ジンクピリチオン

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[最終更新日]2018/04/24
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ジンクピリチオンとは

ジンクピリチオンとは、抗菌効果・防腐効果を持つ化学物質の一つである。薬用シャンプーなどに配合されている。また脂漏性皮膚炎の治療薬として、皮膚科でジンクピリチオン入りのシャンプーが処方されることもある。脂漏性皮膚炎が悪化すると、脂漏性脱毛症を招くことがあるので、その意味においては脱毛改善効果があると言えよう。ただしAGA(男性型脱毛症)は原因の異なる脱毛症状のため、ジンクピリチオンの作用で治ることはない。

ジンクピリチオンとは

ジンクピリチオンはシャンプーや化粧品などに配合されている化学成分の一つ。抗菌目的、防腐目的などで配合される。抗菌効果によってフケを抑制する効果も期待できることから、特にシャンプーに配合される例が多いとされる。

花王が販売している代表的なシャンプー「メリット」には、かつてジンクピリチオンが配合されていた。しかしながら2006年に「メリット」の配合成分が変更され、以後、「メリット」にはジンクピリチオンが配合されていない。

また、2007年にP&Gから発売されたシャンプー「h&s for men」には、ジンクピリチオンが配合されていると言われるが、商品の公式サイトにおいて配合成分の明示はない。

他にも、ジンクピリチオンを配合しているシャンプーが多くあると噂されているが、噂の真相は定かではない。

ジンクピリチオンの特徴と育毛効果

ジンクピリチオンの最大の特徴は、比較的低濃度でも強い抗菌・殺菌効果を発揮するという点である。それ以外に特筆すべき特徴は、ないと言えばない。独特の硫黄のような臭いがする、といった程度であろうか。

【脂漏性脱毛症を改善する効果は期待できる】

頭皮には多くの種類の常在菌が生息している。これら常在菌は、常に全体でバランスを取りながら頭皮の健康維持に貢献している。

しかしながら、一部の常在菌(マラセチア真菌)などが異常繁殖して常在菌のバランスが崩れると、頭皮環境が悪化して脱毛を招くこともある。よって、頭皮の健康維持のためには、ある程度の殺菌・抗菌対策を行なったほうが良いとされる。

実際、マラセチア真菌の異常繁殖による脂漏性皮膚炎の治療薬として、皮膚科からジンクピリチオン配合のシャンプーが処方されることがある[注1]。脂漏性皮膚炎が悪化すると、脂漏性脱毛症と呼ばれる症状が発症することもあるため、その意味に限定すれば、ジンクピリチオンには脱毛症改善効果がある、とも言える。

【頭皮の常在菌を過剰に殺菌・抗菌する必要はない】

ただし頭皮に存在する常在菌は、全体のバランスが崩れていない限り、決して悪者ではない。脂漏性皮膚炎等の治療目的ならばいざ知らず、抜け毛を予防するためとして、ジンクピリチオンを使用して過剰に頭皮を殺菌・抗菌することは、むしろ頭皮環境の悪化につながりかねないので注意が必要である。もちろん、同じことはジンクピリチオン以外の殺菌・抗菌作用を持つ成分にも当てはまる。

【ジンクピリチオンでAGAは治らない】

AGAの原因は、毛乳頭細胞に誕生したDHT(ジヒドロテストステロン)という物質が原因で発症する。頭皮の常在菌等は、AGAの直接的な原因とならない。よって、ジンクピリチオンを配合したシャンプーを使用したとしても、AGAが根本的に治る訳ではない。

ジンクピリチオンは環境ホルモンか?

抗菌作用や防腐作用に限定した場合、ジンクピリチオンは人間にとって有益な成分である。脂漏性皮膚炎の治療においても、非常に有効な成分である。

副作用のリスクを誇張する声がネット上に多く存在するが、医療機関で処方されるシャンプーや、市販されている薬用シャンプーに関しては、ジンクピリチオンの副作用を心配する必要はないであろう。

一方で、1999年、国立環境研究所がジンクピリチオンを「環境ホルモンの疑いあり」と報告したことは認識しておくべきであろう。

環境ホルモンとは、人間の体外(=環境)に存在する、ホルモンのような作用をする物質のことを言う。

人間の体は、体内で分泌されている50種類以上のホルモンによって、代謝や神経伝達、分化などのサポートが行なわれている。これらホルモンと似たような作用を持つ環境上の物質、または、これらホルモンの作用を阻害する環境上の物質のことを、総称して環境ホルモンと言う。

広義においては、人体に良い影響をもたらす環境ホルモンもあるが(大豆に含まれるイソフラボンなど)、2003年の政府見解においては、人体に悪影響をもたらすものに限定して環境ホルモンとしている。

ジンクピリチオンをラットに経口投与した場合、200mg/kgにてラットの半数が死ぬ。これがジンクピリチオンの環境ホルモンとしての作用かどうかについては、当記事の執筆段階で確認できていない。

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