プロペシアが子作りに与える影響

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化学記号

プロペシアが子作りに与える影響

プロペシアは男性型脱毛症に効果的な薄毛治療薬です。利用を検討している方の中には、子作りに与える影響を心配する方がいるようです。プロペシアは子作りにどのような影響を与えるのでしょうか。また、子作り中はプロペシアを服用しないほうが良いのでしょうか。プロペシアが子作りに与える影響を解説します。

薄毛治療薬・プロペシアとは

プロペシアは、男性型脱毛症の治療に用いられている内服薬です。有効成分・フィナステリドを含みます。最近では、フィナステリドを含むプロペシアのジェネリック医薬品も薄毛治療薬として用いられています。プロペシアは、どのような働きで薄毛を治療すると考えられているのでしょうか。

男性型脱毛症の原因とプロペシアの働き

多くの男性を悩ます薄毛の原因が男性型脱毛症です。思春期を過ぎた男性で、生え際が後退する、頭頂部が薄くなる等の症状を引き起こします。症状が進行していくと頭皮が完全に露出してしまいます。

男性型脱毛症の主な原因は、男性ホルモンのテストステロンが毛乳頭細胞に取り込まれて5α還元酵素Ⅱ型の働きでジヒドロテストステロンという活性の強い男性ホルモンに変換されることです。ジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞内のアンドロゲンレセプターと結びつくことで、ヘアサイクルが乱れて薄毛になってしまいます。具体的には、通常は2~7年といわれるヘアサイクルの成長期が数カ月~1年程度まで短縮されるため、髪の毛が育てなくなり薄毛になります。

プロペシア(フィナステリド)は、5α還元酵素Ⅱ型を選択的に抑制することでテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を阻害します。この働きにより抜け毛を予防して発毛を促すと考えられています。

プロペシアが子作りに与える影響

プロペシアは、薄毛治療に欠かせない内服薬です。ただし、妊娠している女性、妊娠している可能性のある女性は服用できません。コーディングされていない場合、経皮吸収の程度が分からないため触れることも勧められません。ジヒドロテストステロン低下作用により、男子胎児の性器などの発育に影響を及ぼす可能性があるからです。このような影響が懸念されるため、子作りを計画している男性もプロペシアを服用しない方が良いといわれることが多いようです。男性の服用も子作りに影響を与えるのでしょうか。

参考:『5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎プロペシア錠0.2㎎プロペシア錠1㎎』MSD

フィナステリドが精液中に移行する可能性

妊娠中の女性がプロペシアの有効成分・フィナステリドに触れると、男子胎児の性器に奇形が生じる可能性があります。ここで気になるのが、プロペシアの服用によりフィナステリドが精液中に移行する可能性です。

プロペシアを販売しているMSDによると、フィナステリドは精液中に移行する可能性があると考えられています。ただし、その移行量は極めて微量とされています。(※男性型脱毛症患者にフィナステリド 1 mgを 1 日 1 回 6 週間経口投与した時の精液中への移行量は投与量の0.00076%以下)。微量であれば子作りに影響を与えないのでしょうか。

参考:『5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎プロペシア錠0.2㎎プロペシア錠1㎎』MSD

子作りに影響を与えないと考えられている

現時点では、男性がプロペシアを服用することで男子胎児の性器に奇形が生じるといったデータはありません。

アカゲザルの妊娠20日から100日までフィナステリド120ng/kg/dayを毎日静脈内投与した場合でも雌雄胎児に異常所見は認められなかった(アカゲザルへの投与量は、フィナステリド 1 mgが投与された患者の 1 回の射精を介して女性が曝露される可能性のあるフィナステリド量の少なくとも750倍に相当する)

出典:『5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬◎男性型脱毛症用薬◎プロペシア錠0.2㎎プロペシア錠1㎎』 MSD

http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00051088.pdf

とするデータはあります。フィナステリドは精液中に移行しますが、その量が微量であることとアカゲザルを用いた実験の結果から心配しすぎる必要はないと考えられます。

子作りに影響を与える可能性があるプロペシアの副作用

フィナステリドは、精液中に移行しても胎児の健康に影響を与える可能性は低いと考えられています。ただし、プロペシアには、子作りに影響を与える可能性のある副作用があります。具体的に、どのような副作用が指摘されているのでしょうか。

性機能障害

子作りを予定している方が気を付けたいプロペシアの副作用が性機能障害です。1%~5%未満の頻度で性欲減退(1.1%)、1%未満の頻度で勃起機能不全(0.7%)、射精障害、精液量減少が現れると考えられています。また、頻度不明の生殖器に関わる副作用として、睾丸痛、男性不妊症、精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常など)も指摘されています。性機能障害が起こる原因は、フィナステリドが5α還元酵素Ⅱ型を抑制するためと考えられています。5α還元酵素は性機能に関連する働きも担っています。

子作りを計画している方にとっては重大な副作用ですが、いずれも発生頻度は高くありません。性機能障害が起こる人の割合は100人中1人程度といわれています。フィナステリドとプラセボを使用した臨床試験結果はほぼ同じなので、基本的には安全性の高い薄毛治療薬と考えられています。気にすると心因性の勃起機能不全を起こす可能性があるので、意識しすぎなほうが良いかもしれません。

参考:『プロペシア有効成分「フィナステリド」の効果と副作用』湘南美容クリニック薄毛治療情報サイト

肝機能障害にも注意

子作りに直接的な影響は与えないものの気を付けたい副作用もあります。プロペシアの服用により稀に肝機能障害を起こすことがあります(発生頻度不明)。異常が認められた場合は、服用を中止するなどの処置が必要なので、医師の指示に基づき慎重に服用しましょう。

子作り中もプロペシアを服用して良い?

プロペシアは子作りに以上の影響などを与える恐れがあります。子作り中もプロペシアを服用しても良いのでしょうか。

子作り中の服用は勧められない

男性がプロペシアを服用していても、男子胎児の性器に奇形が生じるとは考えられていません。しかし、フィナステリドが精液中に移行することは事実です。十分な販売実績を持つ薄毛治療薬ではないので、身体に与えるすべての影響が明らかになっているわけではありません。リスクがないとは言い切れないので、子作り中はプロペシアの服用を中断するほうが良いと考えられます。万が一の場合、「プロペシアが原因では?」と後悔することになるかもしれません。

また、プロペシアには性機能障害などの副作用が報告されています。性欲減退や勃起不全、射精障害などの副作用が現れると、子作りそのものをできなくなります。こちらのリスクを考えても、子作りを計画している方はプロペシアの服用を控えたほうが良いといえます。

プロペシアを休薬する時期

すでにプロペシアを服用している方は、いつごろから休薬すればよいのでしょうか。フィナステリドは服用中止後1カ月で血液中から消えると考えられています。影響を完全に排除するため、少なくとも子作りに取り組む3カ月前から休薬することが勧められています。具体的な時期は、主治医と相談して決めると良いでしょう。

参考:『フィナステリドと子作り』ユナイテッドクリニック

休薬期間中の代替治療

参考:『低出力レーザーによる薄毛(AGA)治療は効くのか』新宿AGAクリニック

参考:『内服薬について』医療法人横美会ヨコ美クリニック

まとめ

プロペシアの有効成分・フィナステリドは精液中に移行しますが、これにより男子胎児の性器に奇形を生じるとするデータはありません。性機能障害などの副作用を起こすリスクもありますが、実際の起こる確率はごくわずかです。プロペシアは安全性の高い薄毛治療薬と考えられています。しかし、リスクがないわけではないので、子作り中は服用を控えたほうが良いと考えられます。子作り中も薄毛治療に取り組みたい方は、AGAクリニックなどでその他の治療法を教えてもらいましょう。

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