ミノキシジルには心臓への副作用があるの?

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[記事公開日]2018/04/20
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ミノキシジルが心臓に及ぼす副作用について

心臓の痛み

薄毛治療薬「リアップ」の主成分であるミノキシジルには、確率は低いながらも、心臓に副作用をもたらすリスクがあります。ここでは、ミノキシジルと心臓への副作用との関係について、客観的な情報のみをもとに紹介します。

ミノキシジル外用薬は心臓への副作用のリスクがある

AGA治療薬として厚労省から認可を受けているミノキシジル外用薬(商品名「リアップ」)を頭皮に塗ると、心臓への副作用が生じるリスクがあります。

ただし、どの程度のリスクなのか、またどの程度の症状なのかについて、詳細は確認されていません。

以下、「リアップX5」(大正製薬)の添付文書から抜粋しました。[注1]

次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談してください。(中略)心臓又は腎臓に障害のある人。本剤は心臓や腎臓に影響を及ぼす可能性が考えられます。

使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに使用を中止し、この説明書を持って医師又は薬剤師に相談してください。(中略)胸の痛み、心拍が速くなる

これら記載から分かる通り、リアップ、つまりミノキシジル外用薬には、心臓に何らかの影響を及ぼす可能性はあります。

ただし、これらのリスクは、発売元の大正製薬が臨床試験を経て確認したものではありません。海外において上記の指摘があるために念のため記載した、という経緯と思われます。

ミノキシジル内服薬はさらに高い副作用のリスクがある

現在、AGA外用薬の主成分として使用されているミノキシジルですが、同じミノキシジルを主成分とした内服薬があります。アメリカのアップジョン社が開発した「ロニテン」という降圧剤(血圧を下げるための内服薬)です。

「ロニテン」は現在でも降圧剤として販売されていますが、広くは利用されていません。服用中の患者に動悸や狭心症などの副作用が見られた、との報告が多くあったためです。ミノキシジル外用薬に比べても、内服薬のほうが心臓への副作用が強いと考えられます。

なお「ロニテン」には、心臓への副作用とは別に、多毛化(毛が増える)という副作用も見られます。「ロニテン」が持つこの多毛化の副作用を利用し、一部の日本人の間では個人輸入で「ロニテン」を入手する人もいるようです。

「ロニテン」は厚生労働省が国内での販売を認可していない薬。強い副作用の恐れがあるので、くれぐれも個人輸入で入手をしないようにしましょう。

ミノキシジル外用薬のリスク関する厚生省(現・厚生労働省)の見解

1999年11月、厚生省(現・厚生労働省)はリアップに関して「ミノキシジルと動悸・胸痛等について」という報道発表を行なっています。以下、当時の報道内容から抜粋しました。

海外での使用成績調査において、動悸、胸痛の発現が報告されていたことから「使用上の注意」に記載し注意喚起を行ってきたところであるが、発売後国内においても、本剤使用後に動悸、胸痛を経験したとする報告があるため、消費者への注意を一層喚起することとした。[注2]

ミノキシジル内服薬における心臓への副作用のリスクは明らかであるものの、ミノキシジル外用薬における心臓への副作用のリスクを厚生省が明示した点は、少々気になります。

この報道に対し、同日、大正製薬は次のようにコメントしています。一部抜粋します。

今回の発表は、(中略)、安全性確保の観点から、薬局・薬店での販売時に、『使用中あるいは使用後に好ましくない症状が現れた場合には、直ちに使用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること』を周知・徹底することを主眼としてあらためて発表されたということです。[注3]

大正製薬が以前から添付文書で注意喚起をしていたことについて、厚生省が再度周知徹底を図るために報道発表した、という趣旨です。

「リアップ」の使用による死亡報道について

2003年9月26日、ある報道機関から「リアップの副作用によって3名の死亡者が出た」との趣旨をにおわせる記事がリリースされました。

この点について、薬剤と死亡との因果関係は確認されていません。また、この報道に対して厚生省は「副作用の可能性は低い」との見解を正式に発表しています。

報道が出た時点におけるリアップの使用者は約100万人。同じ100万人が、仮にリアップを使用していなかったとしても、統計学的には死亡者が出ているでしょう。「リアップの副作用による死亡」とするには、極めて無理のある報道と考えられます。[注4]

もう一度復習!ミノキシジルには心臓への副作用があるの?

  1. ミノキシジル外用薬は心臓への副作用のリスクがある

    ミノキシジル外用薬「リアップ」には、心臓に何らかの副作用をもたらすリスクがあります。国内の臨床試験で確認された訳ではありませんが、海外での副作用の報告は確認されています。

  2. ミノキシジル内服薬はさらに高い副作用のリスクがある

    ミノキシジル内服薬「ロニテン」には、外用薬以上に心臓への副作用をもたらすリスクがあります。狭心症や動悸等の報告が多く上がっています。

  3. ミノキシジル外用薬のリスク関する厚生省(現・厚生労働省)の見解

    1999年、厚生省はミノキシジル外用薬における心臓へのリスクについて注意喚起を行いました。以前より行われていた注意事項の周知徹底が趣旨と思われます。

  4. 「リアップ」の使用による死亡報道について

    2003年、「リアップ」の副作用が原因と疑われる死亡例について、あるマスコミから報道がなされましたが、「リアップ」と死亡との因果関係については、当時の厚生省が正式に否定しています。

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