一種である。人の体は、いかなる部位においても、基本的には血液によって運ばれて来る栄養素・酸素を取り入れることで成長する。逆に言えば、血管が存在しないところにおいて、成長はない。成長が必要でありながら血管が存在しない場合、新たな血管を作る要因となるのが血管内皮細胞増殖因子(VEGF)である。

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は人体の成長に貢献する物質

人の体は成長をする。生まれてからももちろんであるが、生まれる前から母体の中で成長をしている。成長の背景には、当然だが栄養素や酸素が必要である。
栄養素や酸素は、血液によって運ばれる。血液は、血管を通り道として全身を巡る。血管の存在しない部位においては、栄養素や酸素が運ばれず、成長が促されない。成長が必要でありながら血管の存在しない部位においては、更なる成長のため、新たな血管を作り出す必要がある。この際に働く物質の一つが、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)である。

ところで、毛髪は人体の一部である。その成長においては、他の部位と同様に、栄養素や酸素が必要である。頭皮に血管が不足している場合、毛髪の成長に必要とされる十分な栄養素・酸素が行き届かず、毛髪の成長が妨げられる。結果、抜け毛や薄毛の発症へと至る。よって薄毛の治療においては、血管新生による血流の促進が非常に有効となる。すなわち、薄毛治療においては、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の存在意義が極めて大きい。

なお、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の名が有名となった一つのきっかけは、癌治療においてである。
癌細胞が成長(増殖)する上でも、やはり他の部位と同じように、栄養素や酸素を必要とする。よって自らの細胞分裂のために、癌細胞は腫瘍内に血管を新生させる。この際、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が働いている。
つまり血管内皮細胞増殖因子(VEGF)とは、薄毛治療には有効な物質である一方、癌治療においては排除すべき敵である。

育毛メソセラピーやHARG療法に利用される物質

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を利用した代表的な薄毛治療法に、育毛メソセラピーやHARG療法がある。いずれも、毛髪の成長を促す各種の成分を、専用機器によって頭皮に直接注入する治療法である。

育毛メソセラピーやHARG療法において使用される薬剤の中には、ビタミンやミネラルなどの様々な成分が配合されているが、それら配合成分の中にグロースファクター(成長因子)と呼ばれるものが含まれる。通常、複数種類のグロースファクターが薬剤の中に配合されているが、それらのうちの一つとして血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が配合されている。

注入系薄毛治療において利用されているグロースファクターの種類

育毛メソセラピーなどの注入系薄毛治療において利用されているグロースファクターは、主に以下の通りである。薄毛治療の実績が豊富な名古屋中央クリニックの公式サイトを参考にまとめた[注1]

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)

血管が存在しない場所において、新たに血管を生ましめるよう働く物質である。

インスリン様成長因子(IGF)

毛包の内部において毛母細胞の細胞分裂を活性化させ、発毛・育毛を促進させる物質である。

線維芽細胞増殖因子(bFGF)

細胞の増殖をコントロールする物質である。VEGFと同様、特に血管細胞の増殖に強く寄与する。

ケラチン細胞増殖因子(KGF)

毛髪の材料となるケラチンの増殖を促す物質である。毛包内に十分な量のケラチンを供給する役割を持つ。

肝細胞増殖因子(HGF-1)

休止期にある毛包を成長期へと誘導する物質である。

以上のような複数のグロースファクターを連動的に作用させ、効率的な発毛・育毛をサポートする治療法が、育毛メソセラピーやHARG療法である。

効果が高い分だけ治療費も高い

育毛メソセラピーやHARG療法などの血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を利用した薄毛治療は、極めて高い成功率を誇る。中には、発毛実感率99%をあげている医療機関もあるほどである。内服薬や外用薬の使用で効果を実感できなかった薄毛患者においては、非常に興味深い治療法となるであろう。

ただし、治療効果が高い分、治療費も高額となることを了解しておかなければならない。
治療費の安さで知られる湘南美容外科においても、育毛メソセラピーの料金は、12回の施術で380,000円である[注2]。他院においては、その倍以上の料金となる例も少なくない。ちなみにHARG療法は、1クール192万円程度である[注3]

なお、育毛メソセラピーにおいて発毛に成功した場合であっても、その毛髪状態を維持していくために、通常は継続的な薬の服用が必要となる。
HARG療法の場合は発毛効果が半永久的に続くとされているが、同治療法を開発したドクターによれば、やはり治療後の継続的な薬の服用が理想的との見解である。

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