ミノキシジルを使うと頭髪以外の体毛も濃くなるの?

TOP » 治療薬 » ミノキシジルを使うと頭髪以外の体毛も濃くなるの?
[記事公開日]2018/04/20
176 views

ミノキシジルと体毛の関係

体毛

結論から言うと、ミノキシジルには、頭髪だけではなく体中の毛も濃くする作用があります。

ただし、その作用はミノキシジルを飲んだ場合の話。頭皮にミノキシジルを塗るだけで胸毛やスネ毛が濃くなることは、まずありません。

以下、ミノキシジルと体毛の関係を詳しく解説します。

ミノキシジル内服薬「ロニテン」の副作用として多毛化がある

ミノキシジルは現在、主に二つの薬効成分として利用されています。一つ目が、外用薬(塗り薬)としての薄毛改善、二つめが、内服薬(飲み薬)としての血圧降下です。

薄毛改善を目的として作られた代表的な外用薬が、国内でも広く販売されている「リアップ」。血圧降下を目的として作られた代表的な内服薬が「ロニテン」です。

「ロニテン」を発売しているファイザー社の説明文書に、次のような記載がありました。

About 8 out of every 10 patients who have taken LONITEN noticed that fine body hair grew darker or longer on certain parts of the body.[注1]

(ロニテンを内服した10人の患者のうち8名において、体の特定部分で細かい毛が濃くなったり、あるいは長くなったりしていることを確認した。)

ミノキシジルを主成分とする「ロニテン」を服用すると、確かに体毛が濃くなるようです。

「ロニテン」を飲んでも体毛にあまり変化がない人もいる

血圧降下剤「ロニテン」の副作用のリスクの一つとして、多毛化があることは確かです。しかしながら、どんな薬においても、副作用が強く現れる人と、あまり強く現れない人がいます。

もちろん「ロニテン」も、その例外ではありません。体毛が著しく濃くなる人もいれば、気がつかない程度にしか濃くならない人もいるでしょう。「ロニテン」の服用による多毛化については個人差がある、ということです。

なお「ロニテン」の副作用としての多毛化は、主に腕や足、胸、指などに見られることが多いとのこと。いずれの部位も、もとから毛が若干濃い部分でもあります。

多毛化の副作用を転用した薬が薄毛治療薬

「ロニテン」に代表されるように、ミノキシジルは、もともと血圧降下剤として利用されてきた成分。しかしながら、服用している多くの患者において、多毛化という副作用が見られました。

この副作用を薄毛治療に転用できないか、と考えたのがアップジョン社(現・ファイザー社)。以後、各種の臨床試験を重ね、1980年代、ついにアップジョン社はミノキシジルを主成分とした薄毛治療薬を開発。「ロゲイン」という名で販売を開始しました。

なお、アップジョン社では、「ロゲイン」の開発当初からミノキシジル内服薬に心臓などへの副作用があることを確認していました。そのため利用者の安全性を考慮し、「ロゲイン」は内服薬ではなく外用薬として開発されました。

アップジョン社と同じ理論に基づき、1999年、日本でも大正製薬が薄毛治療薬「リアップ」を発売しています。

「ロゲイン」にも「リアップ」にも多毛化の心配はほとんどない

名前がややこしいので、一度整理しましょう。

  • ミノキシジル内服薬(飲み薬)「ロニテン」
  • ミノキシジル外用薬(塗り薬)「ロゲイン」または「リアップ」

「ロニテン」を飲むと、ミノキシジルは食道・胃を通過して、腸から体内へと吸収されます。

その後、ミノキシジルは肝臓に至り、一部は分解されて薬効を失いますが、一部は分解されずに血液に乗って全身を循環。つまり、ミノキシジルを飲むと薬効や副作用が全身に及ぶ、ということです。

一方、「ロゲイン」や「リアップ」を頭皮に塗った場合、ミノキシジルの一部は経皮吸収(皮膚を通過して成分が浸透すること)されます。

経皮吸収されたミノキシジルの薬効は、内服とは違って限定的。シップを貼っても、貼った部分にしか作用が及ばないことからも分かる通り、経皮吸収の作用は、ほぼ局所的なのです。

よって、経皮吸収されたミノキシジルが全身を循環するということは、通常、ありません。

「ロニテン」を飲むと体毛が濃くなる恐れがありますが、「ロゲイン」や「リアップ」を頭に塗っても体毛が濃くなる恐れはほとんどない、ということです。

もう一度復習!ミノキシジルを使うと頭髪以外の体毛も濃くなるの?

  1. ミノキシジル内服薬「ロニテン」の副作用として多毛化がある

    ファイザー社の研究によると、ミノキシジルを飲んだ場合、体毛が濃くなる副作用があることが確認されています。

  2. 「ロニテン」を飲んでも体毛にあまり変化がない人もいる

    どんな薬でも、その副作用が強く現れる人と、あまり現れない人がいます。ミノキシジルを飲んだ場合でも、多毛化の副作用の程度には個人差があります。

  3. 多毛化の副作用を転用した薬が薄毛治療薬

    ミノキシジルは、もともと血圧降下剤として利用されていた成分。その副作用として多毛化が見られたことから、薄毛治療薬に転用されたという経緯があります。

  4. 「ロゲイン」にも「リアップ」にも多毛化の心配はほとんどない

    ミノキシジルを飲むと全身の体毛が濃くなる恐れがありますが、ミノキシジルを皮膚に塗っただけで全身の体毛が濃くなることは、通常、ありません。

関連記事